お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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行き先相談

 

まぁ2000人もいればいろんな人がいるか……何かしら性癖に引っかかってくれるってのは配信者としてはありがたい事なんだとは思うけど、俺は今は視聴者を集めなくちゃいけない配信者。こういうのは否定してはいけない。いけないのだ。

 

なんかするごとに反応されるから気になるだけで、別に不快ってわけではないし……

 

というか! 話が脱線しすぎなんだよ! ちょっと話すごとに脱線するから全然話が進まないんだが?

 

……いや、コメント欄にいちいち突っ込んでいる俺が悪いのかもしれんが。

 

とにかく。とーにかくだ。軌道修正、軌道修正。

 

『なんか脱線しまくってるねぇ』

 

俺が好きでしてるわけじゃないんだよなぁ!

 

おっと、クールダウン、クールダウン。これが良くないんだ。気づかれないように小さく深呼吸──

 

『ああ~吐息の音~』

『あれあれまださっきの照れが残ってる?』

 

──普通に気づかれてるし。てかよく吐息の音気づいたな。俺の声が配信でどう聞こえてるのかわからんけど、マイクの性能良すぎんか? てか脱線継続させようとするのやめれ。

 

「違う、そんなんじゃなくて。これから相談の為に行き先の説明しようと思ったから、気分を入れ替えるためにしただけだよ」

『ああ、育成計画の一環ね』

 

そういやウチのチャンネルそういう名前にしてましたね。自分で広報しない(出来ない)から忘れてたわ。これまでコスプレ衣装の事くらいしか本格配信以降はちゃんと相談してなかった気がするけど、よくよく考えたらこれも俺にとっては"コンテンツ"なんだよな。……今後はもうちょっと遠慮なく相談していこう。

 

まずはその第一弾だ、よし。

 

「そんじゃさ、今から候補として選んだ奴それぞれ説明するから。それに関してみんなの意見よろしくな?」

『はーい』

『りょ』

『拝聴準備OKですぞ』

 

ようやく本筋入れそうだ。それじゃ、まずはと。

 

「一応候補なんだけど、距離的な観点と配信映えを考慮して三つに絞ってるんだ。まず一つ目が"王都アストリア"」

『王都?』

『いまいる国のかな』

「そそ。今俺がいるのがアストラ王国って国で、そこの王都。なんでも歴史ある街らしくて、立派な建造物とか歴史的な建造物も多く、観光する場所にことかかないらしい。それに劇場とか美術館とかそう言った芸術に関する施設も多いらしいよ」

『おー、いいねぇ。異世界の芸術とかどうなってるのかすげぇ興味ある』

『でもそういう場所って配信禁止じゃない?』

『異世界にそういうルールがあるのかよ』

『そもそもカメラとかコメント欄って他の人には見えないんだよね?』

「うん。だからそっちは問題ないんだけど……ただ一応最初にピックアップしたから話には出したんだけど、上げといてなんだがここは優先度としては低いかなって」

 

確かに配信ポイントとしてはかなりありそうで最初はここがいいのでは? と思ってたんだけど……さらに調べてたら見過ごせない大きな問題があったんだよね。コメント欄の皆がなんで、どうしてと聞いているので、俺はそれを端的に口にする。

 

「物価が高い」

 

そう、王都だからなのかとにかく物価が高いのだ、数日の観光程度ならまだしもある程度の長期の滞在をするのにこれはかなり大きな理由になる。何かしら仕事につければまだマシなんだろうが……正直現状これといった特技はないし、王都も周りはさすがに怪物とかも即討伐されるそうで、勿論<<ピュリファイ・スピリット>>の使いどころなんてものもない。配信内容のクオリティ向上で視聴者数増加は見込めるだろうが、それで補えるかどうかは怪しいところだ。

 

その辺も含めて皆に伝えると、皆もあー、と納得していた。

 

『世知辛いねぇ……』

『配信としては一番うまそうなんだけど』

『あ、でも俺としてはそれなくても王都は避けて欲しいかも』

「ん? なんで?」

『いやカズサちゃん王子とか貴族様に見初められそうで』

「いやいやいやいや」

 

それはないって。妄想が激しすぎる。この辺境の街での感じこの世界の俺は美少女ではあるけど、"絶世の"美少女ではない。それは周りの反応を見ていればわかる。何度かナンパらしき声かけをされた事はあるけどそこまで頻繁ではないし。

 

『でも異世界転移もののヒロインが王子様に見初められるのってお約束じゃん?』

「そもそもヒロインじゃないんだよなぁ……」

 

ヒーローでもないけど。

 

『推しが目の前でイケメンにかっ攫われていくのを生配信とか脳破壊配信かな?』

「絶対にないから! そこは安心して!」

 

そもそもイケメンに興味ねぇよ!

 

『でも、そのイケメンが貴族でお金いっぱい持ってたら?』

「……ない!」

『タイムラグぅ!』

 

いや一瞬考えちゃったけど、背筋ぞわぞわしたしやっぱりないって!

 

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