事務的(?)な話も終わり、その後は3人で歓談したりゲームなどをして楽しんだ。
遊んだゲームはボードゲームの類だ。こっちのチェスや将棋そのままなゲームはなかったけど、類似しているゲームが丁度アキラさんの家にあったので、ルールを教えてもらいながら楽しんだ。
そこまで複雑なゲームじゃないんでリスナーの一部が『こっちで再現してみよう!』とかいってたし、もしかしたら日本でも広まるかもしれない。まぁこっちの世界に商標権のようなものがあるのらしいけど、日本側に適用されるわけでもないし止められるものでもないので好きにしてもらおう。とりあえず、複数個所で権利を叫んで泥沼になることだけはやめて欲しいけどね。ま、なったところで知ったこっちゃないけど。
後こっちのゲームも一個用意した。モデリングツール使えば盤と駒も作れるからね。
作ったのはオセロだ。簡単に駒が作れるっていうのもあるんだけど、実はこっちのゲームの類少し調べた時オセロに似たものはなかったんだよね。まぁがっつり調べたわけじゃないから他の国とか大陸探したらあるかもしれないけど、少なくともこの国に挟んだら自分の色に変わるようなものはなかった。将棋みたいに自分の駒にできたり、囲碁のように囲んだら獲れるようなゲームはあったんだけどね。
このオセロが特にテイルさんに受けた。彼女チェス的なゲームはあまり得意じゃないらしいんだけど、オセロはルールが単純明快なのが良いらしい。アキラさんも、この内容なら庶民に広がりそうねとか言っていたからもしかしたら異世界でオセロが流行るかもね? なんなら平べったい石ころ拾ってきて片側黒く塗るだけで再現できるし。
そんな感じで寝間着姿の美女美少女と一緒に夜を楽しくすごすという、俺も美少女の姿になっていなかったらマジで恨まれそうな時間は瞬く間に経過し、気が付けば大分遅い時間になってそれじゃ寝ましょうか、となった。
──そして今、俺はアキラさんのベッドの上で仰向けになって横になっている。
『なんかカズサちゃん棺桶に入っているような体勢で固まってて草なんだけど』
仕方ないだろう。
今俺は寝たままピンと体を伸ばし、両手は体にピッチりと貼り付け、まっすぐ天井とその間に浮かぶコメント欄を見つめている。
なぜそんな状態になっているかというと、すぐ両隣に女の子が二人眠っているからである。アキラさんが普段眠っているベッド、かなりサイズが大きいので、その上に今テイルさん、俺、アキラさんの順番で並んで寝ているのである。
ベッド自体は別室にちゃんとあるみたいだけど、せっかくだし一緒に寝ようと言い出したのは当然の如くアキラさんで、テイルさんも速攻賛同する事になった。まぁ、ベッドでかいし端っこの方にいればいいかなと思って俺もOKしたんだけど……何故か気が付けば俺が真ん中になってたんだけど? 普通ベッドの持ち主が真ん中じゃない?
そして横になってからも少し話していたせいか、二人ともこっち向いて寝ているんですよね! なので左右どちらをみても目を瞑った美少女顔がある状態。そしてくっついているわけではないけど、二人とも端に寝ているわけではないのでかなり近い。
動いたら触れちゃいそうで、動けません!
いや二人ともスキンシップ激しいから(アキラさんは別の意図もありそうだが)普段から別に普通に触れ合っているんだけど、眠っている女の子に触るのって不味い気がしない?
『ここで偶然装って触ったりしようとしないカズサちゃん好きだよ』
『いつまでも童〇ムーブが抜けないよねカズサちゃん』
『寝返りするふりして抱き着いても怒られないと思うよ!』
……突っ込みたいが二人を起こしちゃいそうで声は出せないし、ジェスチャーもできないので表情だけで不満を示す。
『可愛い!』とか『もっとジト目を!』とか返って来た。いつもの流れである。まぁそんな100%予測可能な事はおいておいてだ。
俺は仰向けのまま、ほんの少しだけ首を動かして両隣の二人を見る。
二人は何の警戒を見せる事もなく、穏やかな寝顔で安らかに眠っている。
……中身は男だというのは伝えてあるのに、本当に何の警戒もしてないんだなぁ。俺という個人を信用してくれているのか、そのことを半ば忘れているのか。あるいは俺にそんな度胸がないと甘く見られているのか。
テイルさんが2番目で、アキラさんは3番目な気がする。……アキラさん俺を甘く見過ぎじゃね? もしかしたら強く出たら慌てふためくアキラさんが見れるんじゃね?
……ないな、それにそれで本気で警戒されたら滅茶苦茶頼れる協力者を失う事になる。背負うリスクがデカすぎて試す気もしない。仕方ない、揶揄われる事には甘んじておこう。……焦るし反応に困るけど、抱き着かれることが嬉しくないって聞かれるとそれは否定しづらいし。
あとそもそも目撃者が最低でも数千人いる状態で妙なイタズラする気はないです。
それにしても、だ。
この二人(グウェンさんもいれれば三人)と出会えたのはこちらの世界で体験した中で尤も幸運な出来事だけど、もし俺がこんな可愛い女の子姿ではなく男の姿だったら二人と仲良くなれていただろうか。男でこの状態になっていたら異世界転移ハーレムものの主人公になれてたんだけど、俺。
──いや、そもそも知り合いになれたかも怪しいな。女の子の姿になっていなければそもそも今のアパートメントに部屋を借りていないから、テイルさんとは会う事すらできなかった可能性は高い。アキラさんに関しても温泉に一緒に入るって事はなかった気もするし……パストラの近郊で能力を使う所を見られれば興味を持ってもらえた可能性はあるから、テイルさんよりはチャンスあった気もするけど。
誰が何の目的で行ったのかはまだはっきりしないが、配信とかで外見を売りに出来る事も含めて、自作の外見ではあるが美少女アバターの姿で転移させてくれたのは感謝すべきかもしてない。
……
……?
いやまてまてまて前提がおかしい。そもそもこっちの承諾も無しに異世界転移する事がおかしい! 感謝する必要ないって!
……でもアキラさん達に出当えた事は、やっぱりちょっとだけ感謝してやってもいいかも。……帰ったら、二人とはもう会えなくなるのか……。
まぁ捕らぬ狸の皮算用だ。そう言ったことは帰る手段が明確に見つかってから考えよう。
「ふぁ」
唇から欠伸が漏れる。なんか他愛のない事を考えていたら、緊張していた精神も解れ、きっちり眠気がやってきたようだ。
うん、もう夜も大分深い。身動きも取れないし、このまま眠気に身を委ねよう。
「お休み、みんな」
囁くように告げたその言葉に帰ってくる『お休み』『お休みカズサちゃん』というコメント欄を最後に人目眺めてから、俺は眠気に身を委ねてゆっくりと目を閉じた。
なお翌日朝。
寝返りを打ったらしい俺は目を覚ましたらアキラさんの胸に顔を埋めていたため、早朝土下座をすることになった。
、
前回残MP:490230
今回増減:
スパチャ +156800
オセロ製作費用 -1000
残MP:646030