『完全にファンタジー世界ですね』
『まぁMPで取得できる能力のラインナップ見た時点で予想はしてたけど。魔法的なものばっかりだったし』
『エルフとか獣人いたのか。生亜人は是非見たかったけど……まぁこの先見れるか』
「そこまでレアな存在じゃないっぽいからすぐに見れると思うよ。後物価だけど、消耗品とかを見る限りではMP換算だと現代日本の3分の1くらいじゃないのかなって思う。物によってぶれるから一概には言えないけど」
地方によって勿論相場は違うらしいけど、少なくともこの辺りは大体こんな物価だそうだ。
『こっちと物価イコールとかそっちの方が高くなくて助かったね。そのくらいの額だったらなんとか今の視聴者数でも支えていける……?』
『行けるだろうけど、そうするとずっと最低限でやっていく事にならない? じり貧だよ』
『俺はカズサさん推しと決めたから支援継続するけど、全員が継続的にやっていけるかと言ったら無理があるだろ』
「だよな」
配信者を見るも見ないも視聴者の自由だ。他に気になるものが出ればそっちに流れるだろうし、生活環境が変わってみなくなることもなるだろう。普通の配信者をやっているときは普通にそれも仕方ないねと去る者は追わずのスタンスだったけど、こっちで安定した収入を得る手段を得ない限りは死活問題になる。とはいえ離れていく人間は止められないから、全体としての数を増やすしかない。
「結局視聴者増やすしかどうにもならないって事だな」
『そういうオチになるね。というわけで話が戻るけど、どうやって増やしていこうかって事になるんだけど』
『美少女になってる訳だし、エロ配信すれば一気に増えるのでは?』
『垢BANされたらどうするんだ。あわつべ割とエロに厳しいぞ』
『こんな謎の状態で配信してるのに、垢BANなんてされるかね』
『真面目な話、それお勧めできない。実は俺今日カズサさんと類似した状況になってる奴いないか調べたんだけど、それっぽいのが二人程居たんだよね』
「嘘、マジで!?」
俺以外にもこっちの世界に来ている奴がいるって事!? だとしたら直接はやり取りは無理でも視聴者経由で協力できるんじゃぁ……!
『ちなみにその二人、一人は胸やら局部出してエロ配信した結果アカウント停止。その後はまったく音沙汰がない』
「……」
『うわぁ……』
『普通に垢BANされるのね……』
「……エロ配信は無しで」
アカウント停止がなければ胸くらいは出したって構わないかもしれないけど、停止されるならその選択肢は絶対なしだ。今アカウント停止されたら俺は終わる。どのラインで停止されるかわからないので、ギリギリのラインを攻めるのも無理だろう。
『あともう一人の方は?』
『ゲームの世界と思ったのかそこいらの木を拾って歩いている人間襲った結果、駆けつけた衛兵に切りつけられて悲鳴と共に画面ブラックアウト、以降音沙汰無し』
『アカン』
『カズサさんは慎重派で良かったね』
全くだよ。
『とりあえずエロ配信とか、リスクの高い事をする配信は無しだね』
『まぁ今のカズサさんめっちゃ可愛いし、普通に宣伝すれば人集まってくるんじゃない?』
『そこまで甘くはいかないだろ。今のカズサさんの状況だとやれる事が限られてるから、一見さんはきてもスパチャ投げてくれる人がどれだけいるかは未知数だ』
「ゲーム配信とか同時視聴とか、そういったあわつべでよくある事はできないしな」
『カズサさん声も可愛くなってるし、歌配信とかは?』
「音源がないし、俺別に歌上手くないからアカペラだとしんどいと思う」
『ロケーションがファンタジー世界なんだし、普通に街散歩とか……』
『今日一日俺配信見てたけど、そうずっと使えるコンテンツじゃないと思う』
……なかなかに難しいな。