俺は昔からついていなかった。だから俺は不運にも勝てるように努力した。天才や幸運には勝てない。しかし平凡な奴には努力すれば勝てる。俺が死んだときは確か建築会社の社員をしていた。死因は恐らく事故だ。建築現場を見に行ったとき、安全を確認せずにクレーンで上げられた鉄骨が落ち、その下敷きになった。その時に出会った奴が居た。
「お前もか…これだから最近の人間は…」
「誰ですかあなたは」
「お主らが言う神だ」
「神ですか…それならば主よ。ある格言をご存知でしょうか」
「なんだ」
「神は死んだ。有名な格言ですよ。神が居るのならばなぜ私がこのような不運を受けるのでしょうか」
「なら私は何なのだ」
「悪魔、または同等の性質を持つ想像上の生物と予測します」
「ほう…実はお主と同じような者と先程会ってな…お主も例外しよう」
「何をするつもりですか!ちょっ待て…」
こうして俺はノア・デグレチャフとして再び生を受けた。姉にはターニャという奴も居るがどうも姉妹共々捨てられたようだ。教会に育てられていた俺は姉と同じく魔法適正がありそれをきっかけに軍に志願した。俺は特には何もなかったが成績は良く修了課程は実地試験を残すだけとなった。姉は哨戒任務だったが俺は物資の輸送任務だった。しかし俺は思い出す。いつの世にも不幸は訪れるものだと。
「協商連合による越境行動を確認。ROEより防空遊撃戦へ移行せよ。現時刻を持ってターニャ・デグレチャフ准尉は少尉に昇格。コールサインはピクシー01とする。」
どうやら協商連合が喧嘩を売りに来たらしい。
「ノア・デグレチャフ准尉も現時刻を持って少尉に昇格する。コールサインはクレスト01。ピクシー01と合流せよ」
俺にも命令が下った。こんな大荷物を持ちながらだ。かなり時間がかかるぞ。
「クレスト01。了解」
現場に到着すると姉が爆発していた。姉のことだ。多分無事だろう。
「クレスト01よりノルデンコントロールへ。ピクシー01が撃墜された。指示を乞う」
「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。敵機を追撃せよ」
「クレスト01。了解」
もっと速く…そう思ったときあることを思いついた。航空機のように揚力を使って飛べば推進力を余すことなく使えるのでは。今から考えると実戦で即興で思いついた戦術を使うほどとち狂ったことはないと思うがやってしまった。しかし考えたことはどうやら合っておりかなりの速さで飛べた。
「隊長!新たに敵魔導士を発見。1機です!高速で接近しています!」
「ちぃ…仕方あるまい。迎撃するぞ!被弾を最小限に!速く撃墜して撤退する。負傷者を速く撤退させろ!」
どうやら敵は迎撃するらしい。
「クレスト01よりノルデンコントロールへ。荷物の投棄の許可を!」
「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。認可する」
出来るだけ軽くするために荷物を捨てる。その数秒後に格闘戦に入った。ヘッドオン。敵1体を集中的に狙い障壁を破る。
「くそ!速い!」
そう敵が言った言葉が耳に入る。そのまま急上昇。反転し障壁が破られ遅れた敵に弾を浴びせる。敵は血みどろになり地上へ落ちる。1機撃墜。そのまま敵編隊中央に突撃する。弾幕がかなり濃くなるがすぐに弾幕がなくなる。敵は躊躇して撃てなくなるのだ。そのまま粘着し撃ちまくる。貫通術式を使いまた敵1体を撃墜。バレルロールを行いながら応射する。この速度だと弾も掠る程度で大したダメージは入らない。まるで猟だ。さらに旋回し敵を集中砲火。撃墜には至らなかったが右手に貫通術式の弾が当たった。恐らく戦闘不能だろう。しかしすぐに弾が尽きる。急上昇し雲の中に逃げ込む。すると下で何か爆発音が聞こえた。雲間から覗くと友軍が居た。
「クレスト01よりノルデンコントロールへ。弾薬が尽きた。撤退の許可を」
「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。認可する。ピクシー01を回収し撤退せよ」
「クレスト01。了解」
こうして俺の初陣は終わった。帰還して数日経つと一般突撃章が貰えた。確か突撃した者に対する章だったか。ありがたいものだ。
数日後、ある論文を軍に提出した。内容は効率的な飛行方式に関してのものだ。すると軍から興味があるから詳細をと上に呼び出された。
「教官!お久しぶりです!」
「ノア君。久しぶりだなぁ。確かまだ入りたての頃だったな。立派になりおって」
教官はそう言い頭を撫でてきた。
「教官。流石に頭を撫でるのはどうかと」
「すまんすまん。娘を思い出してな。確か飛行術に関するものだったな。ついてきなさい」
そうして俺は応接室に呼ばれた。
「では、話してみなさい」
「はっ。まず初めに既存の飛行方式に関して話させてもらいます。現在、普及している飛行方式は空間に干渉して飛行するものが主です。これには定点攻撃が可能な点から対地攻撃に適していると考えられます。私が提唱する飛行方式は航空機のように揚力でもって飛行するものです。この方式は既存のものよりも速く対空能力に長けています。しかしこの方式は定点攻撃が出来ず対地攻撃にはあまり適しません。また非常に難しい方式のため育成に時間がかかります。定点攻撃ができないという弱点は既存の方式を併せて運用することで解消できますが育成に関しては難しいと小官は愚考します」
「よろしい。確かに良さそうだな…うむ。上に掛け合っておこう。恐らく数日後には移動命令が出る。すぐに移動できるように荷物を纏めておきなさい」
「了解しました。では小官はこれにて」
「ああ。ご苦労であった」
こうして俺は中央に呼び出されその飛行方式の実戦運用のための試験にラインへ、そして今俺は本国に帰ってきた。俺は今、嬉々として学問に励んでいる。
クレスト01の元ネタは空自のヘリ空輸隊のやつです。なお書いてるうちにクレスト(アーマードコアのほう)が頭の中に…