「というわけで、コイツの生態の解説は終わり。これで今回の映像も一通り終わった。どうだった?」
『ごめんカズサちゃんの姿がえっちすぎて頭に話が入ってこなかった』
『いやなんでそんな煽情的な格好してるの?』
『カズサちゃんがエロ売り配信者に……(´;ω;`)ウッ…』
「してねぇし、そもそもお前らがリクエストした格好だろうがよ!!!」
映像の編集が終わり、フリップや説明文の整理も終わって、いざ配信日を告知して。
引き続きリンヴルムの自宅で一人で過ごしている(日本側では)休日の今日、俺は数万人の視聴者の前で編集した映像を使った企画の進行を行っていた。
ちなみに今日の恰好は、白いブラウスに黒いタイトスカートにストッキング、それに眼鏡(度なし。というかレンズなし)という姿である。
これは先ほど口にした通り、リスナーのリクエストだ。映像の解説とかするなら、女教師っぽい服が良くね? という話から始まり、女教師っぽい恰好ってどんなのだよって話になって、コメント欄と話し合いながら作った格好がこれである。
で、作り終わった後に「いやこんな格好している教師なんて、エロ漫画の女家庭教師位では?」となったわけである。まぁ普通に考えると別に露出が高いわけではないし、作っちゃったのは仕方ないとこうして着こんで配信しているわけだけれども。
いやまぁ……ブラウスも割とぴっちりしたサイズだし、確かになんかエロいとか煽情的って言われると、俺の男の部分が理解してしまうんだけどさ……
ともかくそんな恰好で、こないだのお姫様コスプレ以来の企画配信を行っている訳である。
あ、コメント欄とかさっきみたいな奴ばっかりじゃないからな? ちゃんと編集した動画見て喜んでくれたり楽しんでくれているのがわかるコメントもいっぱい流れている。
最近ではゲームとかでもモンスターとか滅茶苦茶リアルになってるけど、それでもやっぱりリアルに存在して動いている未知の生物というのはなかなかに人の興味を引いてくれるらしい。
正直良かったよ。俺の目的を考えれば最終的には視聴者がいっぱいになってスパチャが飛んでくれればいいんだけど、今回は結構いろいろ準備に頑張ったわけで、それなのに俺に対するコメントばっかりだったらちょっと気持ち萎えてたかもしれないからなー。
作業配信で映像垂れ流してたから常駐組には映像に関しては新鮮味がないってのはわかるんだけどね。
ともあれ、ここまででひとまず編集した映像を一通り流し終えた結果、スパチャは結構飛んでくれたしコメント欄の反応も上々だったから気持ち的にはホクホクである。目的は果たしたのでOKOK。
「ぷあー」
口から気の抜けた声を出しながら、ベッドの上に身を投げ出す。
なんというか、ちょっと体に力が入っていたのかな? どっと疲れた感じがある。今回みたいに講師(というほどのレベルでもないが)のような形式で配信することあまりないからなー、というか配信以外でもこうゆうことしたことなんて殆どないし。
『企画終わったら速攻で横になってて草』
『カズサちゃんその恰好で横になるのは不味くない?』
『むしろ、こっち向きにその格好してぇぇぇぇぇ』
する訳がないのである。こんな短いスカート穿いているのにそんなことしたら痴女じゃねーか。常時配信生活始めて長いし、さすがにそこまで間抜けな真似をすることはないのだ。というか今割と着ている服どれもぱつぱつだからあんまりのんびりするには向かないな……。
んー。
俺は倒したばかりの体をゆっくりと起こすと、カメラを位置を変えて部屋の手前のほうしか映らないように移動する。
『あれ、カズサちゃんもう着替えちゃうの?』
「いや、気づくの早いから」
カメラ移動しただけで察しないでくれ。
『やだなぁカズサちゃん、俺達カズサちゃんの付き合いどれくらい長いと思ってるの』
『数か月も同棲しているようなもんだし、わからないわけないじゃない』
『いつだってみてるからねぇ……カズサちゃんの事は何でも知ってるよぉ……』
ヤダ気持ち悪い(口にはしない)。ま、わざと気持ち悪く言ってる感じっぽいけどね。……ただここまで生活映像流してるとそれこそ普通の配信者だったら凸とか喰らったりしそうだけど、俺の場合その心配がないのはある意味助かるね。
この姿のまま日本に戻ったりすると死ねるけど。
「まあそういうことで着替えるんでちょっと待ってなー」
そう告げると、コメント欄が「はーい」で埋まる。なんか可愛いな。
とりあえずはベッドに腰かけ、ストッキングから脱ぎ捨てる。今回要望で履いたけど、基本的に俺ストッキングあまり好きじゃないのよな。俺元から女として産まれててもストッキングは使わないで過ごしていた気がする……いや、さすがに冬場に制服で死ぬか。
ふう、解放感。
寝る前にお風呂入りたいから、まだ寝間着には着替えないでいいかな。今日やる企画は全部終わらせたから後はだらだら過ごすつもりだし……大き目のシャツでいいか。あの格好楽だし、露骨にエロいという訳ではないけどなんかみんなにも可愛いって評判いいからWinWinだし。
着替えの中からショーパンと大き目のシャツを取り出してベッドの上の放り投げ、それからタイトスカートを脱ぎ捨てる。そして最後に残ったブラウスのボタンを半分外したところで、ドアが唐突に開いた。
「カズサちゃん、今大丈夫かしら?」
そう口にして入って来たのはアキラさんだった。まぁテイルさんとグウェンさんはまだパストラから返ってきてないからこの家にはアキラさんと俺しかいないんだけど。
アキラさん今日もギルドの方に出かけてたんだけど、戻ってきてたのか。
入って来たアキラさんと、半脱ぎのブラウス以外は下着姿の俺の目が合う。
「あら、着替え中だったのね、ごめんなさい」
「いや、大丈夫」
アキラさんとは一緒に旅をしているときに同じ部屋に泊まってたから、着替えくらいなら普通に見られている。今は同性なわけだし、変な目で見てくる訳じゃないので気にする事でもない。
なんだけど……何故かアキラさんは目の形を弓にする。そして俺ではなくカメラの方へと近寄ると、
「ふふ、着替え途中のカズサちゃんすっごく可愛いわよ~。スタイルもいいしね。みたいでしょ?」
『み゛た゛い゛』
『アキラさん羨ましい(血涙)』
『せめて実況を!』
「でも残念でした! 今のカズサちゃんを見れるのは私だけ~」
まーたアキラさんがリスナー揶揄ってる……最近あんな感じでリスナー煽るのが割とお気に入りらしい。そっち方面の性癖のお持ちの方や百合スキーな方、それにアキラさんが楽しそうだからいいんだけどね。
アキラさんはそのまま俺が着替え終わるまではリスナーの相手をすることにしたようなので、俺はそのまま彼女に任せブラウスとショーパンを身に着ける。
あー、楽な格好でいいわー。
さて、と。
「ところでアキラさん、何か用事あった?」
現在同居中だが普段のアキラさんはノックしてから部屋へ入ってくる。今日はそれがなく入って来たので何か早めに話したい事があるのでは? と予測してそう声を掛けると、カメラに対してニコニコ笑っていたアキラさんがこちらへ視線を向けなおした。
「そうそう、ちょっと話があったのよ」
そうして笑みを消して口を開く。
「カズサちゃん、貴方ギルドから招集を受ける事になりそうだわ」
前回残MP:1049980
今回増減:
衣装代 -6000
スパチャ +1745000(前回からの増減分含む)
残MP:2788980