お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

27 / 202
異世界生活6日目

異世界生活6日目。

 

宣伝を翌日に迎えた今日、何故か俺は特訓をさせられることになった。

 

チャンネル登録者を増やしスパチャを数多く投げて貰うには、売りが必要なのは分かる。

 

外見は美少女になってるので、それを売りにするのは当然だろう。

 

その結果、俺はコメントの指示を受けていろいろな仕草をさせられている。

 

今しているのは、カメラに背中を向けて後ろ髪を持ち上げる仕草だ。

 

『女の子のうなじっていいよね……』

『かわいい』

 

ねぇこれ受ける仕草じゃなくて、君らの欲望を満たすだけためにやらされてない?

 

両手で服の襟掴んで口元まで隠すなんて、普通そんな仕草しないからな?

 

人に特訓させるならさせるで万人に受けるのを教えてくれっていったら『笑顔じゃね?』って返って来たけど。……確かにそれはわかるけど、単純な分それが一番難しいんだよな。俺作り笑いって苦手だし。

 

「そもそもさー。俺元が男だっていうの公開してるじゃん? なのに女の子らしい仕草したらわざとらしいとか思われるんじゃない?」

『そこをわざとらしく見せないのがプロなんですよ』

「いやプロどころか初心者なんで」

 

そもそも何のプロ?

 

「とにかく、この辺の仕草とか覚えたところでそんな自然に出せる流れわかんねぇよ」

『その辺は慣れじゃない?』

「慣れる前に本番が来るんだよなぁ……疲れたしそろそろ終わりにしようぜこれ」

 

俺はベッドに腰を降ろし大きく伸びをする。なんだかんだいろんな体勢を取ったけど、人に言われたポーズとかとると妙に疲れる気がする。モデルさんとかすげーよなー。

 

『あ、その伸びの仕草もいい。袖が肩の方までずり落ちているのもGood』

『かわいい』

「もうお前らどんなポーズでもいいんじゃねぇの? というか本当はこういうのが好きなんだろ?」

 

俺はジト目になってカメラを見ながら、両方の手で反対側の自分の二の腕を掴む……ようするに抱きしめるような仕草をした。そうすればどうなるかといえば、巨乳とまではいわないまでもそれなりにあるサイズの胸にあるモノが寄せ上げられるわけで。

 

『いやいやそういうのは良くないよ』

「でも好きなんだろ?」

『はい』

『小悪魔っ、これは小悪魔っ!』

『カズサさんがエロ配信者に……』

『かわいい』

 

いやこれくらいでエロ配信者は言い過ぎにも程があるだろ。というか男って単純すぎるよなー、俺も元男だけど。ただ、さすがに俺は自分のものでは興奮しない。

 

後さっきからかわいいしか言わないBOTみたいな奴いない?

 

「やれやれ」

 

抱きしめている腕を解いて、俺はベッドに身を投げ出した。そして一度目を瞑り……ここまでの事を思い出しながら口を開く。

 

「まぁ今日の特訓は置いといてさ、今日までこうやってきていざ明日の本番を迎えるところまでこれたのはマジで皆のおかげだからさ。何度も言うけど、本当に感謝してる」

 

そこで一度言葉を切って、閉じた目を開く。そしてカメラ……いや、その向こう側にいるハズの皆を見つめ、言葉にする。

 

「明日は本番だ。明日も、そしてこれからも助けてくれると嬉しい。よろしく頼むよ」

 

その言葉と共に精いっぱいの笑みを向けると、次の瞬間には一気にコメントが流れだした。サムズアップや力こぶのアイコン、そして『任せろ!』というコメントが流れた。

 

うん、明日はいろいろ不安だったけど、力が貰えた気がする。

 

明日は精いっぱいがんば……

 

『あ、ところでさっきの背伸びの時にちょっと思ったんだけど聞いていい?』

「何?」

『脇の処理とかちゃんとしてる? 多分恰好的に大丈夫だとは思うけど、流れで追加で服とか買った時に事故って映っちゃうとちょっとアレかも』

 

……

 

「……アバターの方に設定してなかったからかもしれないけど、生えてないよ」

『うわ羨ましい』

 

せっかく綺麗に収まったと思ったのになぁ……

 

◆◇

 

(VRCでのとある会話)

 

「なんでお前、ひたすら配信でかわいいだけいってたの?」

「そりゃ自分がかわいいってわからせるためだよ」

「それは当人もわかっているんじゃない?」

「それは客観的に見てだな。あれはあくまで"アバターが可愛い"と思っているだけで自分自身が可愛いと思っていない。だが、鏡を見ても映るのは可愛い女の子の姿、周囲の皆も女の子扱いして可愛いって言い続けると、多少でも適正があるならもしかして自分自身がかわいいのかも? ってそのうち思い出すはずだ。なにせカズサさんを男だと証明するものがまるでない状況なんだからな。そうなったら、俺たちの勝利だ。いずれ意識してかわいい行動をとるようになるだろう。」

「勝利って何に対してさ。そもそもカズサさんそっち方面の適正あるの?」

「わからんけど俺はあると信じて続けていくぜ!」

「とりあえず言い方はもう少し工夫した方がいいと思うよ? BOTみたいになってたから」




前回残MP:36260
今回増減:
宿代 -2000
朝食代 -160
昼食代 -180
残MP:33920


タイトルが内容に即していない気がするので
「異世界転移したTS少女はお金の力で守られています」
とかにタイトル変更しようか悩み中。
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