37・天羽組での職業体験
私の名前は八百万百
「八百万。見回りに行くから付いてこい」
「は、はい」
天羽事務所で職業体験させていていただいてる
雄英高校ヒーロー科の1年ですわ。
雄英高校ヒーロー科1年の間で行われたヒーロー職業体験。
わたくし八百万百は副担任の小峠先生の所属している天羽事務所に
行くことにしました。
「あれ、八百万も天羽事務所!?マジか!よろしくな!!」
「上鳴さんこちらこそ」
どうやら上鳴さんも天羽事務所に行くようです。
職業体験一日目。私と上鳴さんはこの事務所の責任者である天羽さんと
組長室?で面会しました。
「おお!君たちが小峠の生徒たちか!確か八百万と上鳴だな。
俺はこの天羽事務所所長の天羽ケイジだ。よろしく頼む」
「「はい!今日からお世話になります!!」」
私と上鳴さんはそういって頭を下げました。
「さて。早速だが今回君たちの面倒を見てもらう組員を紹介しよう。南雲と和中だ」
天羽さんの言葉と共に二人の男性が部屋に入ってきました。
一人はとても美形な褐色の人。そしてもう一人は日本刀を持った金髪の人でしたわ。
「初めまして。南雲恭平だ。今日から二人にはこの俺の下で色んなことを
教えてあげよう!特に八百万さんのような美人さんには手取り足取り............」
「何を言ってるんだ?お前の担当は上鳴だ。八百万には和中についてもらう」
「イヒ~ン!!˚‧º·(˚>ᯅ<)‧º·˚ 。 何でですか親父~!?」
「いやお前じゃどう考えても駄目だろ」
な、なんですかあの人?峰田さん............まではいかないけどなんか気持ち悪いですわ............。
そんなことを考えていると和中さんが私の所に近づいてきました。
「和中蒼一郎だ............よろしく頼む」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
な、なんですの!?小林先生とも引けを取らないほどのこの圧力は!?
私は何故か体が少し震えていました。
こうして私たちの職業体験が始まりましたわ。
まず私はヒーローコスチュームに着替えたあと和中さんに道場に連れられましたわ。
そして私は和中さんに木刀を渡されました。
「では早速稽古を始める。まず俺から一本でも取ってみろ」
そう言って和中さんも木刀を............え?違う!あれは............。
「わ、和中さん............それスポンジの柔らかい剣ですか?」
「そうだ。俺はこれでいい」
なんと和中さんは漫才などでよく使われる柔らかい棒を握っていてのです!
これには私も少し不服な態度を取ってしまいました。
「和中さん!私も未熟とは言えヒーローの卵!このような度の過ぎたハンデは
不要ですわ!!」
私は少し声を荒げて抗議しました。しかし............。
「驕慢放縦(きょうまん-ほうじゅう)。俺に木刀を握らせたいのなら
それ相応の実力を見せてみろ............」
和中さんは木刀を握る気が全くありませんでした。
舐められてる!私はその気持ちで心が満たされてしまいました。
(この稽古!絶対負けられませんわ!!)
私は絶対に見返してやるといき込み木刀を構えました!
しかし............。
「遅い............何をしている?」
「え?キャ!?」
その時私の頭に衝撃が走りました!そう私は一呼吸の間に頭に攻撃を食らってしまったのです!
「まだまだこれからだぞ。集中しろ............」
「う…............」
そして和中さんが見せたのはまるで嵐のような攻撃!
和中さんの手数の多さに私は防戦一方!いや。防御すらもうまくできませんでした。
「どうした?一本でも俺から取ってみせろ」
「う!?」
(な、何でですの!?木刀で身を守ってるはずなのに全然攻撃を防げない!?)
私はこの稽古。攻めに転ずることが全くもってできませんでした。
それから約4時間後和中さんは手を止めました。
「今日はこれで以上だ。明日に備えて今日は休むといい」
「ハアハア............はい。ありがとうございました…............」
(な、何もできませんでしたわ…............こんなにもハンデが
与えられていたというのに............私はやはり…...........)
私は久我さんとの試合のこともあり最近自信を持てずにいました。
しかも和中さんとの訓練でもこの体たらく............。
私は自分への不甲斐なさと悔しさのあまりその場で涙してしまいました。
その時和中さんが私にタオルを投げてこういったんです。
「確かに道のりは険しいだろうが決して折れるな。困知勉行(こんちべんこう)。
毎日の努力しか高みにたどり着く方法はない」
「グス…............はい!粉骨砕身の精神で精進していきます!!」
そしてその頃上鳴は南雲と地下の狙撃訓練場にいた。
バン!
「あれ?なかなかうまくいかないな…............」
「上鳴。もうちょっと肩の力を抜け。じゃねーと腕を痛めちまうぞ」
「うっす。わかりました」
「あと。撃つときはそうズバリ!まるで女の子のハートを打ち抜くような
イメージをしろ!」
「は、はい............」
(なにを言ってんだこの人?)
上鳴が拳銃の訓練をしていると訓練所に三人の男が入ってきた。
「あ!南雲の兄貴。いらしたんですね」
「おお。お前ら三人も来たか!みんな聞いてくれ!
こいつは上鳴。一週間職業体験でうちで面倒みることになった雄英高校の生徒だ!
お前らも自己紹介しろ!」
「はい!じゃあ俺から…............
初めまして!天羽事務所の飯豊朔太郎と申します!
最近ヒーロー免許を取れたので最近頑張ってます!」
「俺は速水泰輝です。飯豊君と同じく最近ヒーロー免許を
取れたので必死に兄貴たちに食らいついています」
「自分は宇佐美純平と申します!最近仮免を取れたので
兄貴たちの仕事手伝わせてもらっています」
「上鳴電気です!よろしくお願いいたします!」
「よーし。人数も集まったことだし!みんなで狙撃対決でもするか!
一番うまく的に当てれた奴は俺の行きつけのキャバクラに連れてってやる!!」
「「「うわーい!!」」」
「いやちょっと待ってください!!俺未成年っすよ!?」
次の日私と和中さんは町のパトロールに向かいました。
「八百万。ここは繁華街。昼だとしても決して気を抜くな」
「は、はい!!」
そしてパトロールの途中、和中さんと私はとある孤児院に足を運びます。
「八百万。ここの園長に要件がある。ついてこい」
「はい!」
私たちが孤児院に入ると園長先生が出迎えてくれました。
「和中さん、今日は来ていただき感謝します。どうぞこちらへ」
私たちは園長先生の案内で園長室に通されました。
そして私たちはソファーに座ります。
「では園長。ご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「はい。実は最近この園の周りで不審者が出没するようになったのです。
子供たちからも度々目撃されており、みんな少し怯えています............」
「その不審者はどの時間帯に現れるのですか?」
「そうですね............子供たちが学校から帰ってくる時や、
みんながグラウンドで遊んでいる時ですかね」
「そうですか。このままじゃ子供たちも不安で仕方ないでしょう。
わかりました。明日のその時間帯我々がここ周辺を重点的にパトロール致しましょう」
「はい!ありがとうございます!」
そして私たちは孤児院を後にしました。
私は和中さんにパトロール中に話しかけました。
「和中さん。あの孤児院、異形系の個性の子供が多かった気がします。
もしかして............」
「ああ。あそこの孤児院にいる子は、異形系に生まれたことが原因で
捨てられた子たちだ」
異形系の子供の育児放棄問題。それは親が自分の子供が異形系であった
ことにより愛し受け入れることが難しいと子供を捨てることである。
これは今の超人社会のまだ解決されていない大きな社会問題なのだ。
「だが子供には一切罪は存在しない。だから八百万。子供たちが
安心できる環境を絶対に取り戻すぞ」
「はい!私も全身全霊やらせていただきます!!」
私たちはその決意を固めていました。
しかしその後孤児院に
とんでもない悲劇が待ち受けていました。
その知らせが届いたのは夜。和中さんとの稽古の時。
飯豊さんが血相を変えて道場に入ってきました。
「和中の兄貴!大変です!!孤児院から連絡が…............」
「なんだと............!?」
次回、日本刀の和中。鬼になる!!
八百万も鉄火場へ!?
次回はおまけでお茶子の話も出そうと思います。