俺の名前は我妻京也。
新たに統合され生まれ変わった巨大ヴィラン組織、戒炎を束ねる者だ。
俺は以前の神野区事件をきっかけにヴィラン連合の実質的な支配権を
あのオールフォーワンからもらうことが出来た。俺はすぐさま
ヴィラン連合に所属していた奴らを戒炎に吸収。そして脳無製造の第一人者
ドクターの協力も得られることとなり脳無の支配権も得ることが出来た。
だがこういう急な改革は当然下の何人かの人間の反感を買うこととなる。
この前4人の構成員が俺の部屋に来て組織から抜けたいと申し出てきた。
「あんたにはもうついて行けない!俺たちがついていきたいと思った
のは死柄木弔さんだ!自由な世界を目指す気がないなら俺は.......」
「君たちが自由?捨て駒が勘違いしないで欲しいんだけど?」
こういう勘違い野郎の末路は死よりも悲惨なものとなる。
その時俺は護衛に置いていた角中に目をやる。すると角中は
俺の意図を理解したのか槍を持って奴らに襲い掛かかる。
「貴様ら我妻様に不遜な態度を取ったことを後悔するがいい!!」
「「「「ぎゃーーー!!??」」」」
角中は一瞬のうちに奴らの体を殴りつけ足の骨を全員折って動けなくする。
そして俺は痛みにのたうち回る奴らに個性をかけて更に動けなくした。
そして一人地面に這いつくばって奴の頭を踏みつける。
「ぎゃ!?」
「君たち程度の奴らが自由を得たいなんて本当に身の程知らずだね。
非支配層の人間が勘違いしたら駄目じゃないか?君たちには脳無の実験体になってもらう」
「た、助けて.......」
こいつらは見せしめだ。俺に逆らえば悲惨な末路を迎えると馬鹿どもに教えてやる。
とある日俺はドクターの研究施設を麻生ともに訪れていた。
とある犯罪組織から奪取した特殊な弾丸を持って。
脳無たちが大量の培養カプセルのなかにそれぞれ入ってる異様な空間の中で
ドクターはその弾丸を興味深そうに解析していた。
「フム我妻君。こんなものどこで見つけたんじゃ?」
「うちのシマで違法な薬の運び屋をしていた奴らからだ。多分物流の
中間組織だからどこかしらに運ぶ予定だったんだろう」
「でドクター。そのミステリアスな弾丸はなんなの?」
「結果だけで言うと誰かの血肉が入っておる。もしかしたらこれは
誰かの個性の効果を直接誰かに打ち込む代物かもしれん」
その後俺たちは実験として低級の脳無にその弾丸を打ち込んでみることにした。
その結果.......その弾丸は個性因子を傷つけることがわかった。
「なるほどの.......見るにまだ完成品ではないようじゃが
いずれ個性を完全に消す物になるかもしれん.......」
俺たちはその後ドクターに礼を言い、転移系の脳無の力でアジトに戻してもらった。
アジトに戻った俺たちはすぐさまその弾丸の販売ルートを調べ上げる。
情報屋などを使い始め数日経ったころついに判明したのだ。
「我妻ちゃん。多分これだ。この弾丸を作ったであろう組織は.......
死穢八斎會だ」
死穢八斎會。あの指定ヴィラン団体か。時代の動きについて行けず
天羽、京極のようにヒーロー組織に変われなかった哀れなカセキ。
いいね。少し仕掛けてみるか。
「麻生。俺たち戒炎は死穢八斎會の下で物流やってるやつらを全員痛めつけて
うちの下に強制的につける。なるべく物流網を壊さずにやるぞ」
「りょ、了解.......けどそんなことしてどうすんの?」
「奴らへの謝罪の口実を作る」
その後俺は荼毘、トガちゃん、新しく組織に入ったまぐねに
その任務を任せた。そして問題なくその任務はこなされていった。
そして、とある一帯の地域の物流の掌握が済んだ後
俺は麻生と荼毘を連れて死穢八斎會の本部へと訪れてた。あらかじめアポは取っていたため
入口に使いが待っていた。そして俺たちは本部に存在する地下施設へと
招かれる。そこはまるで迷路のようだった。
「フン、こんなところで俺が火を放ったら全員窒息死するな」
「おいおい。そんな笑えないジョークはやめてよ」
そんな軽口をたたいてると俺たちはとある大きな部屋に辿り着く。
そこに通されるとそこにはまあまあ良さそうなソファーとテーブルが
ありその奥にこの死穢八斎會の若頭 オーバーホールこと治崎廻が座っていた。
「あんたらかうちのシマで好き勝手やったというやつらは」
「ああ、初めまして。ヴィラン組織戒炎のボス我妻京也です。
よろしくお願いいたします」
そして俺たちは会合を始めた。
「ではまず謝罪させてください。我々戒炎はあなた方の物流網の
一部を制圧させていただきました。その件に関しては本当に
申し訳ありません」
「でなんでそんなことをした?返答によっては生かしちゃ返さないぞ?」
奴は静かながらも怒気のある声で質問してきた。
(ふーん。中々の覇気だ。結構怒ってるな.......)
だが俺は表情を崩さずに話を続ける。
「実はあなた方の下部組織が俺たちのシマで薬をバラまこうとしてましてね。
それで俺たちは仕方なく粛清させていただきました」
「なに?そんな話は聞いたことないぞ?」
「多分その組織の独断でしょう。あと疑いのある組織も全部壊滅させて頂きました」
俺の言葉に奴はなにか少し難しそうな表情を見せる。
(フン。戒炎のシマで薬をバラまこうとしたなんて噓八百さ。けど
あんな表情をするとは.......恐らく下部組織の管理が完璧ってわけではないみたいだ)
「まあそれでも俺たちが勝手にあなたたちの下部組織を叩きのめしたのは事実。だからお詫びとして
戒炎の販売網をいくつか提供させて頂こうかと。いくらか売り上げをもらいますがね」
「ほう?でどれくらいの割合を?」
「売り上げの八割だ。月末でそろえて一括で払え」
その一言に当然周りの空気が重くなる。そして我慢できなくなったのか
治崎の手下が後ろから俺の頭に銃口を直接突きつけてきた。
「貴様いい加減にしろよ.......!?さっきからなんなんだその態度は!?
それにそんなふざけた条件飲めるわけ…」
奴が何かしゃべりきる前に俺は奴の腕を掴む。そしてお得意の古武術で
奴を空中に捻り上げた。
「うお!?」
「ちょっと静かにしようか?」
俺はそのまま奴を目の前のテーブルに叩きつける。テーブルは叩き割れ
周りのホコリが舞うと奴は痙攣しながらその場に倒れた。
「が.......!?が.......」
「貴様!?」
治崎が立ち上がり俺に怒りの表情を見せる。けど俺は冷静に話を続けた。
「言い間違えたよ。八割はあなた方で二割がうちだ。それだけなら
問題ないだろ?」
「舐めるな!!こんなこと.......」
「あ?先に手を出してきたのはそこのバカだろ?そっちこそ舐めてんのか?」
「.......っ!?」
「一応言っておくけど俺に手を出したら戒炎のメンバーが総動員で
お前らを潰しにいく。それに俺たちとのつながりをヒーローや警察に
知られたら困るのはあんただ。賢くうちと付き合っていくことを考えるのを
お勧めするよ。じゃあ販売網についてはまた後日連絡させてもらう。
あんたら食っていくにはうちの販売網は絶対に必要になるからな。じゃあな」
俺たちはそのまま部屋から出ていった。
帰りの車の中麻生が俺に話しかけてきた。
「我妻ちゃん。なんであんな組織そのままにするの?
あの弾丸欲しいなら奪えばいいじゃん」
「けどそれじゃあ完全な完成品が手に入らないだろ?あれは
恐らくあいつらの切り札だ。完成品はいずれ出来上がる。
その前に奴らの弱みでも一個握ろうとおもってね」
「なるほど奴らが今後うちの販売網を使えば完全に俺たちと
共犯者にできる。そうなればあいつらの首根っこを掴んだのも同然だ」
そう奴らは指定ヴィラン団体。国から監視されている状態だ。
そんなあいつらが俺らと繋がっていると知られればあいつらは完全にヴィラン認定されるだろう。
「だがアイツは俺に怒り心頭の様子だった。多分この関係は長続きしないね。
アイツらが弾を完成させたタイミングで.......ヒーローにタレコミでもしようかな?」
次回、インターに向けて。
紅林少し寂しくなる