お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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4 王都アストリア
パストラへの帰還


 

「やっぱり、この部屋が一番作業が捗るなぁ」

『ここでのんびりするのは大分久々だけどねぇ』

『そもそもリンブルムにいた時はいろいろ忙しかったし』

「それはそう」

 

門の封印の後数日間俺達はリンヴルムに滞在を続けたが、封印した門が復活する事はなかった。

 

当初の配信の目的だったレンオアム大森林は今回の一件で割と動物達の生息域が一時的にかもしれないが変わってしまったようで、狙った生物を観測するのが難しくなってしまった。それもあるししばらくはアンデッドの生き残り(といっていいのか?)の捜索、殲滅のためしばらくは多めに探索者や騎士団が立ち入るとのことで……一応一回は撮影したし、どこかで再放送的なあれで使える素材はあるということで、一度俺達はリンヴルムを離れることを決定した。

 

顔が売れちゃったのもあるし……俺は冴さんの姿になっていたけど、他の三人は当然本来の姿で参戦していた訳で。特に俺とずっと一緒にいたテイルさんなんかは注目の的だ。しばらくはあまりリンヴルムでは落ち着いて過ごせないのは間違いないということもあり、パストラへ帰還したわけだ。

 

我々の本拠に戻ってきたということで我々のパーティも一度解散。それぞれ普段の生活に戻っている。

 

といっても、また動く時にはパーティーを再結成する前提だけどね。

 

で、だ。

 

そうして皆が普段の生活に戻った中俺がどうしているかというと……衣装のモデリングをしてたりする。

 

先の戦いやら門の封印でリスナーの皆にはすごーいお世話になってたからね。ここ最近はアイリーン様に参加してもらうという大きな企画はあったものの、それ以外はあまり何もできていなかったし。感謝感謝の企画ラッシュを行う予定である。

 

普通に殆ど0になってしまったMPを集めなきゃいけないっていう理由もあるけど。

 

企画は皆の意見を聞きつつ、これまでやってきたような企画と同じようなものになるけど、いろいろやるつもり。疑似デート企画とか、歌枠とか。あと妙に人気のあるご飯を一緒に食べようかな企画とか。観光的な企画に関してはどうせ近々王都の方に行く事になりそうなのでやる気はないけど。あ、でもケモナーの人たちからのプッシュもあったから港とか獣人の方々が多く生活している地区の方には行こうかな。

 

で、今やってるのもその一環で、新規衣装のモデリングである。

 

こちらに関してもコメント欄の中で皆にいろいろ提案をしてもらい、その中で目についたいくつかをアンケート機能を使って選んでもらった結果……魔法少女衣装に決定した。なにやら今期のアニメで魔法少女物がバズっているみたいなのでその影響なのは間違いない。

 

ちなみにリスナーの皆曰く、内容としてはコスチュームがちょっとHだけど本筋は熱い近接バトルもの、だそうだ。魔法少女とは……? それとちょっとHなんかい。

 

まああんまり際どい格好は求められてもデキマセンケドネー。BAN怖いし。

 

というわけで、今はリスナーから意見を聞きつつモデリングしているというわけである。もちろん今の俺の視聴者量だと話を聴きながらその魔法少女の正確なコスプレ衣装を作るのは不可能に近いので、流れる大量のコメントの中から意見をピックアップして反映しつつ、基本的には俺のセンスで作るという事で皆に了承はもらってある。

 

『かなりいい感じ』

『カズサちゃん、レースモデリングするの上手いね』

「へへっ、いいだろ?」

『ドヤ顔可愛い』

 

ちなみに今は頭に着けるレースの黒いスカーフを作っている。魔法少女のイメージとはあまり会わないが、昨今の魔法少女ってあまり魔法少女っぽい格好してないらしいしそういうもんなんだろう。

 

全体のイメージとしてはややゴシック調が入って裾にレースをふんだんに使った丈の短いドレスって感じ?

 

正確にはショートのスカートの上にシースルーレースの後ろだけ丈が長いスカートを被せている感じ。可愛い感じではあるんだけど、結構手間のかかる衣装となっております。まぁ実際のモデリングと違って揺れ者の設定とかを考えなくていいからいいんだけどさ。

 

当然先に宣言した通り元ネタの魔法少女を再現できているわけではないけど、雰囲気は結構似ているらしいとのこと。マジか、これで近接戦闘なんかしたらパンツ丸見えなのでは? とか思ったけどそこはやはりアニメなので不思議な力でこのスカートが捲れあがることはないらしい……いや、俺は現実の存在なので捲れあがるんだけど……?

 

動き回らなければいい話ではあるけど事故が怖いので、スパッツかこないだの配信でつかったブルマ辺りを使って見られても大丈夫な状態にしていくのが安全か。というかBANがなくてもさすがに数万(場合によっては桁が一個あがる。しかもそれはリアルタイム視聴者であり、切り抜きで見られる量も考えると……)単位の人間の前で下着をおおっぴら晒すのはちょっと……多分デザイン的にはスパッツの方がいいかな? こっちの世界でも魔術を使えばばスカート捲れないようにできる気もするが、さすがにMPの無駄遣いがすぎるよね。

 

『それにしてもカズサちゃん器用だよねぇ』

 

「ん、何が?」

 

『自分の体勢見直して?』

『なんで横になってる体勢で、そんな繊細なモデリングできるの』

『うつ伏せならともかく仰向けモデリングとは』

 

あー、そーゆー話?

 

今、俺はベッドに対して横向きに、仰向けになって作業をしている。足だけベッドの外側に投げ出している感じね? んで、カメラは最初正面においてたんだけど(夜寝る時のポジション)横がいいって意見があったので、今は丁度全身が映るくらいの距離で横に置いたあったりする。──一部足元におこ? って意見あったけど、ショーパンなのでそれは却下しました。ぴっちりした奴じゃないから下手をすると隙間から見えちゃうだろ……というかその要望だした奴は間違いなくそれが目的だよね? 

 

それはさておき、その体勢で目の前にツールの画面を置いて作業しているわけだ。

 

「このモデリングツール、俺にとってはそこにまんまパネルがある感じだから別にやりづらくないよ」

 

マウスとか使ってやるんじゃなくて指とかで直感的に操作できたりするしな。慣れるとすごいやりやすい。後うつ伏せはむしろ胸が邪魔になる。

 

『まぁちょくちょく足パタパタして可愛いからいいんだけど』

『何でそんな細々とした無意識の動作が可愛いのか』

 

「皆に鍛えられたからじゃないですかねぇ……」

 

というか調子よく作業してたら足とか自然と動かないかな……

 

ちなみに格好だけど上はちゃんとそでのある服着てるからね? そこまでガードゆるゆるじゃないので。タンクトップ的なの来てたら横からなんて映しません。

 

いうてずり落ちてくるから捲ってはいるけども。

 

閑話休題。

 

「とりあえずこのスカーフを仕上げれば、モデリングは完成かなー。後は微調整とテクスチャだ」

 

ほんとボーン入れたりウエイト塗ったりする作業はしなくていいのは助かる。特にウエイト。

 

『おお、もうすぐこの服着たカズサちゃん見れるってこと?』

『この格好で疑似デートしてくれるのかぁ……』

 

「この格好で外を歩くのはちょっと勘弁して頂けるかしら、皆様方?」

 

これまで作った衣装もそうだけど、基本的に街に出ると間違いなく浮くので外で着るのは(人気がない所を除けば)許していただきたい。

 

『いっそのことアイリーン様に呼ばれて王族とかと謁見する事になったりしたら、その恰好で会うとか!』

「この格好でお偉方と会うとか断固拒否ぃ!」

 

 

 

 

 

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