紅鬼のヒーローアカデミア   作:0101シュート

44 / 91
問題児と工藤

俺の名前は小峠華太。

 

「フー。それそろ行くか」

 

屋上でのたばこ休憩を終え、次の授業の現場へと向おうとする

雄英高校ヒーロー科の教師だ。

 

 

あと残り5日まで迫った期末試験。学力はもちろんのこと実技も

大変難しいものとなるだろ。なので生徒全員は普段より訓練も気合を入れて

取り組んでいる。そして今回行われる工業地帯を模倣して作られたグラウンドγ

でのヒーロー基礎学での授業。俺もオールマイトの補佐として俺も参加することになったのだ。

 

 

グラウンドに着くと既にA組のやつらは集合し、オールマイトと雑談などをしていた。

ん?なんだ切島なやつコスチュームが一変してやがる。ワインレッドのワイシャツに

グレーのスーツ。ほう、なかなかいいナリしてるじゃねーか。

そんなことを考えながらあいつらの所へ歩いていると切島、上鳴、麗日、轟が

俺の存在に気が付く。そして4人は突然背筋を伸ばし俺の方に向かって

頭を下げてきた。

 

「ん?」

 

「「「「お疲れ様です!!」」」」

 

なんだ急に?舎弟でもあるまいし................ああ、そういことか。

 

「フフフ。さてはお前ら気張り過ぎて職業体験の時に事務所で習った礼儀作法を無意識にやっちまっただろ?」

 

俺の言葉に切島が答える。

 

「あ、はい。期末近いんで気を張ってたら、職業体験の時に身に付いた、

挨拶を無意識に小峠先生にやってしまいました」

 

「アハハ。天羽事務所、小峠先生みたいに圧がすごい人ばっかりだったから気を張り過ぎたんすよ。

今回も気を引き締めてたら無意識にしちゃいました」

 

「私も癖がでちゃいました」

 

「俺も相良さんにめっちゃ怒られながら叩き込まれたからな」

 

「そうかそうか。いやー俺も礼儀作法覚えるのは苦労したよ。

あの頃は兄貴たちに失礼のないようにって毎日死ぬ気で気を引き締めてたからな」

 

「へー。やっぱり小峠先生も覚えるの時間かかったですか?」

 

「ああ。毎日のように兄貴たちに怒られたよ。それにしても切島、お前コスチューム変えたんだな」

 

「はい!内ポケットには色んな武器が収納できるんですよ!似合いますか?」

 

「ああ。中々様になってるじゃねーか」

 

 

 

 

 

 

(え?四人とも私にはその挨拶してくれなかったよね?私ってそんな威厳ないかな?)

 

オールマイト先生は何やら落ち込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして訓練が始まる。今回のフィールドは幾つもの建物が並んでいる密集工業地帯。その複雑な地形の中心部にいる要救助者役のオールマイトの下に、だれが一番最初にたどり着けるかのレースといった

内容である。

 

「小峠先生は生徒たちの移動の際にでる建物への被害に関する評価と終わった後の

それに関するアドバイスなどをお願いね」

 

「了解しました」

 

「では始めるぞ!まずは緑谷少年。瀬呂少年。尾白少年、芦戸少女は定位置に着いてくれ!」

 

それから間もなくして四人はオールマイト先生の所へとスタートする。

尾白は自分の尻尾を上手く利用し建物の間を飛び回る。

芦戸は酸で地面を溶かしまるでスノーボードのように高速移動を実現している。

そして瀬呂はテープの特性を生かし縦横無尽に飛び回っているな。

それにしてもこの三人なかなかいい集中力じゃねーか。野田の兄貴のおかげか?

 

 

(((ミスしたら死!!ミスしたら死!!ミスしたら!!)))

 

 

そして緑谷は身軽な身のこなし障害物をジャンプしたりして突破していた。

さあそろそろオールマイト先生が見えてきたぞ。先頭では

瀬呂と緑谷が争う形で移動していた。瀬呂が一歩先に移動した。これは

瀬呂の優勝か?そう思ったとき緑谷が懐から見慣れないものを取り出した。

 

(ん?あれは鎖分銅か?)

 

「フン!!」

 

緑谷は空中あからオールマイト先生の近くにあった手すりに向かって分銅を投げると

鎖は手すりに見事巻きつく。そして緑谷その鎖を引っ張りその勢いで一気にゴールへと飛んで行った。

そして一位へと輝いたのは緑谷だったのだ。

 

 

四人へのアドバイスが終わったあと俺は個人的に緑谷に話しかける。

 

「緑谷、その鎖分銅の技術はは職業体験の時に学んだのか?」

 

「はい!鬼頭コーポレーション所属ヒーローの赤城さんから学びました。

鎖分銅は戦闘はではもちろんほかにも色んな局面で役に立つって!」

 

なるほど。個性だけに頼らず武器によって自身の戦闘スタイルを拡張させたか。

こいつも結構な成長をとげたじゃねーか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わり、放課後になった頃。爆豪はただ一人市街地を模倣したグラウンドβで

特訓していた。

 

「ハアハア!クソが!!」

 

(デクだけじゃねー!他の奴らもすげー成長してるのに俺だけ全然変われてねー)

 

爆豪は今日の訓練で思う所があったようだ。

どうやら周りと自分の成長度が違うと感じたようだ。そしてあいつには今大きな課題がある。

 

(クソが!駄目だ........やくざ野郎の殺気に耐えれるイメージが全然できねー!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふざけんなベストジーニスト!!なんでこんなダサい姿で........』

 

『おい!!目上に人になんちゅう態度取ってるんじゃ!?あと事務所のひとたちにはちゃんと敬語使え!!』

 

『ぐ、グべ!?』

 

久我が説教しながら爆豪の首を片手で締め上げる。

こんな感じで爆豪がなにか粗相を起こすと久我が説教する。爆豪の職業体験は

終始こんな感じだったのだ。爆豪は久我の殺気にトラウマを抱えていたため

強気にでることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソがクソが!!俺は........どうやったら更に上へと向かえるんだ........?」

 

爆豪は自分の今の体たらくに失望していた。こいつは中々精神面での成長を

果たせずにいたのだ。そんな奴の元にあの人が姿を現した。

 

 

 

 

「よう。お前さんが爆豪ってやつか?」

 

「あん!?」

 

爆豪が後ろを向く。するとそこには紫色のアロハシャツをきた

中年男性が立っていたのだ。

 

「誰だおっさん!?」

 

「俺は天羽事務所でヒーローをやっている、工藤清志ってもんだ。

俺はお前さんに................決闘を申し込みに来た」

 

「は?なに言ってんだおっさん」

 

「華太から話は聞いている。お前さんスゲー強いんだろ?

お前さんと是非やり合いたいと思ってな。まあ負けるのが怖いなら別に

断っても構わんが」

 

工藤の兄貴の何気なく放った一言。それは爆豪の中にあったプライドを一瞬で傷つける。

爆豪は血管が浮き出るほど怒りをあらわにしながら返答した。

 

「いいぜおっさん...............

俺様にそんなふざけた態度取らせないようにしてやるよ」

 

「フン。中々いいオーラ纏ってるじゃねーか。よし早速始めようぜ」

 

その言葉と共に工藤の兄貴は拳を構えファイティングポーズを取った。

そしてやはりというべきか先手をうってきたのは爆豪の方だった。

 

「死ね!!」

 

爆豪は爆破の勢いを利用して工藤の兄貴に向かっていく!

そして工藤の兄貴に爆破を食らわせようとした。

 

「シュ!!」

 

工藤の兄貴はなんとか身を捻って爆豪の攻撃を回避する。しかし

 

「うお!?」

 

爆豪の爆破は避ける程度じゃダメージを完全に避けることはできない。

工藤の兄貴は少しではあるがその爆破を食らってしまいダメージを受ける。

兄貴はなんとか裏拳を振りながら爆豪から距離を取った。

 

「へ!中々いい個性じゃねーか」

 

「うるせぇ!さっさとくたばりやがれ!!」

 

二人の決闘は続く。だが最初の状況からなかなか変わらず爆豪が爆破を仕掛け

工藤の兄貴がそれを躱したり防御するといった状況が続いた。

傍から見ればこの勝負は爆豪が有利に見えるだろう。しかしそれは違ったのだ。

 

「ハアハア.......」

 

爆豪は積み重ねる攻撃をへて息切れを起こすほどの疲労を見せていた。

それに対して工藤の兄貴は体や顔に数か所火傷を負うも落ち着いた様子で

拳を構え続けていた。

 

(クソが!!あのおっさんなんであんな攻撃受けて立っていられるんだ!?)

 

爆豪の頭にその疑問がよぎったと同時に工藤の兄貴は口を開いた。

 

「爆豪。何故俺がずっと立っていられるか不思議に思っただろ?」

 

「あ!?だったらなんだ!?」

 

「俺が立っていられる理由は一つ!お前がまだ持ってない力を持っているからだ!」

 

そして工藤の兄貴は鋭い眼光を爆豪に向けて叫ぶように語りだす。

 

 

 

 

「爆豪!お前のナンバー1ヒーローになりたいっていう野望は大したもんだ!

それは認めてやる!けどな更に強くなりたいならそれだけじゃ全然足りないんだよ!!」

 

「な、なに?」

 

「お前が今強くなろうとしてるのは自分の為だけだろ!その志だけじゃ俺には

絶対に勝てない!誰かのために振るう攻撃は、拳は重みが違うんだよ!!」

 

そういって工藤の兄貴は拳にありったけの力を込める!そして爆豪に向かって

スタートを切った!!

 

「力は我欲のために振るうものじゃねー!!仁義のために振るうものなんじゃー!!」

 

「グハ!?」

 

工藤の兄貴の渾身の右ストレートが爆豪の頬を打ち抜く!そして爆豪は地面に

尻もちをついて倒れた!

 

「グ、痛てー.......」

 

(何て重いパンチなんだ!?紅林ほどじゃねーがそれでも体に響き渡りやがる)

 

倒れて兄貴を見上げ睨みつけている爆豪に兄貴は再び口を開く。

 

「爆豪!お前はもっと強くなりてえんだろ?なら誰かのために強くなれ!!

じゃなきゃお前の悩みはなんも解決できないぞ。

自分のためだけに戦ってるやつはここぞで競り負けるんだ!

そして誰かために振るう攻撃には魂が籠るんだよ。そういう攻撃は

状況を覆す可能性秘めてるんだ。わかったか小僧?」

 

 

その言葉は聞いた爆豪は敵意が消え失せハッとなる。

そしてなにか考え込むかのように下を向いた。

 

「誰かのために................けどどうすれば........」

 

爆豪の表情をみた工藤の兄貴はフッと笑いながら膝をつき爆豪に目線を合わせた。

 

「一発で反省しだすとはなかなか物分かりのいいやつだな。爆豪。

さっきあんなことをいったがお前はとっくに持ってるはずだ。

自分が必死で守りたい奴らが。そして守りたいそいつらとの絆ってやつもな」

 

「絆?」

 

「そうだ。まあここからは一人で考えてみろ。

この答えがわかったときお前は男としてもう一段磨かれるはずだ」

 

そういって工藤の兄貴は立ち上がりその場から去っていた。

爆豪はただ一人その場で考え込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、我妻ヴィラン伝説パート2

麻生目線で語られる我妻による荼毘のスカウトをお楽しみに

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。