お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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体育のお時間です。

 

『いやぁ、青春時代を思い出すねぇ』

『やっぱり体操服姿にはさわやかな汗が似合うよね! カズサちゃん以外殆ど汗かいてないけど』

『柔軟はカズサちゃんメインで映してたけど、実に良い映像だった……切り抜き師頼むぜ』

『なんか青春時代を回顧している人多いけど、視聴者の年齢層が気になる所』

『俺の青春時代にこんなアクロバティックな女の子いなかったよ……』

 

そんなコメントが流れるコメント欄の向こう側では、テイルさんがマット運動を行っている。

 

いや、最早マット運動と呼べるものではない。宙返りやバク転は当たり前、なんか空中でくるくる何回も回ってるし何なら2段ジャンプやら3段ジャンプみたいなのをしている……うっすらと板みたいなのが一瞬出現したから<<ランドインザエア>>を使って足場を作ってはいるんだけど。

 

『大丈夫、さっきのカズサちゃんも可愛かったよ……?』

『準備運動のヘソちらのサービスだけでカズサちゃんのすべては認められるから安心して?』

 

いや、別に嫉妬とかそういうものはしてないから。というかレベルが高すぎてそういう感情抱くレベルじゃないだろこれ。

 

現在、俺達は順番に体育やスポーツを模した運動を行っていた。順番にやっているのは、これはあくまで授業じゃなくて見せるための配信だからね。

 

んでもって、一応最初に見本というにはおこがましいけど大体どんな事をやるか一通り準備したものを見せたわけだ。その中で今テイルさんがやっているマット運動や(すでにテイルさんマットの上で動いてないけど)跳び箱とかも当然やったけど、俺がやったのは勿論普通の体育の授業でやる程度のものだ。この今の体、別に身体能力が上がっているわけじゃないし、身体強化系の能力そんなとってないもんな、<<ハイスピード>>とかも使いどころないし。というか多分男時代より筋力が落ちているのと胸のバラストのせいで男時代以上にできなかった。なんでマット運動といっても前転と側転くらいなものである。そんなのと目の前のアクロバットを比べてはいけない。

 

ちなみに準備運動のヘソチラは本当にサービスである。そう、意図的な奴だ。

 

皆にこんな格好させておいてなんだけど、露骨なエロいシチュを皆にやらせるのは流石に躊躇ったので、全員でやる柔軟に関しては出来るだけ俺だけがメインで映る様にカメラを設定した。あの背中合わせになって体を伸ばす奴とか、確実にある一点に視線が集中するのは読めてたしな。純粋な女の子よりも最近は女としての羞恥心を持っているとはいえ元が男の俺がやるべきなのは間違いないだろう。その時にわざとお腹が出るようにしてサービスしたらそれはもう大うけだった。男って本当にチョロい。

 

『柔軟の時の声も艶っぽくて実にベネでした』

 

……いや、それはわざとじゃないです。素で出た声でした。というか艶っぽくはないだろう、別に……最初からそういった眼で見ているからそんな風に聞こえるんですよ。

 

……多分ね? そんな声だした気はないからね?

 

「ふいー。こんな感じでよかった?」

「完璧。お疲れ様」

 

そんな事を考えている間に、テイルさんが一連の動きを終えて戻ってきたので、腕で大きく丸を作る。ぶっちゃけここまでの動きなら体操服とか関係なしに視聴者集められるだろう。明らかに元の世界じゃ不可能な動きとかしてたしね……

 

運動自体は日本でも行えるような事なのに、実際の動きは現実世界じゃ絶対無理な動きだもんな。現実とファンタジーのアンマッチ感があって映像としては非常に強い。

 

一つ前のアキラさんはこういったマット運動ではなくボールを使った競技をしてもらったんだけど、こっちもすごかった。30m以上離れた距離からのフリースローや、2枚抜き連発で5球で終えたストラックアウト。それに障害物を迂回してありえない角度で曲がるフリーキックなど。いずれも現実で出来そうでまず不可能な技の連続だった。

 

 

当然これもアキラさんが球技が滅茶苦茶上手という訳ではなく、魔術でボールを包むことで操作しているらしい。さすが俺と殆ど年齢も変わらないのにパストラではトップクラスに名を連ねる天才である。

 

ちなみにこれも俺はやったけど……結果は言うまい。まぁあの、世間一般レベルとだけ言っておきます。

 

「さて、次は私の番だと思うが……何をすればいいかな。正直二人がやったものはそれ以上の動きは流石に無理だと思うけど」

 

殆ど汗はかいていないけど一応テイルさんにタオルを渡していると、ようやく太腿を晒している事に慣れてきたのか途中までの背中を丸めた体勢ではなくピンと綺麗な姿勢でテイルさんのアクロバットを眺めていたアイリーン様からそう声を掛けられた。

 

確かに……アイリーン様も運動神経は悪くないだろうけどテイルさんみたいな動きをするタイプではないだろうし、魔力操作もアキラさん程ではないだろう。まぁぶっちゃけた話をすれば体操服ブルマ姿の金髪のリアルお姫様が何をしたとしてもリスナーの大部分は喜ぶだろうけど、当人としては前の演者と同じ内容で劣るものを見せるのは嫌かもしれんなぁ。

 

「ええっと……鉄棒とか?」

 

一通り見せた内容からだと、テイルさんは鉄棒とかはやってない。

俺は逆上がりとかその程度しか見せれてないけど、いくつかの技は説明してあるし。ちなみに準備運動以外で俺が実践して見せた中では鉄棒が一番リスナーの受けが良かった。鉄棒から動かないから映す範囲が少なくていい分カメラを近くに設定したからだろう……それ以上の理由に関しては深く言うまい。ただ俺はお色気担当としての覚悟は決めているということだけは言っておく。

 

「あれか」

 

俺の提案にアイリーン様は首を傾げつつも歩み寄り、そして軽やかな動きで鉄棒の演技を始めだす。俺が見せた逆上がりを皮切りに、普通の鉄棒ではなく体操選手がやるような動きまで見せる。……ああいった選手が使う奴程の高さもないのに見事なものだ。そうしていくつか俺が口頭で説明した技や、自身で考えたっぽい技を決めた後、最後回転から見事な着地を見せた。

 

──が、その直後アイリーン様はすぐ首を傾げる。

 

「うーん。やっぱりテイルさんのアレの後としては微妙な気がするな」

 

真面目な人だなぁ。こちらとしては、リスナーが喜んでいるので今のでも全然問題ないですよ?

 

と思うわけだが、彼女は納得がいかなかったらしい。少し考えるそぶりを見せた彼女は何かを思いついたらしくポンと手を叩くと、壁際の方に歩み寄ると、そこに立てかけられていた木剣を手に取った。

 

「こういうのはどうだろう?」

 

 

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