お金の力で世界を救ってあげます!   作:みずち

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いっしょにごはん

 

とりあえずリクエストには答え終わったので着替えるか? とも思ったけど、今日の夕食は跳ねるものもないし、このままでいいかと席に着いた。セーラー服リスナーに人気高いしね……こないだの1万人&2万人記念配信でかなり飛び交ったからか最近は控えめ気味だったスパチャが結構飛んできたし。

 

……うちのリスナーさん達結構年齢層高めなのかな? 学生とか最近まで学生だった面々なら制服姿とか別に求めないでしょ。……いや、そもそも数千人も視聴者が居れば年齢層もいろいろいるか。

 

──そう、数千人である。平日の夜、さすがに仕事や学校は終わっているとはいえピークタイムではない時間帯にも関わらず3千人超えのリスナーがさっきまで俺の後ろ姿を見ていたわけで。

 

記念配信から約一週間、登録者は順調に伸びている……というか順調過ぎて怖い。すでに記念配信の2倍近くまで伸びている。どうやらパストラに来て見どころが増えたのもあって切り抜きしてくれる人ががっつり増えて、それ経由で登録してくれた人が多いらしい。ありがたいことである。

 

尚最近の切り抜きの一番人気はのじゃろり狐耳巫女娘とのこと。……ウン、ヤッパリメインコンテンツダネ……。

 

それ以外も街で買い出ししたりしている動画をうまくデート風に編集した動画も好評だそうだ。

 

後、アパートメントの住人ともちょくちょく会話しているせいか微妙にファンがついている気配がある。

 

一番人気は件のテイルさん、それに5歳のアズちゃんとそのお母さんのモナさんの親子。まぁテイルさんは溌剌としてて可愛いし、アズちゃんは言わずもがな。ただモナさんが映っているときコメント欄で『ママァ……』とかコメントしている連中、モナさんはアズちゃんのママであってお前らのママではない。

 

閑話休題。

 

しかしまぁこうなると当面その路線で行くのだろうなぁ、と思う。今更だしとっくに覚悟は決めているが。

 

 

「よし、頂きますしようか」

 

なにやら食べるのを待っていたリスナーもいたみたいだし、そう声を掛けると『頂きまーす』というコメントが大量に流れて来た。どれだけ待ってた奴いるんだよ。いや、大半は言ってるだけで実際にこれからな奴はそんなにいないとは思うけどさ。

 

俺も続くようにして「頂きます」をし、この世界に来て初の自炊した料理に手を付ける。

 

今日の献立は野菜炒めにスープ、フルーツサラダにパンだ。まだこっちの食材とか調味料の知識もあいまいなのでオーソドックスな料理にした。……本当はさぁ、いい加減米喰いたいんだよねぇ、日本人だもの。

 

この世界、米はちゃんとあるっぽいから猶更さー。ただ今俺がいる大陸では稲作は行われていなくて、野生のものしかないそうでほぼ食べられていない。まぁ品種改良されまくったおいしいごはんに慣れている味覚には絶対に合わないだろうなーとは思う。別大陸にはそういった品種改良した稲を生産している所もあるらしいが、別大陸な上にこっちの大陸では食べる文化がないので殆ど流通していない。一応いくらか商店で見かけたのもあったけどアホみたいに高価。まさかのごはんが高級食材である。かなしい。

 

なのでこの世界に来てからの主食は概ねライ麦や小麦から作られているものだ。パンとかパスタっぽい奴とかね。……この辺も稼げるようになったら食べよう。目標として美味しいものを食べるってのは励みになる。……ファンタジー世界に来て立てる目標がそれでいいのかっていうのも今更だ。現状明確に目指すべき目標が見えないからな。

 

そのためにも皆には応援してもらえるように頑張らないとな。

 

自作の料理をもぐもぐしながらそんな事を考える。……こっちでは初めて作ったにしては悪くないんじゃないかな? 自炊だと自分の味好みに出来るからいいよな。向こうだと仕事とか配信とかゲームとかいろいろあって自炊もちょくちょくさぼりがちだったけど、こっちでは時間めっちゃ余ってるし。例の調味料屋で見る限りいろいろ味のバリエーションも探求できそうだし、結構楽しめそう。

 

っていや違う違う。自分のメンタルの為にそういった楽しみを見つけるのは重要だけど、今の流れで考えるのはどうやって皆に楽しんでもらうかってことで。

 

……うーん、今の俺に求められている事ってこういう事だよな。

 

それはほんのちょっとした思い付き。それを俺は深く考えずそのまま行動に移した。

 

箸(これは普通に売っていた)で野菜炒めをつまみそれをカメラの方へ差出し、

 

「はい……あーん」

 

ほら、こういうのが好きなんでしょ? なんてことを軽い気持ちでそういった。

 

その結果、

 

『もぐもぐもぐもぐ』

『あれ……おかしいな、この野菜炒め固いんだけど?』

『節子、それモニターや』

『なんで、なんで俺は野菜炒めを用意していなかったんだ!』

『カズサちゃんの料理に合わせて野菜炒めを作った私は勝ち組です。尚急いで作ったので若干生焼けな模様』

 

コメント欄が荒ぶった。

 

そしてそのコメント欄を目にして、ふと俺は正気(?)に戻った結果、箸を元の位置に戻してカメラから顔をそむけた。

 

『あ、やっぱり恥ずかしかったんだ!』

『ほっぺ赤くしちゃって可愛いねぇ!』

『その反応こそがご馳走様です』

 

いや恥ずかしいのは確かにそうだしそれで赤くなってるんだろうけどな。それよりも謎カメラには基本向こうに流れているのと同じ映像が映っているわけで。

 

そうなるとカメラに映っているのは自分の姿な訳で。

 

……なにやってんだろう俺と思ってしまった。いや配信者としてはそういうのは考えるべきじゃないのは解ってるけど! 思っちゃったのはしょうがないじゃん!

 

『カズサちゃん! 俺も食べ物用意したからワンモア! ワンモア!』

「無理!」

 

一度そう思っちゃったらもうできないって! ユルシテ!

 

ちなみに今日は前半の料理風景も含めてかなりのスパチャの伸びを見せて、一気に<<ポイントテレポート>>が近づきました。やったね!(ヤケ)

 

 

 





夜霧前回残MP:226130
今回増減:
スパチャ +98000(※一週間分の増加含む)
残MP:324130

相変わらず話が全然進みませんがそういう作風の作品です。ご了承ください。
今更だけどやっぱりカテゴリ「日常」の方が相応しい気もしますがバトルもあります。ある予定です。
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