せめて最初からいろいろ魔法が使えれば、その魔法を使っていろいろ芸を見せることもできたかもしれないけど、その魔法を覚えるためにそもそもMPがいるしな。今私が使える魔法って、水出す魔法だけなのでどうにもならん。
「なんか異世界でも出来る企画を考えないとか」
『そうだねー。例えばキャンプ配信とかはできると思うけど』
「キャンプ配信?」
『配信じゃないけど、割とキャンプ動画は人気あるよ。異世界でのいろんな光景を背景にしてキャンプすれば割と見てくれる人多いんじゃないかな』
『後はエロ配信じゃないにしても、割と胸を強調した格好にすれば結構ファンは付く気がする』
『それに異世界の生物を観察するのも合わせれば、悪くはないかもしれないな』
確かに。キャンプはした事ないけど、すでに覚えている<<ウォータークリエイト>>や発火、ライトの魔法とかキャンプに役立ちそうな魔法もある。
胸は……やっぱり女の子なら胸か、そこが重要か。そういった箇所を強調する服はこちらの街中で着るならまだしも配信に映るだけなら別に気にならないから構わないっちゃ構わないが。ただそもそもそれを用意するのに金がかかるしなー。
んー。まぁ総じてやれそうではあるけど、
『ただ安全性がな。さっき聞いた通り怪物とか獣とかでるんでしょ? 身を護る魔法覚えないと無理じゃない?』
『街のすぐ側での野宿はそれはそれで危険性があるしなぁ』
「そうなるよね。となると将来的な企画としてはありだけど、現時点では無理か」
『駄目かー。他にいい案は誰かある?』
『……』
『……』
おいコメントが止まったぞ。キャンプ以外にネタがないのか。尚俺は何も浮かんでこない……参考に別のチャンネル漁るとかできないしさー!
『そいやさっき閃いた奴はどうした?』
『あ、話していい?』
「なかなかいい案が浮かばないし、お願いするよ」
『りょ。じゃあまずおれの案のタイトルから発表しよう』
「タイトル?」
『うむ。その名も"カズサちゃん育成プロジェクト"』
『通報しました』
『通報しました』
『通報しました』
「俺の場合はどこに通報すればいいんだ?」
『まってまってまって、そういうアレじゃないの話を聞いて?』
そういわれても、自分を育成するという計画を出されて俺はどう反応すればいいんだ。
そもそも何を育成するんだよ、と思いつつ彼の次のコメントを待つ。
『このセリフだけでやましい想像をする連中はギャルゲとかのやりすぎだ。えっと今から内容を話すぞ』
『もったい付けずにはよ』
『まず俺が思うに、今のカズサさんの売りって二つあると思うんよ?』
売り?
『一つは外見。間違いなく今のカズサさんは美少女だからな。そしてもう一つの売りは──配信時間だと思うんだよ。どんな配信者だって、毎日一日中ずっと配信なんかしてないだろ?』
「まぁ仕事とかプライベートの付き合いとかあるだろうしな」
職業配信者にしたって、一日限定とかならまだしもずっと配信はしてられないだろう。今の俺みたいに固定しなければ自動追尾してくるカメラなんてものも存在していないんだし。
『配信を見に行けばいつでも会える美少女』
「わかってると思うけど、着替えとかトイレとかの時はカメラ他所に向けるからな?」
『……配信を見に行けばだいたいいつも会える美少女ってのは売りになると思うんだ』
まぁ確かに現時点で配信はずっと流しっぱなしだし、今の俺にはプライベートでやりたい事もない。勿論誰の目も気にせずのんびりしたい気持ちもあるが、今はそれより収入につながる配信の方が優先される。なにせ生活というか下手すれば命がかかっている。こっちの世界には頼れる友人や親戚もいないので。
あ、でも
「寝てるときも配信するの?」
『むしろそれは必須でしょう』
『配信を流しっぱなしにすることで推しと一緒に寝れるのってでかいよな』
『大丈夫、ヨダレを垂らしたカズサさんも可愛かったよ♡』
「あ、おいお前ちょっと!」
余計な事言うな!
……あーもー、何それ知らないとかコメント欄が荒ぶっちゃったじゃないか。