紅鬼のヒーローアカデミア   作:0101シュート

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轟のケジメ

俺の名前は轟夏雄。轟焦凍の実の兄にしてエンデヴァー実子の一人である。

俺は今は家で姉の轟冬美とともにとある部屋を覗いている。

そう父と弟、そして母親の対談の場だ。

 

「母さんと焦凍。大丈夫かな?」

 

俺はある程度今日焦凍が行う対談の内容を本人から聞いていた。だからこそ俺は

胃が痛くなるほど心配していた。果たして弟はあんな狂信的に自分を育ててきた

父親を説得できるのだろうか?俺がそんな風に考えていると姉の冬美が俺の肩に

やさしく触った。

 

「きっと大丈夫。あの子を........焦凍を信じよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焦凍と母はエンデヴァーの待つ部屋の襖を開ける。そして二人は堂々と座っている

エンデヴァーの近くによりまず焦凍が父に頭を下げ一礼する。

 

「まずお父さん。今回はこのような話し合いの場を設け、時間を作っていただきありがとうございます」

 

「え?おお........」

 

エンデヴァーはその一言に唖然とした。今までまるで軽蔑するかのような目で

反抗的な態度で常に自分に接しきた息子がこんな礼儀正しく接していることに

戸惑っていた。

戸惑うエンデヴァーをよそに焦凍はその場に正座する。その座る姿は美しく

背筋を伸ばし目線をまっすぐに向けていた。俺と姉もその光景に........

自分たちの知らない弟の一面に驚いていた。

 

「お父さん。今回話し合っていただきたいのは自分のこれからについてのことです。

単刀直入に言います。俺は卒業したら京極事務所に入っていち舎弟の立場から

地道に成長していこうと考えています。それをどうか認めていただきたいです」

 

「しょ、焦凍!いい加減にしろ!なぜあそこにこだわる!お前は卒業した時点........

いや!今からでもヒーローになったとしてもそこらの奴らとは一線を画す実力を発揮できる!

だから一から始める必要は全くない!!俺がおまえを........」

 

「いいえ。俺は未熟者です」

 

「なにを言ってる!?お前の個性は........」

 

「個性の問題ではありません。僕はまだまだ渡世の渡り方や

大人に必要な知識や志がまだ足りていません」

 

「え?」

 

「僕は久我の兄貴から、そして京極事務の人達から学びました。

力を持ったものが弱いものを強いものから守る志を。絶対に男が貫かないといけない仁義を」

 

焦凍はそう真っ直ぐな目で語った。

 

「とくに俺は五十嵐さんを見たとき思ったんです。俺もいつかあの人みたいに

暴力や理不尽に苦しんでる人々や........子供を救う大人になりたいって」

 

「うう........」

 

エンデヴァーは思わず息子から目を背けてしまう。あいつの真っ直ぐな

目を直視できなくなってしまったのだ。

息子がどうしてこんなにも頼もしくみえるのだろう?

今まで自分がみたことのない息子の姿に

怯えに近いものを感じていたのだ。

 

「だ、だが焦凍。お前はヒーローになりたいんじゃないのか?なぜあんな極道崩れな

やつらのところにわざわざお前が行く必要がある!?俺はお前がヒーローになれる

ようにあんなに鍛えたんだぞ!」

 

「今まで鍛えてくれたことに関しては感謝しています。けどごめんなさい。

僕はあなとの理想となるヒーローにはなる気はありません。

俺はあなたの夢を一緒にみることはできない。俺には進みたい道があります。

そのことをどうか理解してほしい。お父さん」

 

息子からの冷静かつ大胆な拒絶と拒否の言葉。今までなら反抗期だと

真に受けることはなかっただろう。しかし、今は焦凍の冷静な言葉と

真っ直ぐな眼差しがそれを許さない。エンデヴァーはついに言葉を返すことができなかった。

 

「俺は........俺は........」

 

そんな中母が初めて口を開いた。

 

「ねえ焦凍。その身だしなみの整え方とか座り方、そしてその礼儀作法も

その京極事務所の人達から教わったの?」

 

「うん。マナーとかは相良さんから、そして身だしなみとかは国生さんから

教わった。相手に誠意を示すため、そしてなにより舐められないようにするために

そういったことはとても大切なことだからって、厳しく教わった」

 

「そう。ねえあなた。焦凍は私たちの知らないところで色んなことを学んだみたい。

人として大事なことを........。私たち親はこの子に何か教えてあげられてたかしらね」

 

その言葉にエンデヴァーは唖然とした。ない。訓練以外なにもしていない。

自分は父親としてなにか焦凍に何かしてきたか?

エンデヴァーはその場から立ち上がり、部屋から出ていこうと襖に向かう。

 

「お父さん........」

 

「あなた!」

 

「...........今はお前に言うことはない。何故なら今の俺にはお前を説得できる言葉が

思いつかないからだ。お前の気持ちは十分わかった。

だが........俺はまだ認められん」

 

そう言ってエンデヴァーは部屋から出て行った。そして私服に着替え家から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ!クソ!何故だ........何故だ!焦凍........く!」

 

エンデヴァーは日の暮れる中エンデヴァーは公園のベンチでたそがれていた。

 

「お前が俺の夢を果たしてくれないなら........俺はどうすればいいんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれれ?おじさん大丈夫?元気ないよ?メロパンでもどうだ?これやるから元気出せよ」

 

「ん?なんだ貴様........放っておいてくれ」」

 

「そういうなって。ほら出来立て熱々だぞ」

 

「く!鬱陶しい!受け取るからあっちに行け!全くこんなものが何だというんだ!パク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?う、うまああああああああああああああああ!!!!!?????」

 

(ハ!?俺は妻と息子に今までなんてことをしてきたんだろう。

俺の都合を家族に押し付けて........ク!クソー!!)

 

エンデヴァーは大号泣した。

 

「おいおい。一体どんな後ろめたいことがあったんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、芦戸たちは大型ショッピングモールに訪れていた。彼らは

何人かに分かれてそれぞれの場所を訪れていた。

そんな中、芦戸、葉隠、耳郎の三人がファーストフードコーナで驚きな光景を目撃した。

 

「あれ................紅林君じゃない?」

 

「え!?どこどこ?」

 

「ほら。あそこ!」

 

三人は柱の陰に隠れながら葉隠の言った場所を見る。するとそこには

女児を膝に抱えながら椅子に座りテーブルを間にサングラスをかけた女性と

楽しそうにしゃべっている紅林の姿があった。

 

 

 

 

 

「ねえ二郎お兄さん!ヒカリのパパになってよ!そうすれば毎日

ヒカリとお話できるよ!」

 

「え!?いやいや................俺はまだ高校生だし......./////」

 

「あら!じゃあ二郎君は.......その卒業したら.......

ヒカリのパパになってくれるの?/////」

 

「え!?えっとその.......参ったな.......ハハハハハ/////」

 

 

 

 

 

「え!?あの女の人だれ!?そしてあの女の子は!?」

 

「ウチ今目を疑ってるんだけど.......まさか紅林の隠し子!?」

 

「これは.......学校で尋問するしかないね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、林間学校ついに開始。そして我妻、戒炎幹部を招集

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