お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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コラボ機能とは

 

「は? コラボ?」

「こらぼ?」

 

表示されているメッセージに思わず言葉を漏らすと、それを聞いたアキラさんが繰り返しつつこてんと首を傾げる。

 

くっ……クール系の美人さんなのに、そういった仕草すると本当に幼さが見えて可愛いのは卑怯でしょう!

 

……ではなく!

 

俺はひとまずメニューに意識を戻す。コラボ? コラボって何とするんだよ。

 

もしかして、やっぱりこっちに来ている人間が俺以外にいて、その人とのコラボ? それとも、向こう側の配信者と? でもどうやって?

 

 

あーもー! 新機能が解放されたなら普通チュートリアルとかやるだろー! あるいは最低限説明があるだろーが! このメニュー便利なのに、こういった所は本当に不親切なんだよな!

 

……とにかく、一度機能を開いてみるしかないか。いや、今はまずアキラさんの応対すべきなんだけど、後回しにしても意識が散っちゃって仕方ないし、どんな機能なのかだけは確認しておきたい。とりあえずさわりの所だけ確認しよう。これまでを考えれば俺にとって悪い事が起きるとは思えないし。

 

一応説明するからちょっとだけ待ってくださいと断ってから、俺はコラボのアイコンに触れる。

 

すると、ウィンドウがメニューの上に開いた。

 

そこには『コラボ対象とする相手を設定してください』と記載されており、その下に一つだけ表示があった。

 

 

"アキラ・シュヴァイツァー"

 

アキラという表示に、俺はアキラさんの方へ向き直った。

 

「?」

「あの、アキラさんのフルネームって……聞いていいですか?」

「シュヴァイツァーよ。アキラ・シュヴァイツァー」

 

……え、現地人とコラボ? 実は同姓同名の配信者がいるっていうオチじゃないよな? でも現地人とコラボってなんだよ。別に普通にこっちの人間も映るし、わざわざ機能として追加するほどか?

 

そう思いつつ、アキラさんの名前に触れてみると。するとその横にグリーンの灯が点灯した。

 

その直後だった。

 

「……ナニコレ?」

 

アキラさんがそう、驚きを含んだ声を上げたのは。

 

「え、何これって?」

「貴女の前に浮かんでいるすごい勢いで文字が流れている奴よ。それからあなたの手元にあるよくわからないマークが並んでる奴」

「は!?」

「なんか急に見えるようになったのだけど」

 

はぁーーーーーーっ!?

 

『えっ、コラボ機能ってそういう』

『まさかの共有機能?』

『わーい、アキラさんみってるぅー?』

 

これコラボ機能じゃねぇだろ! 機能共有って書けよ!

 

「……なんか私の名前が所どころに見えるんだけど、何故かしら?」

「え。アキラさんこの文字読めるんですか!?」

「だって普通に公用語じゃない」

「はぁーーーーーっ!?」

 

あ、やべ、今度は声に出た。突然俺が大声を上げたからアキラさんびくっとさせてしまった。ごめんなさい。

 

てか、言葉は最初から通じてたけど文字は自力で覚えなきゃいけなかったのに、そっちは自動翻訳されてるのかよ! あんまりじゃね!? さっきからこの機能の製作者に文句言いたいんだけど!? いやそれだったらその前にそもそもこっちに勝手に飛ばされた事を起こりたいけども!!

 

「あの、よくわからないけど大丈夫?」

「あ、すみません……」

 

そんな俺の怒りの感情が見て取れたのだろうか、アキラさんに心配そうな顔でそう言われたので謝っておく。アキラさんは何も悪くないので。

 

……その後、いろいろ確認させてもらうと以下の事がわかった。

 

まず、カメラ、コメント欄、操作メニューは全て見えている。

メニュー操作やコメント欄に触れるのは無理だった。カメラは触れるし掴めたが、機能の操作は不能だった。

俺には日本語で見えているコメント欄やメニュー文字に関しては、アキラさんにはこっちの世界の言葉で見えているらしい。

 

やっぱりコラボじゃなくて共有機能では? というかこの機能になんのメリットが?

 

『とりあえず異世界人の証明にはなるよね』

『真面目な話、コラボというか配信の手伝いをしてもらうんだったら有効なのでは?』

『そもそも機能全部解放されていない可能性もあるんじゃないかな』

 

……ああ、それはるかもしれない。実際MPで取得できる能力だって何らかのフラグで追加されたわけだし、今後何らかのきっかけでもっとコラボっぽい機能が増える可能性はあるか。

 

『ぶっちゃけテイルちゃんには共有したいよね。彼女何度か事故起こしかけてるし』

 

──確かに。最初の風呂の時は別格として、彼女距離感近いしアパートメントでは油断しまくってるから際どい映像がカメラに映りかけた事が何度かある。そんな彼女に俺がカメラで常時撮影されている事を伝えれば、その辺は注意してもらえるだろう。

 

『共有したらいいんじゃないかな? ぶっちゃけこれ条件明確でしょ』

 

コメント欄にそういった言葉が流れる。

 

まぁ予想は確かにつく。恐らくはコラボ対象に設定可能になる条件は「俺を異世界人と認識している」事。メニューは今日出かける前に一度確認しているが、その時にはこの表示はなかった。

 

今日はスパチャが結構飛んできているので(そのために頑張っているからだが)MPの総獲得ポイントで機能が解放された可能性もあるが、タイミング的にはコラボ対象に指定可能な相手が現れたことでフラグが立った可能性の方が高いだろう。

 

対象に関しては相手は現状アキラさんしかいない事からほぼ当確だと思う。一応「機能解放後に会った人間」とか「触れた人間」の可能性も1%くらいはあるかもしれないが、これは後ですぐわかるだろうし今は深く考えなくていい。

 

テイルさんに話すかどうかは……ちょっとアキラさんに相談してからの方がいいかもしれない。伝承の中の存在とはいえ、こっちの世界の人間がどういう感情を抱きそうだとか、知られた時に考えうる影響は確認しておきたいし。

 

その為にも、俺の事はアキラさんに説明しなくちゃいけない。俺は自分がどんな世界からどうやってこっちの世界に来たかとか、今見せているコメント欄やメニューがどういったものでどういう事ができるのかを説明していく。

 

 

 

 

 

 

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