俺の名前は紅林二郎。
「あの緑髪の少年に用があるんだけど...........
これは一体どういう状況?」
「オールマイト。話はこいつらの喧嘩の後にしてくれませんか?」
空地での出久と爆豪の決闘をオールマイトと見守る中学3年生だ。
「デク!お前が目障りで仕方ねーんだよ。ここでお前を
完膚なきまでに叩き潰してやる!!」
「かっちゃん!僕はもう弱虫でひ弱なあのデクじゃない!
僕は強くなった!僕の意地にかけて絶対負けない!!」
「黙れデクが!!」
その瞬間爆豪は爆破の勢いを利用し出久に向かっていく。
「うおー!!」
出久も爆豪に向かって走り出した!
そしてお互いの大きく振るった拳が
お互いの頬を捉える。
「ぐあ!」
「クッ!」
お互いの拳でひるむ二人。そして最初に動き出したのは
爆豪の方だった!
「死ねー!」
「グ!?」
爆豪の手のひらを爆発させながらのボディブローが出久の腹にもろに入る!しかし出久は
食らった瞬間爆豪の顎にアッパーを食らわせた!!
「ガ!?クソ!そんなもん効くかー!!」
二人の殴り合いはヒートアップする!やられたら殴り返すという
状況が続いた。しかし今明らかに不利なのは出久だ!やつの爆破は明らかに出久に
多大なダメージを与えている。
(クソが!なんてタフさだ!爆破を叩き込んだ瞬間に殴りを入れてきやがる!
けどな攻撃力はこっちが上だ!先に倒れるのはデクのほうだ!!)
「おらー!!」
(このままじゃだめだ!ガードはあまり意味がない!
攻撃を回避するんだ。集中。集中)
その瞬間出久に異変生じる!
「死ねー!!」
爆豪が出久の顔面に爆破を叩き込もうとした。しかしこの状況の中、出久は恐ろしく冷静だった。
(なんだ?かっちゃんの攻撃がまるでスローモーションに見える。
まだだ。もっと引き付けて...........)
シュッ、
「な!?」
奴の攻撃は空を切った。出久はギリギリのタイミングで
横に避けたんだ!
「うわー!!」
そして出久の右ストレートによるカウンターが
爆豪の顔面に突き刺さった!!
「が!?」
そこからはもう出久の独壇場だった!
出久は爆豪の攻撃をよけてはカウンターを食らわせる。
そんな状況が続いたんだ!!
「クソが............」
(駄目だ。頭がくらくらして…............)
爆豪は一方的に殴られ続けたことにより体力が大きく減っていた!
そしてやつはおおきな隙を見せる!!
「終わりだ!かっちゃん!!」
出久はその隙を見逃さない!拳を固く握りしめ、腰を大きくひねって構える!そしてその拳を
爆豪に豪快に振り落とした!
「吹き飛べー!!」
「ゲボ!?」
出久が爆豪の顔面に全体重をかけたフルスイングを決めた!!
あの拳を前にガードは無意味!
それはまさにとどめの一撃だった!!
爆豪は吹き飛ばされ地面に大の字で倒れこむ!
「かっちゃん僕の勝ちだ!!」
そう出久はあの爆豪を真正面から打ち負かしたんだ!!
それは過去の因縁を断ち切った瞬間だった!
「............」
「かっちゃん?」
「............俺ってこんなに弱かったんだな」
大の字で倒れた爆豪は夕闇を眺めながら確かにそう呟いた。
「え?」
爆豪の言葉が出久を困惑させた。
あの自尊心の塊のようなあいつからあんな言葉が出たんだ。
俺も正直すごく驚いた。
「お前は俺より遥か後ろにいるハズなのに、俺より先にいる様な気がして…嫌だった、見たくなかった、認めたくなかった…テメエが紅林と本気で努力し始めたときもそうだった」
爆豪は言葉を紡ぎながらふらふらと立ち上がる。
「だから、遠ざけたくて虐めた…否定することで優位に立とうとした…
俺はずっと敗けていた……。
テメエは、俺よりも強くなって......俺は追い抜かれちまった…俺はここでお前の強さと俺の弱さをようやく理解した............出久。今までごめん」
そう言って爆豪はボロボロな体に鞭を打ってなんとか頭を下げ確かに謝罪した。
爆豪はようやく自分の弱さを受け入れることができたんだ。
「付き合わせて悪かった。
お前はもう俺の顔なんてもう見たくもないほど恨んでるよな。
今後お前には関わらないようにする。じゃあな」
爆豪は痛めた体を抑えながら、その場を立ち去ろうとした。しかし
出久が爆豪を呼び止める。
「ま、待って、かっちゃん!僕は別にかっちゃんを
恨んでなんかないよ!むしろ僕は今すごく嬉しい!
やっと君が僕を認めてくれたんだから!!」
「え............?」
「かっちゃん雄英目指してるんでしょ?じゃあこれから
一緒にがんばろうよ!!僕と二郎君といっぱい特訓してさ、
また勝負しようよ!!」
「俺を............許してくれるのか?」
出久の言葉を聞いた爆豪の頬に雫が伝る。
「うん!だからこれからよろしくかっちゃん!」
出久は目に涙をためながら爆豪に握手を求め手を出した。
出久は爆豪との関係を最悪で終わらせたくないのだろう。
あいつはどこまでも優しい奴だな。
「クッ...........ありがとう出久。すまねー............」
爆豪は号泣しながらその手を握った。
あいつらの幼少期に壊れ修復不可能だと思われていた二人の関係が
こうして生まれ変わったんだ。
俺は柄にもなくその光景に涙した。
「出久............よかったな」
「二人ともブラボー!!私もとても感動してしまった!!」
オールマイトも惜しみない拍手を二人に送っていた。
「それじゃあ話を始めてもいいかな?っとその前に
紅林少年と爆豪少年といったかな?今から話すことは他言無用で頼む!」
「わかりました」
「おう」
「ああでもその前に……ああもう限界だ」
その瞬間オールマイトの体が煙で覆われる。そして…。
「え?だ、だれっすか?」
「な、なんじゃこりゃ!?」
そこにはやせ細ってる骸骨のような男性が立っていた。
「これが私、オールマイトの真の姿さ!」
「「えーーーーー!?」」
俺と爆豪は驚きのあまり大声を出してしまう。
だってあり得ないだろこんなの普通!!
「それではまず緑谷少年、礼と訂正、そして提案をしに来たんだ
君がいなければ、君の身の上を聞いていなければ、
口先だけの偽筋となるところだったありがとう。そして訂正させてくれ。
あのヴィランの時とさっきのあの決闘を見て私は確信した!君は素晴らしいヒーローになれる!!」
「オールマイト............!ありがとうございます!!」
出久は思いっ切りあたまを下げて感謝した。
おそらく今までの努力は無駄じゃなかったと思うことが出来たのだろう。
それを憧れの人物に認めてもらったんだ。嬉しいに決まってる。
「そして君に提案をしに来た!緑谷少年私の個性を受け継ぐ気はないかい?」
「え?個性を受け継ぐ?」
「そう!私の個性は聖火のごとく引き継がれてきたものなんだ!
力を譲渡する力、それが私の受け継いだ個性
冠された名は『ワン・フォー・オール』
もともと、後継は探していたのだ。
そして、君になら渡してもいいと思ったのさ!!」
「で、でもそんなすごい力、かっちゃんか二郎君とかの方が」
全く。ここでこいつの謙虚さが出ちまった。しょうがない少し背中を押してやるか。
「出久。これはお前が選ばれたことなんだ。
だから胸を張って受けとるべきだぜ」
そして意外なことに爆豪も出久が受け取るのを肯定した。
「さっきまでの俺だったら納得できなかったかもしれねー。
だが今は違う。俺はその力はお前にふさわしいと思う。だから、デ、いや出久
俺なんか気にせず受け取れよ」
「二人とも…...........!わかりました!その個性僕が受け継ぎます!!」
「よし!決まりだ!ではまた明日の朝浜辺に来てくれ!そこで今後の
ことを決めよう!二人もよかったら来てくれ!!」