お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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下準備のお時間

 

以前確認した中に<<メッセージ>>という能力があった。

 

これは日本の方の指定のアドレスに向けてメッセージを送れるという機能で、ようはメール機能である。

 

向こうの世界とのコミュニケーションを取る方法が配信のコメント欄しかない現状、便利な機能なように見える。ただ、送る文字一つ毎に1000MPという法外なコストがかかるんだよな……まだ殆ど古参の視聴者しか見ていないような初期の頃にこの能力を見つけて、共用のメールアドレスを用意してもらっている。そこに連絡を入れれば他の視聴者に気づかれる事はなく向こう側の人間と連絡が取れる。

 

グッズの件を、これで連絡取ろうと考えたわけだ。

 

配信内で連絡取ると、状況的に向こうの面子が要望を受ける気がなくても受けざるをえなくなり迷惑がかかる。だがこれなら、少なくとも意思確認は取れるわけで。

 

ただなぁ……元々はこれメッセージで限定公開のアドレスを送って、そこで話し合うって使い方をするつもりだったけど……それをやるには当然といえば当然だけど、今の配信は一回きらないといけないんだよね。

 

切った配信の再開自体は可能っぽいという情報はあったけど……ここまでの数か月、一度もきっていない配信を切るのはいろいろと躊躇う所が……それに今となっては常時配信を謡っていていつでも会える異世界転移TS美少女(自分で言うのもなんだが属性過多だよな)を売るにしているチャンネルとしては、あまりよろしくない気がするんだよな。

 

悩んだ結果、アドレスを送るのではなく直接メッセージを送る事にした。よく考えたら限定公開で話すにしても時間調整で幾度かメッセージをやりとりしなくちゃいけないわけだし、それくらいならというわけだ。

 

尚最終的に送ったメッセージは

 

『グッズ イタク リエキ イチブ ナゲテ アオト サンディ リヨウ ヘンシンモ エムピ カカル』

 

計36文字──これで36000MP──理不尽っ、圧倒的理不尽なコストッ……!

 

ちなみに一応内容説明するとグッズ販売委託するから一部利益投げてね、返信もMPかかるから短くねという意味である。というか漢字使って文字数減らすことできないのもひどくね? 戦時中の電報かよ。

 

あ、アオト~の事だけど、VRCでの知り合いであるAOTに以前アバターの衣装のデザインを頼んだことがあって、その時に参考としてカズサの3Dデータを渡してるんだよね。ほら俺モデリングは自分でできるけどデザインセンスは自信ないからさ。少し前のデータだけどカズサのボディ自体はその後ほぼ修正していないし、当然生身の今の体に比べればいろいろ粗いわけだけど、ちゃんと今の体のベースになった素体なわけだ。その3Dデータをグッズとして出せれば公式っぽい感じになるのでは? という思惑である。

 

尚返答はわりとすぐ帰って来た。

 

『ケントウ』

 

だったけど。まぁそりゃそうよね、いろいろ後で面倒毎になっても困るから話し合わなきゃいけないだろうし、簡単に決定はできないだろう。正直丸投げになってしまって申し訳ない感じがあるが、こっちからはどうにもならんのでよろしくお願いしますって感じだ。メッセージも『ヨロ』って返しておいた。これで2000MP……くっ。

 

これでグッズだしたら利益が出るほど売れなかったらこのメッセージ分だけただの赤字に……やめよう、余計な事を考えるの。

 

とにかくグッズ周りの動きはひとまずこれでお任せだ。受けてくれなくてもそれはそれで……さすがにちゃんとした企業との交渉とか無理だしな……そもそも契約書にサインもできないんで。もし彼らの誰かが請け負ってくれるなら、配信時にそれを発表する予定。あ、ちなみに能力の取得とメッセージの送信はカメラの範囲外にフェードアウトしているときに行いました。

 

さて、グッズの方は置いといて。撮影用の準備の話だけどこっちは翌日パストラへ帰還すると早速動き出した。まず遺跡の方だけど、こちらは幸いな事に封鎖はすでに解除されていたのでまずは一安心。ここがNGだとそもそも魔石が確保できなくて終了になるからな。まぁ購入してもいいんだけどそうすると手持ち予算がガリガリ減るし……

 

探索者ギルドでその確認ができたので、次は二手に分かれて要件を済ます事にした。

 

グウェンさんとテイルさんはクアンドロ地下遺跡に向かう為の準備。以前設定していた遺跡近くのテレポートポイントは当然解除してあるので少なくとも行きは歩いて向かう必要がある。帰りはパストラのテレポートポイントが利用できるけどね。リンヴルムに到着した事で俺の<<インベントリ>>にしまってあるものの内消耗品の類はすでに処理済みとなっているので、購入しなおす必要があるためだ。まぁせいぜい2泊くらいにしかならないので、そこまでがっつりする必要はないんだけど。

 

こういう買い出し、<<インベントリ>>を使える俺の方が向いてそうだけど、街中でぽんぽん<<インベントリ>>使って格納するわけにはいかないからね。パワーのある二人の担当になった。

 

んで俺とアキラさんが向かったのはアトランド商会だ。以前仕事で関わり、それ以降は魔石の買い取りでお世話になったその商会に向かった理由は当然の如く記録用の魔道技巧のアイテムの確保の為である。魔石を取り扱うアトランド商会は当然それを燃料として作動する魔道技巧アイテムも販売している。それを購入する為である。

 

こういうの、ゲームとかだと購入の為にクエストをクリアするようなお使いじみたことを求められたりするのはよくあるはずだけど、まぁ現実としてはそんな事もなく無事に問題なく購入できた。

 

そもそも記録用の魔道技巧アイテムは技術的にはわりと単純で製作に必要な素材もそれほど希少なものでもなく、また撮影時だけでもなく撮影したデータの保存にも魔石が必要となるというコスパの悪さのせいでそれほど人気がある商品でもないので在庫は普通にあったので。お値段としても(魔道技巧の品としては)お求めやすい価格だった。

 

まぁとはいえ根本的に魔道技巧商品は贅沢品であり、その中では安いとはいえさすがに大量購入できるほどの価格とは勿論いえないので、手持ちの金と今後しばらくリンヴルムで生活していくにあたってかかる予算とかもろもろ計算し、最終的に3個購入となった。

 

こうなれば後は魔石をゲットするだけ。余った時間はせっかくだからと久々の自宅の掃除に当てた後一晩過ごし、翌日にはクアンドロ地下遺跡に出発。何度も来るのがタイムロスになるとのことでいつもより多めに三泊してクアンドロ地下遺跡のゴーレム達を狩りまくり、充分な量の魔石をキープ。ついでに久々のモンスターとのがっつり戦闘でテイルさんやアキラさん、グウェンさんの格好いい所を見せてコメント欄ももりあがり、結果として俺はほくほく顔でリンヴルムへ帰還する事ができた。

 

よーし、これでもろもろ準備完了だ。よーやく、よーやくリンヴルムに向かった理由への第一歩を踏み出すぞ!




前回残MP:1049980
今回増減:
<<メッセージ>>獲得費用 -10000
メッセージ送信料金 -42000
残MP:997980
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