お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

26 / 202
異世界生活5日目

異世界生活5日目。

 

大っぴらに視聴者集めに入るまでに後2日。ちょっとドキドキしてきた。

 

そういえばチャンネル登録者数なんだけど、結構増えた。

 

この状態になる前の登録者……直前では確認してないけど、確か618人だったと思う。

それが今は682人。なんと64人も増えている。

 

たった64人とか言うなよ? そりゃ万超えの登録者がいる配信者であれば微々たるものだけど、俺から見ればこれまでの登録者数から一気に一割分増えたことになる。特に最近は基本殆ど数字に動きがなかったのでかなりインパクトのある数字だ。

 

……まぁ現状SNSでほぼ宣伝していない状態なので、増えたのは声かけをしてくれたVRC関連の人間で多分知り合いと更にその知り合いだとは思うけど。

 

ちなみに、その中には非常にありがたい存在が二人いた。いや、登録してくれるのは誰であれありがたいんだ。ただこの二人に関しては、これから俺達がやろうとしていることに力になってくれる存在だった。

 

一人はAOT(アオト)。もう一人は御堂。

 

AOTは絵描きでSNSでのフォロー数が万まではいかないまでも、それに近い数を持っている。イラストを投げればいいねが4桁到達する事も度々ある。

 

御堂は3Dモデラーだ。俺もモデリングはするけど、基本的に自分用かせいぜい友人向けにモデリングするくらいだ。それに対して御堂はBIRTHというサイトでアバターを販売している。そのため界隈はある程度限られるが、フォロワー数は4桁前半程度はいるし、少なくともVRC関連なら殆どの人間が知っている存在である。

 

この二人は割と忙しいからそんなに頻繁にVRCに潜ってはいないんだが、多分たまたま潜った時に聞いたのか、或いは知り合い経由で連絡が入ったのか──VRCでのフレンドである俺の状態を聞きつけ駆けつけてくれたのだ。

 

『それじゃ土曜日にこのチャンネルの宣伝すればいいんだね?』

『すぐにしなくていいのか?』

「ああ、明日までは準備期間にしたいんだ」

 

今の俺に協力してくれる人間のSNSを全部把握は当然してないけど、少なくとも明確にある程度の拡散力を持つ二人が来てくれたのはでかい。

 

あわつべの中ではうちのチャンネルに対する導線がほぼないといえるし、元の俺は殆ど知名度がない。他チャンネルのコラボとかもしてなかったしな。だから宣伝はリスナーがしてくれるSNSでの宣伝のみが全てだ。

 

『それじゃ、土曜日に呟いておくねー。あ、後生活費カンパもしておくよ』

『【10000円】ほーれ』

『【10000円】俺も投げとくわ』

「まじ助かるっ、ありがとう!」

 

ベッドの上で座って話をしていた俺は、ぱっと体勢を変えるとカメラに向けて土下座する。

とにかく、今は人を集めなければいけない以上二人が協力してくれるだけでも死ぬほどありがたい、更に二人合わせて20000円も投げてもらって、思わず体が勝手に反応してしまった。

 

まぁ土下座するとコメント欄が見えなくなるので、すぐ顔を上げたが。

 

……あれ?

 

『……ちょっと早く体起こして! 体!』

 

顔を上げてすぐに、何やらAOTが焦った感じのコメントをしていた。更にそのコメントに続いて他のみんなも『不味いって!』とか『エッッッッ』とか『胸! 胸!』とかコメントを流していく。

 

……ん、胸?

 

あっ!

 

俺は慌てて体を起こすと、襟元を掴んで引き上げた。いや、体を起こした時点で意味がない行動だけど。

 

今俺がしている恰好は、寝間着として買ったゆったりとした服だ。そんな恰好で頭を下げた体勢を取れば当然襟元は大きく垂れさがるわけで。

 

「……見えちゃった?」

 

俺の問いに返答を返したのはAOTだった。

 

『残念ながら思いっきり肌色の谷間と白いものが見えたね』

 

今日の俺の下着は白である。……下着付けてて良かったな?

 

『迂闊すぎだよ、カズサ』

「仕方ないだろ、こちとらこの体になってまだ一週間たってないんだぞ」

 

男の時に胸元に注意なんか払うわけないんだから、意識から抜け落ちるのも仕方ないと思う。

 

「なあ……これアカウント大丈夫かな?」

『あわつべのエロ基準はいまいち不明だけど、さすがにこの程度では問題ないはず』

「そっか、良かった」

 

いざ本番2日前になって、こんな不注意でのチャンネル停止とか洒落にならんからな。

 

『あれ、それだけ?』

「ん、何が?」

『恥ずかしいとか、ないの?』

「いや別に……」

 

下とか、或いは真っ裸を見られたら恥ずかしいとは思うだろうけど、さすがに胸元とブラ見られたくらいじゃ別に──

 

『よくない!』

「はい?」

『よくない! エロ系配信で行く気がないなら、むしろ恥じらいを持つことは大事でしょう!』

 

なんかコメント欄の一人が強い口調で語りだした。AOTや御堂ではない。

 

『恥じらいは萌えのスパイス! 清純派キャラクターとしていくなら身につけなければいけない必須スキルです』

 

俺一言も清純派キャラクターで行くとは言ってないんだけど?

 

『まぁ清純派キャラクターはおいといて』

 

一人熱くなるコメント主に割り込んで発言したのはAOTだった。

 

『恥ずかしい気持ちは持った方がいいと思うよ』

「なんで?」

『胸とか、見せるのが恥ずかしいと思ってないと注意あまり向けないとおもうから今みたいに事故る』

「……あー、成程。それは確かに」

 

恥ずかしいと思ってないからそこに注意を払わないのであって、恥ずかしいと思えば注意を払うもんな。……普通の女の子ならまぁ胸元や尻とか見られたら恥ずかしいと思うよな? 常々、そう思うように注意しとくか。しばらくそう思い込んでおけば、そのウチ意識しないでも注意できるようになるだろ。

 




前回残MP:16440
今回増減:
宿代 -2000
朝食代 -160
昼食代 -180
スパチャ +24500(※シーン外での投げ銭もあり)
残MP:36260
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