俺の名前は小峠華太。
「小林の兄貴!しばらく頼みます!!ほらお前ら急げ!!」
「「はい!!」」
飯田を担ぎながら紅林と緑谷にネイティブを担がせ逃げるように
指示している雄英高校ヒーロー科の教師だ。
職業体験。飯田はその体験先をなぜかヒーローとして
トップクラスではないマニュアル事務所を選んだ。相澤先生も
このことになにか引っかかるものを感じたらしく俺に相談してきた。
話合いの結果マニュアルと連絡をとるようにしたのだ。
それと俺が個人的に飯田に忠告もした。
『飯田。お前はまだ子供だ。もし本当にきついと感じたら
誰でもいいから先生に相談しろ。行き過ぎた真似をするんじゃねーぞ』
『ご忠告感謝いたします』
だがこいつは........復讐に囚われこんな馬鹿なことをしやがった........!
緑谷や紅林を巻き込んでだ.................!!
俺たちがステインの場所から距離を取った後俺は担いでる飯田に話しかける。
「飯田。もう体の自由は効くか?」
「クッ。はい。もう大丈夫です.................」
「じゃもう立て........」
「はい........運んでもらってすいま........」
飯田が自分の足で立ったのを確認すると俺は........
「この馬鹿野郎が!!!!!」
「ぐは!?」
飯田を思いっきり殴り飛ばした。言えばわかると思ってのに........
こんなことになるならもっときつく言っておくんだった。
「ちょ、ちょっと!小峠先生!」
「出久ちょっと待て」
虚ろな瞳で俺を見上げる飯田に俺は本気で怒鳴った。
「敵討ちのつもりかしらんが馬鹿なことしやがって!!
テメーみたいなまだ仮免すら取ってないガキがあの殺人鬼を
どうにかできると思ってんのか!?のぼせ上んじゃねー!!!」
「ぼ、ぼくは........」
「テメーの家族がどうだろうがお前はまだただの学生なんだよ!!
勘違いもいい加減にしとけ!!!!!
二人が来なきゃ殺されてたぞボケが!!それにこの二人も最悪殺されてたかも
しれないんだぞ!!この意味がわかってんのか!!!!」
「う........」
(先生の言う通りだ........僕が勝手なことをしたせいでこの二人を........危険に........)
すると飯田の瞳に涙が溜まる。
「二人とも........本当にごめん........ごめんなさい........」
飯田は紅林と緑谷に泣きながら頭を下げ謝った。
「いいよ飯田君。それより無事でよかったよ。
もし次なんか悩み事があったら相談してくれると嬉しいな」
「うん。出久の言う通りだ。俺たちはダチだろ?」
「二人ともありがとう........あと小峠先生申し訳ございませんでした」
「........反省したなら今はもういい。ホラさっさと病院へ行くぞ。
飯田は俺の肩に掴まれ」
「………はい」
さあ。さっさとこいつらとネイティブを病院に連れてって
兄貴の元に戻らなければ.................。
そのころ兄貴はステインと睨みあっていた。
「クソ!なぜ今日は邪魔ばかりはいる!?」
「うるせーよクソ野郎。それより一つ聞かせろ。
なんで飯田たちを殺そうとしやがった?」
怒髪天をついてる小林の兄貴の質問をステインはまるで当然かのように
平然と答えた。
「飯田はヒーローにふさわしくないからだ。あいつの行動は
ヒーローとして万死に値する!
そして紅林!あいつは俺の信念を侮辱した!俺は粛清しなけらばならん!」
「飯田がヒーローにふさわしくない?それがどうしたよ」
「なに?」
「あいつはまだガキだ、子供だ!間違いを犯して当然だろうが........!
それを生きて正してやるのが俺ら大人の責任だろうが!」
小林の兄貴はそういいながら怒りを込め、愛用のドス…龍王刀「紫蘭」を
ステインに向けた。
「テメーはヒーローだけじゃなくガキにまで手にかけるただの仁義はずれの
外道だ........。お前は明日生きなくていいわ........!」
「黙れ!極道風情が俺に語るな!ちょうどいい!!極道のくせに
ヒーローを名乗ってる貴様らもいつか粛清しようと思ってた所だ。
ここで貴様を粛清する!!」
するとステインが見せたのは驚異的な加速による高速移動!
そしてステイは小林の兄貴に強烈な横なぎを見せる!
「死ねーーー!!」
「おっと!しびれるねー!この斬撃!!」
しかし兄貴はバックステップを取りその刃を軽々と避けた!
「俺も行くぜー!」
兄貴も負けじとドスでステインの腹を抉りに行く!しかし。
「させるか!!」
ステインは兄貴の刃を自分の刃ではじいた!
そしてそのまま二人は強烈な攻防へと突入する!
二人はナイフで壮絶な斬りあいをした!!
お互い刃を振るいそれを防ぎあう!二人の刃は
止まることを知らなっかった!
(やっぱこいつ刃物の扱いに関しては天才的だな。ちょっとやべーかもしれねー)
二人の激しい攻防!それを最初に制してきたはステインの方だった!
「貰った!!」
「チィ!!」
ステインのナイフが兄貴の頬をかすめる!普段ならこの程度のこと
大したことはないが、これはステインにはあまりの大きすぎる勝機だった!
(よし!ナイフに血が付いた!!これで動けなくしてやる!)
ステインはバックステップを取り兄貴から離れる!そしてナイフに
ついてる血を舐めようと舌を伸ばしたその時!
「させるか!!」
小林の兄貴のジャンピングハイキックがステインのナイフに命中した!!
「ち!?」
兄貴の強烈すぎる蹴りにステインは舐める前にナイフを飛ばされてしまう!
(く!?悪あがきを!)
ステインはそのナイフを拾いに行こうとする。しかし兄貴はそんな
ことを許すない!
「させるかってんだよ!!」
バン!!
「クソ!!」
小林の兄貴がチャカを取り出しステインに発砲する!!
ナイフを拾いに行こうとしたステインはその射撃によって
距離を取らざる得なくなった!
「銃を使うとは小癪な!」
「うるせー。これが極道の戦い方だ」
(さてどうするか。さっきみたいにナイフ飛ばしがうまくいくとは限らねー。
また斬り合いになったら俺が不利だ。勝つためにはリスクをとる必要があるな)
兄貴は銃をしまい予備のアーミーナイフを取り出す!
そしてドスとナイフの二刀流の構えをした!
「次は俺から行くぞ!!」
「また突っ込んでくるとは!愚か!!」
再び兄貴とステインが斬り合う!!激しい攻防が
繰り広げられるなかステインが再び鋭い横なぎを見せた!!
「死ね偽物!!」
「ぐう!?」
奴の横なぎは小林の兄貴の腹を切り裂いた!
(よし後ろに........)
ステインが再び後ろに下がろうとする。しかし........
「おいおい!まだ切り合おうぜ!!」
小林の兄貴は一瞬で間合いを詰め刃を振る!
ステインは兄貴の刃をやむを得ず自分の刃で防ぐ!!
「く!?俺に血を舐めさせない気か!!」
ステインは刃についた血を舐めることが出来ない!
兄貴の体についてる血を直接舐めるという選択もあったが
それはあまりに危険な賭けだとステインは理解していたんだ!
(だが問題ない!こいつに直接致命傷をあたえれれば!)
「うおーーーーー!!」
その時ステインのナイフさばきが更に速くなる!!
「マジか!?まだ早くなるのかよ!!」
(こいつの体のどこにそんな力が?いや違う!
こいつの執念が自分の肉体を凌駕してるのか)
「これで終わりだ!!」
、バキン
「クソ!!」
ステインはなんと兄貴の右手の刃を弾き飛ばしたのだ!!
「じゃあな!偽者よ!!」
そしてステインは強烈なナイフによる突きを兄貴の心臓に
向かって繰り出す!!ステインは勝利を確信したかのように醜悪な
笑みを浮かべた!しかし........
「捉えた!!」
、グサ
兄貴はなんと前腕を心臓の前に構えわざと刺させたのだ!
奴の刃が兄貴の前腕を貫く!しかし心臓までは届かなかった!
そして兄貴がナイフを落としてしまう。
「また悪あがきを………」
ステインがナイフを抜こうと力を入れる。だが奴は
とある違和感に気が付いた!
(な!?ナイフが抜けない!)
「やっと捕まえたぞ........!これで俺の土俵だ........」
小林の兄貴がまるで悪魔のような笑みを浮かべた!
そう!これこそが小林の兄貴が狙っていた状況だったんだ!!
兄貴は腕に力を込め刺さったナイフが抜けないようにしたのだ!
「クソ!!」
ステインがナイフを放して後ろに下がろうとした!
しかしその行動を兄貴は許さない!!
「逃がすかよ!!」
兄貴は右手でステインの胸倉を掴んだ!そして........。
「俺の頭はダイヤ並みだ!!」
「グ!?」
奴の顔面に強烈すぎる頭突きを食らわせた!!
その時!ステインの意識が一瞬飛ぶ!!
「あ........」
「おら!俺は片手でも柔道最強なんだよ!!」
その時、隙を見せたステインに小林の兄貴は片手で背負い投げを決めたんだ!
「グハ!?」
そのあまりの強すぎる背負い投げは奴の体をワンバウンドさせ
奴は兄貴から少し離れたところに倒れる!!
(馬鹿な!?片手でこの威力だと!?)
ステインは激痛の走る体をフラフラと立ち上がろうとした。
「うおーーーーー!!でりゃあ!!」
兄貴は左手に刺さったナイフを強引に引き抜く!
そしてそのナイフを持ってステインの所に走っていた!
「これで終わりだクソ野郎!!」
「俺も限界突破!!
プルスウルトラハードグリングリーーーーン!!!!!
テメーは死んで当然!!地獄行き~~~~!!!!!!」
「ギャーーーーーーー!!!???」
兄貴がステインに強烈すぎるグリンを食らわせる!!
兄貴のナイフはステインの腹にささりそして兄貴は
ナイフを半回転させ鳩尾まで切り裂いた!!
「ごは!?」
(ば、馬鹿な........俺が……ヒーローでもないようなただの極道にやられただと?)
ステインは血を吐きながらその場に仰向けに倒れこんだ。
その時ステインの頭に蘇ったのは昔の記憶。
オールマイトに憧れヒーローを目指すも、この社会には自分の思い描いてた
オールマイトのような崇高なヒーローはいないと絶望したあの学生時代。
そして奴はこの社会を変えるには誰かを血に染まるしかないという考えに至った。
自分の磨いた技で自分が偽物と判断したヒーローを殺し、傷つける日々。
誰かを殺すたびに奴の狂気とも言える使命感はどんどん膨れ上がっていった。
「何故だ........俺は正しい社会のために........だから俺はヒーローの道を捨てた........
これしか方法が……ないから........ゴフ........俺を殺して........いいのは........
オールマイト........だけ........なのに........」
だからこそステインの最後の言葉は無念に溢れていた。
「………自分の馬鹿デケー理想を他人に押し付けてんじゃねーよクソ野郎。
自分の肥えに肥え切ったエゴにあふれた理想なんざ醜さ以外の何物でもねぇ」
命の灯が消えそうになっているステインに兄貴は去り際にこう吐き捨てる。
「そもそも暴力だけで社会が正しく変わるわけねーだろうが。
本当に変えたいと願ってるなら暴力なんかに逃げてんじゃねーよ。
まあどちらにせよテメーはヒーローですらないただのヤクザに負けた。
この揺るぎない事実を持って地獄で反省しとけ........」
「..................」
ステインはその言葉を聞くも返事が出来ないまま路地裏で孤独に死んだ.........。
俺は生徒たちを病院に預けたあと小林の兄貴の所へ走っていた。
そして例の路地裏にたどり着く。
「兄貴!ご無事ですか!?」
「お~華太じゃん。お前が遅いからもう終わっちまったよ」
「え!?本当ですか!?」
俺が周りを確認するとそこにはステインの死体が転がっていた。
(はー。これはまたマスコミへの対応に苦労しそうだぜ.........)
「とにかく兄貴!病院へ行きましょう!」
「おう。もしかして着く前に出血多すぎてで死ぬかもよ?」
「え~!?」
俺は兄貴に肩を貸して病院へと向かった。その道中.........
「華太~。飯田のことちゃんと叱った?」
「.........はい。あと一発だけ殴らせてもらいました」
「そっか。じゃあ俺からは何も言わないでおくわ」
そう言って小林の兄貴は少しだけ穏やかな表情を見せた。
ヴィラン連合アジト
バーの部屋
我妻と麻生がワインを楽しんでいた。
「そういえば我妻ちゃん。ステインが殺されたらしいよ」
「へ~。誰にだい?」
「天羽事務所の小林」
「ふ~ん。流石だねアーミーナイフの小林。
ステインも彼相手じゃちょっと厳しかったかな?
それにしても彼は不運だったね。もっと早くに俺の愛を
受けていれば結末も変わっていたかもしれないのに」
まるで他人事かのように話す二人。その時バーの
扉が開いた。
「京也君!ただいまです!!」
「うん、おかえりトガちゃん。もう仕事終わったんだ?すごいね」
「えへへへへ.........大好きな京也君のために頑張ったのです!!」
彼女は顔を赤らめながら満面の笑みを浮かべる
その笑みに対して我妻も微笑み返す。
「そっか。トガちゃんの愛はとても素晴らしいね。
これからも組織のみんなのために頑張ってね。期待してるよ。
そして愛してるよトガちゃん」
「はい!!私も大好きです京也君!!ああそれと仁くんも
もうすぐで帰ってきますよ!あとで相手してあげて下さいね!」
そう言って彼女は部屋から出て行った。
「らしいよ?我妻ちゃん。ワインもう一本出して用意しとくか」
「そうだね。彼もちゃんと愛してあげないと」
「それにしても彼女最近化け物じみてきてるよね」
「それだけ彼女の愛がすごいってことだよ。
あ~。愛はやっぱり素晴らしいね」
「そういえば我妻ちゃん。例の奴の情報手に入れたよ。はいコレ」
麻生は我妻に写真を渡す。
「うん。彼はいい目をしてるね。愛し甲斐がありそうだよ」
写真の男の名前は荼毘。我妻はその男に目を付けていた。
次回、緑谷の職業体験!
緑谷!心が折れる!?
結構書いてて興奮した話でした。やっぱり小林の兄貴はかっこいいですね!
あとステイン好きの方は申し訳ございません。<m(__)m>
さて次回もおたのしみにグリングリン!!