紅鬼のヒーローアカデミア   作:0101シュート

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サーナイトアイ

俺の名前は紅林二郎。

 

「門前払いされたくなければ、サーと会って話し終わるまでに、必ずサーを笑わせるんだ」

 

「そ、そんなことを言われてもな·······」

 

事務所に入る前から結構なピンチに陥っている雄英高校ヒーロー科の1年だ。

 

 

俺は今ミリオ先輩の紹介でサーナイトアイの事務所に訪れている。

そう。俺は今からここにインターンを申し込みにいくんだ。

出久も一応ミリオ先輩が来ないか誘っていたがあいつは天羽事務所のインターンに向かった。

 

 

「それにしても笑わせないといけないって言うのはマジすか?」

 

「サーはああ見えてもユーモアを最も尊重しているんだ」

 

ん~。出久から聞いた情報では結構堅物そうなイメージなんだが··············。

あくまでもヒーローイメージなのかな?いやそんなことよりどうやって笑わせるかだ。

一体どうすれば············。そんなことを考えていると俺とミリオ先輩はついに

サーナイトアイのいる部屋の扉の前に立つ。そしてその扉を開いた。

 

「サー!昨日連絡した1年生達を連れてきました!」

 

そこにあったのはわかのわからない光景。サーナイトアイが青肌の女性を

謎のマシーンでくすぐっていたのだ。

 

(なんだこれ?)

 

その疑問で頭がいっぱいになっているとサーナイトアイの厳しそうな

目線が俺に向けられる。

 

(くそ!こんな人を笑わせるってか!?正直できる気がしない.......こうなったらヤケだ!!)

 

「失礼します!」

 

俺はとりあえず変顔をしてみることにした。そして白目をむいて両手の指を顔に近づけた。

 

「お、鬼瓦!」

 

「え··············?」

 

ミリオ先輩が俺の一発芸を見て唖然とした。あれもしかして滑ったのか?

そんな不安が俺の頭をよぎる。しかし··············。

 

「フ··············。ゴホン」

 

サーナイトアイは少しだけ一瞬だが微かに口角を上げてくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄英高校から来ました紅林二郎です。御社でインターンさせてもらいたく来させていただきました。

自分は御社の··············」

 

「そんな御託はいい。

要するに君は今よりも強くなるために私のもとでインターンがしたい

こんな所じゃないかな?」

 

「は、はい」

 

俺は前世の面接スキルを駆使しサーナイトアイにインターン生として

受け入れてもらえるように話を始めようとしたがサーナイトアイは

俺の気持ちを全て見透かしていたかのように俺の話を遮った。

 

「契約書はあるかな?」

 

「はい!こちらです!」

 

俺は鞄から契約書を取り出しナイトアイにそれを渡す。そして

彼はプリントに印鑑を··············押さなかった。

 

(え?外した?いや今の絶対わざとだろ。何のつもりだ?)

 

「あの、外しましたけどどういことっすか?まさか·········

ここまで来てお祈りメールっすか?」

 

俺は前世の就活のことを少し思い出した。

 

 

 

 

 

 

『ああ!くそ!!またかよ!?今回は結構自信があったのに!?』

 

フリーターをしながら色んな企業の面接を受け落とされる日々。

面接の対策もしっかりこなし身だしなみなども整えいつも気合を入れてる

臨んでいるのに企業はお構いなしに落としていく。そんな辛い日々を

俺は何年か過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

「ああ··············ああ··············」

 

俺は過去にトラウマを思い出してしまい魂が抜けたかのように

唖然としてしまった。しかしサーナイトアイはそんな俺にため息を

つきながら口を開いた。

 

 

「もし本気でうちでインターンをしたいのなら貴様がここで働いてうちにどんな

メリットがあるかを示してみろ」

 

「え?メリット?」

 

「社会に対し自分はどう貢献できるか、他者に対し自分がどう有益であるか。

認めてもらうためにはそれを示さねばならない。オールマイトはパワーとユーモアを用いて、

今も犯罪に脅える人々に希望を与えた。だから人々は彼を受け入れている」

 

そしてサーナイトアイは印鑑を片手に持ち俺にそれを見せつけてきた。

 

「貴様が我が社にどう利益となるか、言葉ではなく行動で示してみるといい。

3分。3分以内に1人で私から印鑑を奪ってみよ。

私のもとでヒーロー活動を行いたいなら、貴様が自分で判を押せ」

 

「なるほど力づくでってことですね?」

 

「そうだ。多少のユーモアを君は持っているようだがそれだけでは

全然足りない。この私に自分が相応の力を持っていることを示してみろ」

 

なるほどな。こういうことの方が俺としてもやりやすいぜ。

俺はブレザーとネクタイを脱ぎ捨て腕の袖を上までめくる。そして

自分の髪を真っ赤に染め上げた。

 

「小細工なし単純な力比べなら受けて立ちますよ」

 

「私からは一切手を出さない。私にどんな攻撃を仕掛けても構わん。

この室内がどうなってもいい、奪ってみよ」

 

「サーナイトアイか長寿の祝いか知りませんが全力で行かせていただきます!」

 

「フ······さっさとかかってきなさい」

 

「うおー!!」

 

俺は一気にスタートを切り彼に全力のフルスイングを当てに行く。

だが当然というべきか彼はそれを当たり前かのようにその拳を体の角度を変え避けた。

 

(だがこれだけじゃねぇ!)

 

「うおー!!」

 

俺は避けたナイトアイにそのままタックルを仕掛けに行く!今のフルスイングは囮だ!

だが···············。

 

「フン··········」

 

「な!?」

 

ナイトアイは真上にジャンプし俺の頭上を飛び越えて行く。そしてそのまま

俺の後ろに着地した。

 

(マジかよ!?俺のタックルを躱しやがった!?)

 

俺はその事実に驚愕を隠せなかったが動きを止めるわけにはいかない。

俺はすぐさま体を捻り後ろへ裏拳を振るう。俺の裏拳は空を切りながら

ナイトアイの顔面に向かって行く!しかし彼はそれも眉一つ動かさず

後ろに飛び避けやがったんだ。

 

「クソがー!!」

 

(なんで当たらないんだよ!?反応がいいとかのレベルじゃねぇぞ!?)

 

クソが!初めて伊集院さんと稽古したときのことを思い出すぜ。

だが現状はそれよりひどい。何故ならサーナイトアイは俺に一回も攻撃を入れてきてない。

攻撃さえあればカウンターを取ることもできるだろうがその可能性は一切ない。

あの人は攻撃を一切しないと宣言しているのだから。だが諦めるわけにはいかない!

俺は脇をしめってジャブなどを放っていく。

 

「シュ!シュ!」

 

「·························」

 

だがあの人は俺の拳を避けまくる。全然かすりもしない!

 

「まだだ!!うおー!!」

 

俺はついにその場にある巨大な机を持ち上げ振り回す。さっきのジャブよりも簡単に

躱されてしまった。そして虚しく3分が経ってしまう。

 

「時間切れだ」

 

「ク、クソ···············」

 

クソが···············マジで何もできなかった。

俺はあまりの悔しさにその場で拳を握り締めた。だが負けは負け。俺は

荷物をまとめ事務所を出る準備をする。そして最後にナイトアイに頭を下げた。

 

「自分のために貴重な時間をいただきありがとうございました。では俺はこれで·····」

 

「待て」

 

「ん?」

 

するとサーナイトアイは規約書に···············印鑑を押した。

 

「え?」

 

「まあいいだろうインターン生として受け入れてやる」

 

·························さっきまでの時間はなんだったんだろうか?まあいいや。

 

「お世話になります!!」

 

俺は再び頭を下げた。

 

 

 

 

 

その後俺はナイトアイに連れられて屋上へと来た。なにやら二人だけで話したいことがあるらしい。

実は俺はオールマイトから聞いている。この人もワンフォーオールの個性について

色々知っているということをそしてオールマイトと過去に仲違いしてしまったことを。

だから恐らく今から話すことは···············。

 

 

「緑谷出久と現在のワンフォーオールについて色々聞きたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死穢八斎會本部 地下のオーバーホールの部屋

 

「あなたらか戒炎からウチに派遣されたという奴らは」

 

「ああ。俺は羅威刃のトップ東雲竜政だ」

 

「そして俺は羅威刃のナンバー2こと秋元詩郎で~す」

 

死穢八斎會に羅威刃の二人組が加入することなった。

 

 

 

オーバーホールと話を済ませた後、二人は自分たちのために用意された

部屋に入る。そして監視カメラや盗聴器がないことを確認すると話を始めた。

 

「よしじゃあ今回の仕事を再確認するぞ秋元。俺たちの任務はこの

死穢八斎會に協力してなるべく組織としての形を延命させること。あと

奴らが戒炎を裏切るような行為を確認したらすぐに我妻の野郎に報告することだ」

 

「大丈夫だよ東雲ちゃん!まあ今回の仕事は気分転換のつもりで

のんびり行こうよ。最近羅威刃の構成員が中々増えないんだからさ」

 

「ああ。おそらく我妻のクソ野郎の脳無実験を兼ねた組織の大粛清が原因だろう。

あの粛清のせいで戒炎から抜けたり逆らおうって奴らが激減したんだろうな」

 

「ハア。この前の紅林と久我の件といい、この世界じゃああまりうまくいかないね。

···················城ケ崎さんが生きてたらこの状況をどうするんだろ?」

 

「····················あの人はもう存在しない。それに羅威刃はもう俺たちの物だ」

 

「まあね。高城さんも今は刑務所だし·················お互い辛いね。

この世界に·················自分の大事な人がいないなんて」

 

「だとしても俺のするべきことは何も変わらない。俺は全てのヴィランを

締め上げてこの裏社会のトップにのし上がる」

 

「フフ、じゃあ俺も頑張るよ東雲ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、紅林とサーナイトアイがワンフォーオールについて話す。

そして切島。天王寺事務所でインターン。

 




城ケ崎はこの世界でどうのようにしているのか?その話はまた今度。
あと個人的に紅林はユーモアがあるほうだと思っています。
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