47・メロンパン屋は楽じゃない
俺の名前は瓜生龍臣。
「見ろカリン!今日も見事な焼き上がりだ!!味見頼む」
「さっき名店のたい焼き食べちゃったから食べない」
「裏切者が~!」
メロパンカーでカリンとともに各地を回っているメロンパン屋兼、訳アリのヒーローだ。
俺は5歳の頃殺し屋組織CODE ELに所属していた。その組織は行き場の失った
孤児などをかくまい殺し屋に仕立て上げる巨大な暗殺組織だった。俺はそこで
一流のアサシンとして育て上げられ齢15歳から暗殺の任務をこなしっていった。
しかしそれから2年後。組織にとって最悪の事態が起こる。なんと組織に大勢のヒーローたちが
組織の本拠地を襲撃してきたのだ。そしてそのメンツもとても恐ろしいもので現在NO,4ヒーロー
ベストジーニストとNO,5ヒーローのエッジショットだったのだ。本拠地にいたアサシンたちは
もちろんパニック状態。壊滅も時間の問題だった。しかしそんな中俺の師匠、毛利のおっさんは
みんなを逃がそうと冷静に動く。
「このままでは全滅だ!みんな逃げろ!!しんがりは俺が務めて........」
「毛利のおっさん。しんがりは俺に任せてあんたもみんなと逃げてくれ」
「死龍!?駄目だ!お前はまだ若い!これは俺の役目........」
「おっさんが居なねぇとこの後皆が途方にくれちまうだろ?あんたはみんなに必要な人だ。
だから絶対に死んじゃいけねぇ。だから俺が行く。じゃあな」
「ま、まて!!死龍!!死龍ー!!」
その後俺はみんなの退路を確保するためにヒーローたちに立ち向かった。
俺は組織の中でも若かったが実力はトップクラスだっためなんとか戦えてはいた。しかし多勢に無勢、
俺はあっという間に生け捕りにされてしまう。俺は牢屋生きを覚悟した。
しかしそうはならなかった。その後俺は自分の若さと暗殺の腕を見込まれ........
公安所属のヒーローにならないかと公安に提案されたのだ。これを断れば俺に待っているのは
恐らく絶望的な未来。俺に首を横に振る選択肢はなかった。俺はヒーローになることにしたのだ。
しかしヒーローになっても俺のやることは変わらない。ただただ暗殺を指示されその対象の
命を奪い続ける日々。下手すればその暗殺量は組織にいたときよりも多かったかもしれない。
俺はこんな日々を続けた結果味覚がぶっ壊れっちまった。なにを食べても血の鉄の味しかしない。
俺に生きてる意味はあるのか?そんなことをばかりを考えていた。
そんなある日俺に人生の転機が訪れる。それは俺が休暇公園のベンチで過ごしている時だった。
「あらお兄さんの顔まるで死んでるみたいね」
「え?」
今思えば........あれは運命の出会いだったんだろう。まるでおとぎ話から出てきたのかよ
って感じの見知らぬおばさんが........
「これサービスしてあげる。どうぞ」
「これはメロンパン?」
焼きたてのメロンパンをサービスしてくれたんだ。
どうせ何を食べても血の味........ため息とともにメロンパンを食べた瞬間。
「な!!??う、うまあぁぁぁーーーーー!!!???」
大袈裟じゃない。俺の無色だった俺の世界が一気に色彩を取り戻したのだ。そしておれは決断する。
(あ。公安やめてメロンパン屋になろ!)
「な!?おい死龍!!貴様自分がなに言ってるかわかってるのか!?」
「はい!自分はここをやめてメロンパン屋になります!!自分が今までやってきたことのデータは
一応保持してますがなるべく俺のことは探さないでください!!ではお元気で!!」
「ま、待て!!貴様ーー!!」
俺は上司にその旨を伝えて公安の施設からトンズラらしたのだった。
その後俺は師匠のもとで修業を積んだ。
「もっと力を込めろ。この無責任なトンズラ野郎め!」
「く~!?本当のことだから言い返せない!」
それから1年後俺はついに独立を認めてもらい、師匠のメロンパンカーを受け継ぐことが出来た。
「ここまで長かった........う........」
「おいメソメソしてるんじゃないこのフナ虫野郎。あとは任せたよ」
こうして俺はメロンパン屋の店主として動きだしたのだ。
そしてメロンパン屋を続ける中再び俺に人生の転機が訪れる。
「すいません。メロンパンを一つ」
「はい毎度あり................って!?あんたは!?」
「ああ。久しぶりだな死龍」
ある日突然、毛利のおっさんが俺の店に訪れたのだ!
「おいおい。おっさんマジかよ!俺がいなくなったあの後どうしてたんだ?」
「俺はあの後バース、ジェイク、カリン、芦沢、金鳳、さゆり、小森を連れて
あの場から脱出した。ほかにも脱出に成功したアサシンたちはいるがそいつらとは
今連絡は取り合ってない。恐らく国外を出て組織の復興に向けて動いてるのだろう」
「へ~。おっさんは今何してるの?」
「フフフ。よく聞いてくれた!俺は今バースたちと共に株式会社モーリーをやっている!」
「え~!?会社!?」
そう。おっさんは今みんなと共に飲食だったり様々なサービスを提供する会社を作り
その会社の社長になっていたのだ。
「そしてこの会社はヒーロー事務所の側面も持っている。お前が居なくなったあと
あの子たちは頑張ってヒーロー免許を取得したんだ。俺らは主に陰にくれた外道たちや
ヴィランたちと戦っている」
すごいな!ヒーローもやってんのか。そしておっさんは俺にとある提案をしてきた。
「お前もモーリーに参画しないか?資金は今潤沢にある。
もしお前が望むならヒーローは
やらなくてもいいぞ」
そうだな........みんなとも一緒にまた働ける........悪い話ではないか。俺はその話に乗ることにした。
そして俺は現在カリンと共にこのメロンパン屋を運営している。
俺たちはこの日とあるスポーツ公園公園でメロンパンを売っていた。
そして夜になり店じまいの時間が来た。俺たちは一息つきながら
店じまいの準備をする。
「そういえば龍臣。今度みんなで旅行に行こうって社長が言ってたんだ」
「へー。どこに行くかもう決めてんの?」
「いやまだきまってないじょ。龍臣どこに行きたい?」
「そうだな................ん?」
その時俺は嫌なにおいを感じる。そう................死の香りだ。俺はとっさにその場から
バックステップする。
バン!!
その瞬間俺の目の前の地面に鉛玉が撃ち込まれる!
「え!?龍臣!?」
「カリン!今すぐ車に乗れ!絶対出て来るなよ!!」
「わ、わかった!」
俺の指示をきいたカリンはすぐさまメロンパンカーの中に逃げ込む。
そして俺は周りに警戒しながら地面に打ち込まれた弾丸を確認した。
それは毛髪を編んで作られた不思議な弾丸。
(間違いない。これはスナイパーライフルの弾ではなく個性によって作られた弾だ。
こんな攻撃を仕掛けてくる奴は................あいつしかいない)
そう。公安所属ヒーローレディーナガンだ!
奴は北の方向にある雑居ビルの屋上から俺を撃ち殺そうとしていたのだ。
「悪いが................これも仕事なんでな」
奴は俺に向かって再び弾丸を放つ!俺はなんとか動きその弾丸を避けていく!
俺の個性は死臭。自分や周りの人間に死が近づくとその匂いを感じ取れる個性。
俺はこの個性で奴の射撃のタイミングなどを把握していた。
俺はすぐさまそこら辺にあった木の陰に隠れる。しかしそれは奴には
通用しない。
「甘いな」
奴は再び発砲する。その弾はなんと曲がり俺の体を捉えようとする!
「お!?マジか!?」
俺はなんとか身を屈め弾丸を避けた。クソ!バンバン撃ってきてるから
奴の居場所は大体把握している!だが恐らく奴の銃に弾切れは存在しない。
俺はこの場から動くタイミングを得られずにいた!どうしたものかと
頭を動かしていると........。
「龍臣!!」
カリンがいくつかの小麦粉の入った袋を抱えて外に出てきた!そしてカリンは
その袋を開け振り回し小麦粉を空中にばらまく!
「あー!?大事な材料が~!?」
「馬鹿!!今はそれどころじゃないでしょ!!」
カリンは小麦粉をばらまき続ける!そして辺りは煙で覆われた。
「く!?煙幕か!?」
その影響でナガンは俺のことを視認できない。
「よし!チャンスだ!!」
カリンの作ってくれたチャンス!無駄にしない手はない!!俺はすぐさま猛ダッシュし
奴のいる雑居ビルへと走っていった。
もちろんやつは走ってくる俺に向かって発砲してくる。しかし俺の死臭を
感じ取る個性はこういったシチュエーションで真価を発揮する!俺は
その発砲のタイミングを感じ取り、すべて走りながら外してやった。
しばらくして俺は奴のいるビルに到着!そして屋上へと向かった。そして俺は
屋上でナガンを発見する。
「よう。なんでお前俺の命狙ってんの?」
「決まってるだろ。公安からの命令だ。お前はこの社会にとって害悪。
だからここで仕留めさせた貰う」
「はいそうですかって大人しく殺されると思ってんのか?悪いが俺には
メロンパン屋という大仕事がある。ここで死ぬ気はない」
「ふざける........な........」
その時ナガンの顔が真っ赤な怒りで染まる!
「何がメロンパン屋だ!!お前はただの裏切り者だ!!人間のクズなんだよ!!」
ナガンは俺に乱射してくる。しかし俺にそんなものは通用しない。俺は全て冷静に
避けて奴の懐に入り込んだ。
「な!?馬鹿な!?」
「怒りに染まり冷静さを失った射撃が俺に当たるかよ。スーパー手加減パンチ」
「グハ!?」
俺のボディブローを食らったナガンはその場に気絶した。さてこの後どうしようかな。
とりあえずこいつは連れていくか。俺は彼女を抱えてカリンの元へと戻っていた。
「ん?ここは........」
ナガンが目を覚ます。そこは公園のベンチの上だった。俺は起きたナガンに
話しかける。
「よう。気分はどうだ?」
「し、死龍?なぜ私を殺さない?」
「別に何もしないよ。腹減ってないか?食えメロンパンだ」
「め、メロンパンなんていらな........」
「遠慮すんなってホラ。焼きたてだぞ?」
俺がそういうとナガンは渋りながらもメロンパンを受け取り口に含んだ。
するとナガンはメロンパンのおいしいさに唖然としたあと................ポロリと涙を流した。
「うぅ................」
その涙を皮切りにナガンは声を殺しながら号泣した。そしてしばらくして俺の本音を話し出す。
「もう................人殺しなんてしたくない........私のなりたかったヒーローはこんなものじゃない」
「そうか........じゃあ公安なんてやめればいいじゃねーか」
「簡単に言わないでよ........私はあんたと違ってあそこ以外に居場所がない。
それに他にできることなんてない........私はこの生き方しか知らないもの.......それにやめたいなんて
いったら私多分殺されちゃうよ......」
この言葉をきいて俺は彼女のさきほどの怒りの意味を理解した。自分と違って自由に生きようとする
俺の志がこいつにとっちゃとてもうらやましく、妬ましいものだったのだろう。
ここまでくると同情しちまうぜ。仕方ない........一皮脱いでやるか!
「ナガン。この件俺に任せてくれないか?お前が望むなら俺がお前を救ってやる」
「え?そんなこと........できるの?」
「大丈夫だ。俺に任せとけ。カリン!毛利のおっさんに連絡しろ!」
「えぇ。わかったわ」
さあ。苦しむ淑女を救うためにヒーロー事務所モーリーの出陣じゃい!
次回!
公安VSモーリー