俺の名前は麻生成凪。ヴィラン連合に所属している我妻のパートナーであり
彼の持っている犯罪組織、戒炎のナンバー2の男だ。
俺と我妻ちゃんは今荼毘と呼ばれるヴィランのスカウトのため奴の
ヤサを張っているとある路地裏に訪れていた。
「フフフ。テメーかわざわざこんなところまで来て俺に会いたいってやつは」
「初めまして、俺は我妻京也。よろしくね荼毘............いや...........
轟燈矢君............」
我妻の言葉にさっきまでヘラヘラとしていた荼毘の表情が一気にこわばる。
それはそうだろ。誰も知りえないはずの自分の過去が突然見破られたのだから。
ことの始まりは数週間前。
俺たちは軽くヴィランたちの写真を用意し誰をスカウトするかで話し合っていた時だった。
「ん?このフードを被って青い火を出してるこの男誰だい?」
「ああ。そいつは荼毘って呼ばれている。なんでも路地裏でよく色んな奴を
その青い火で焼き殺してるらしい」
「へー、ちょっと興味が出てきたな。麻生。ちょっと彼のこともう少し
調べてくれるかい?」
「了解だ」
へー。あの我妻ちゃんこんな興味をもつなんて。よほどバリューを感じたんだな。
それから数日後、俺はようやく荼毘の素顔が写った写真を入手。
そしてそれを我妻とワインを楽しんでるときに渡した。
「うん、いい目をしてる。とても愛し甲斐がありそうだ」
そういってあの人グラスをテーブルに置きじっくりと荼毘の写真を観察した。
(こいつの個性は炎系で間違いないが........なんだこの痕は?
火傷?いやこいつの個性的にありえないか?)
その時我妻の雰囲気が突然変わる。
そしてしばらく考え込んだあと我妻は写真のデータを贔屓にしてる
闇医者に送り電話をかけた。
「おい。こいつのこの痕は本当に火傷で間違いないのか?」
『は、はい。それもただの火傷じゃないと思います。なんていうか........
外からの炎を浴びた感じではなく........内側から炎に焼かれたような........』
「先ほども言ったがこいつの個性は炎系だ。そんなことがあり得るのか?」
『はい。いくつか例が存在するんですけど個性と体質が合わず自分の
体を傷つけてしまうっていう人間がいるんです。多分彼はそれだと思います』
「なるほどな」
『あと青い炎ってすごいですよ!温度だけなら多分ですけどあのナンバー2ヒーロー
エンデヴァーを超えてるかもしれません!いやーもったいないな』
「青い炎を出せる奴はそんなにいないのか?」
『はい!もしいたら大分有名になってると思いますよ!』
「わかった邪魔したな」
そういって我妻は電話を切る。そして椅子に座り手を合わせながら
ブツブツと言いながら考え込み始めた。
「エンデヴァーの火力を凌駕する可能性をもつ存在...............。
一体何者だ?それとなぜあのこんなちんけな犯罪を犯し続けている?
それに................」
(こんな我妻ちゃんが考え込むなんて珍しいな。一体やつはどんなバリューを秘めているんだ?)
俺もこの荼毘という男に興味がわいてきた。その時我妻はスマホを取り出しエンデヴァーの
ことを調べ始める。するとその画面に表示されたのは雄英高校ヒーロー科の轟についてだった。
「麻生。そういえばこいつエンデヴァーの息子だったよな?
こいつは炎と氷の個性を二つ持っている。ってことはこいつの母親は................
氷系の個性だよな?」
「うん。そうなるね」
そして次に我妻ちゃんがスマホで調べたのはエンデヴァーの家がある街。
そしてその付近で起こった火事などの事件を片っ端から調べ始めた。
そして一つのニュースに目が止まる。そのニュースの内容は................
轟家の長男である轟燈矢が山火事で亡くなったというものだった。
「そうか分かったぞ。あいつの正体はエンデヴァーの実子。轟燈矢だ」
話を元に戻そう。我らが大将、我妻京也は荼毘の正体を見事当ててのけたのだ。
荼毘は明らかに不機嫌な態度を見せる。
「その表情。どうやら俺の読みは当たってるようだね。君はその体質のせいで
エンデヴァーから見限れ、優秀な弟が生まれたことにより自暴自棄になり個性を暴走させ
あの山火事をおこした。そして死んだと周りから思われながらもなんとか生き残り今に至る。
こんな感じで合ってるかな?」
「黙れよテメー!!ぶち殺してやる!!」
どうやら我妻の発言は見事やつの地雷を踏みぬいたらしい。
彼は怒り狂って炎を手に発現させ、我妻に襲い掛かろうとする。
しかしその瞬間我妻は指を鳴らした。
「な!?」
その時荼毘の体が硬直し身動き取れなくなる。彼はその状況に理解が追いついていなかった。
「これは俺の個性、ナイトメアの力の一つだ。俺は俺自身に恐怖を抱いた
相手の動きを止めることができる。そしてその恐怖の大きさによってその力は
もっと大きくなるんだ」
「俺は恐怖してるだと!?ありえ................」
「いや。むしろ当たり前のことだよ。自分以外絶対知らないであろう秘密を
赤の他人が把握している。これはとても恐ろしいことのはずだ」
「ク!!」
「まあまあ、そんな敵意を向けないでくれ。俺は君をスカウトしにきただけなんだから。
けどその前に................君のエンデヴァーに対する考えを教えてくれないかな」
「ち!ふざけんなよ。そんなこと話すわけ........」
「いや、君は本当は求めているはずだ。自分の思いを共有してくれる相手を。
確かに君はこの事実を誰にも教えなかったかもしれない。けど人間どこかで
誰に話して発散したいと思うはずだよ。君は思いを誰かにぶつけたくて仕方がなかったはずだ。
このことは誰にも話さない。だから................お前の思いを俺にぶつけてみないか?」
そういうと荼毘は寂しそうな目でじっと我妻の目を見つめた。
そしてなんと口を開いたんだ。
やっぱり我妻ちゃんはすごい。狂人の心の傷をピンポイントで当てて、
そして巧妙に、そして狡猾に心の扉を開きやがる。彼の人心掌握術は天才的だ。
「あいつは...............いや父さんは俺に火をつけてくれたんだ!!
けど俺はすごい頑張ったのに!父さんは...............俺を認めてくれなかった。
俺と真剣に向き合ってくれなかった!俺を見捨てて焦凍に鞍替えしようとした
時はマジで頭がおかしくなりそうだったよ!俺はあの男を苦しめたい」
荼毘は本音をすべて吐き出した。荼毘の言葉を聞いた我妻は恍惚とした表情を
みせながらクスクスと笑い出した。
「そうか。君はお父さんを愛してやまないみたいだね。君の愛は本当に素晴らしいよ」
我妻の言葉に荼毘は困惑の表情を見せる。そして我妻は個性を解除し
荼毘の方へと寄っていった。
「荼毘。俺は近い将来ヴィラン連合を乗っ取りこの裏社会を統一する。
その後俺は素晴らしいゲームを始めようと思うんだ。ヒーロー社会の侵略というゲームをね」
「は?そんなことできるわけが...............」
「できるさ。この社会は言わばヒーローたちの暴力で成り立ってる。
裏社会と何の違いもない。俺の計画があれば可能性はあると思うよ」
我妻はまるで悪魔のようなオーラを放ちながら笑顔で荼毘に話した。
その姿はまるで........魔王のようだった。
「そしてその際必ず障害となってくるのがエンデヴァーを含めた大勢のヒーローたちだ。
君のそのポテンシャルと秘密があればこのヒーロー社会を混沌に陥れることも
できるかもしれない。もちろんお父さんを苦しまることもね。ヴィラン連合に入れ荼毘。
俺の力があればお前はもっとエンデヴァーを苦しめることが出来る」
「フ、アハハ!ハハハハハハ!!すげーな!こんなやばい奴がいるなんて知らなかったよ。
いいぜ、あんたの下についてやる。ただ一つだけ約束しろ。
ちゃんと父さんを苦しめるために協力することをな」
「もちろんだ。俺のてにかかれば君の想像以上にエンデヴァーを苦しめることが
出来る。まるで地獄のような苦しみをね」
「フン。やべーな。ワクワクが止まらないぜ」
こうして俺たちは荼毘のスカウトに成功した。
「ナイストークだったよ我妻ちゃん。結構戦力が集まってきたね」
「うん。それに弔の方もかなりスカウトに成功してるらしよ」
「もちろん知ってるよ。血狂いのマスキュラー。ムーンフィッシュ。マスタードが
仲間になったらしい」
「弔もなかなかやるね。けど彼はいずれ俺の計画の障壁になる。
彼を消すプランはいくつかできてるけどもう少し考えてみるか」
「OK~。下手な手を打ってあの方を怒らせたらリスクが高い。用心はいくらでも
してもいいと思うよ」
「そうだね。もしやるなら...............
オールマイトとあの人の一騎打ちの時がいい」
次回、ついに始まる期末試験!目指せ全員合格!!