俺の名前は紅林二郎。
「わー!紅林君だ!!」
「わー!本当に強そうだな」
「えっと·············アハハ、ありがとうございます」
「紅林君結構人気だよね!」
ミリオ先輩と一緒にパトロールをしているヒーローインターン生だ。
「ふう。少し緊張するな」
「パトロールぐらい職場体験でもやってるよね?」
「まあそうですけどやっぱり仮免取っているとプレッシャーは
職場体験の時とはまた違いますね」
「なるほど!その通りだよね。でも大丈夫!俺が色々教えてあげるから!
コスチュームを纏って街に出れば俺達はヒーローだ!油断はするなよ紅林君!」
「はい。わかりましたルミリオン!」
そして俺たちはパトロールを続けた。
俺たちはパトロールしながら街中を歩く。そしてとある路地裏の前を歩いた時
俺の足に何かがぶつかった。
「ん?」
「きゃ!?」
俺はすぐさま下を向く。するとそこにはしりもちをついて倒れている
白髪で角らしきものを一本生やした小さな少女がいた。俺は少し慌てて彼女に
目線を合わせ手を差し伸べる。
「ごめんな嬢ちゃん!怪我はしてないか············ん?」
(なんでこの子靴を履いていないんだ?そもそもなんで路地裏から············)
その疑問が俺の頭をよぎった瞬間、路地裏から男が現れた。
「ヒーローに迷惑をかけちゃダメだろ、エリ」
「「!?」」
その男を見た瞬間俺たちは目を疑った。ペストマスクを付け、白い手袋を付けている。
その男はなんと今サーナイトアイの事務所が監視している指定ヴィラン組織、死穢八斎會の若頭。治崎だったのだ。
まさかこんなふうに鉢合わせしてしまうなんて。
「ウチの娘がすみませんね…ヒーロー。遊び盛りで怪我が多いんですよ。困ったものです。」
(ど、どうすれば···········)
俺はこの状況に面を食らってしまっていた。しかしミリオ先輩が俺の肩をたたき
俺の耳にボソッと呟く。
『僕に任せて』
そしてミリオ先輩は笑顔で治崎に話かけた。
「こっちこそすみません、ぶつかっちゃって。その素敵なマスクは八斎會の方ですよね?ここらじゃ有名です。」
「ええ、マスクは気になさらず。汚れに敏感でして…お2人とも初めて見るヒーローだ。」
「そうです!新人なんでまだ緊張しちゃって!さ!立てよ相棒!まだ見ぬ未来に向かおうぜ!」
「どこの事務所所属なんです?」
「学生ですよ!所属だなんておこがましいほどのひよっこでして。職場体験で色々回らせてもらってるんです」
ミリオ先輩は何とか敵意がないことを示すように明るくそして友好的に言葉を返していた。
多分俺は余計なことを言わない方がいいと思い口を閉じながらミリオ先輩と同じく笑顔を見せた。
それにしてもこの女の子はこいつの娘なのか?そう思いながら俺は女の子を軽く観察した。
さっきも気になったがなんでこの子は靴を履いてないんだ?それになんだこの腕の包帯は?
「うう·········」
それにこの子。この男に怯えている?まさか虐待!?
「では我々、昼間までにこの区画を回らないといけないので········」
「そうですか。じゃあエリ。こっちに········」
「·········ッ!ちょっと待ってください!あなた一体この子に何をしたんですか!?」
俺は我慢ができず奴に向かってさけんでしまった。そして女の子があっちに
行かないように優しくこっちに寄せる。
「ちょ、ちょっと紅林君!」
「·········何をしたとは?」
「この子は明らかにあなたに恐怖感を抱いています!それになんで靴をはかせてないんですか!?
あとなんで腕にこんな包帯を巻いているんですか!?」
「················まず怯えているのは叱りつけた後だからです。あとよく転んで怪我するんですよ」
「そうなんですね!じゃあ紅林君もう行こう········」
「そんな言葉で納得できません!そもそもなんでこんな路地裏からこの子が
飛び出してくるんですか?ここは子供のいていい所ではないでしょ!」
「ふう、全くヒーローは色んな事に敏感ですね。分かりました。人目に着くし、こちらに来てもらえますか?」
そして奴と俺たちを路地裏へと入っていく。
「実は最近壊理について悩んでまして、何を言っても反抗ばかりで········
本当に難解ですよ、難解ですよ、子供は。自分が何者にでもなれると本気で思ってる········!」
「「!?」」
その時奴が手袋を外す。すると同時奴の体から殺気が!まさかここで········。
俺はすぐさま戦闘体勢を取ろうとした。しかしその時········
女の子は治崎の方へと走って行ってしまった。
「なんだ、もう駄々は済んだのか?」
「え?ちょ、ちょっと········」
「いつもこうなんです。すみません、悩みまで聞いてもらってご迷惑をおかけしました。では、お仕事頑張って」
「ま、待って········」
「紅林君。ここは退こう。奴は殺意を見せつけてあの子を釣り寄せた。
深追いすると余計に捕まえきれなくなる。」
「クソ········」
俺たちはあの子のために何もできなかったんだ。それにミリオ先輩にも迷惑をかけてしまった。
ここは東北の焼き肉屋。
この店で獅子王事務所の来栖 三成、犬亥 鳳太郎、犬亥の娘の梨香。そして
インターン生の麗日お茶子が食事を楽しんでいた。
「このお肉焼けたよ梨花ちゃん。はい」
「お茶子お姉ちゃんありがとう!パク。ん~!美味しい!」
「本当?じゃあ私も。パク。ん~!美味しい!」
「ハハハ。本当にうまそうに食べるな二人とも」
そういって優しく笑う犬亥。その姿は完全に普通の父親そのものだった。
「それにしても麗日がインターン先にウチを選んでくれるなんてね。
結構驚きだったよ」
そういってビールを飲む来栖。すると麗日は少し真剣表情を見せた。
「はい········実はここでまたあなた達の生き方を勉強させて欲しくて。
もっと私身も心ももっと強くなりたいんです。だからあなた達の任侠をもっと
学ばせてください」
「ハハハ嬉しいこといってくれるね」
そんな風にしゃべっていると麗日のケータイがなった。
「あ。すいません。ちょっと外で話してもいいですか?」
「ん。構わないよ」
そういって麗日外へと出て行った。そしてしばらくして
麗日店の中へと戻っていった。そして戻ってきた彼女に梨花が質問した。
「お姉ちゃん誰と電話していたの?もしかして彼氏!?」
「!?」
「え!?えっと··············うん////そうだよ」
「へー!お姉ちゃんの彼氏ってどんな人!?どうして付き合ったの!?」
「え、えっとね·······」
「麗日彼氏いたんだ。それにしても梨花ちゃんもそういことに興味持ってるんすね。
そういうお年頃なんすかね犬亥の兄貴··············兄貴?」
来栖が犬亥の方を向く。犬亥は何故か涙を流しながらビールを飲んでいた。
「クソ··············梨花にもいつか男が··············嫌だ!!考えたくない!!
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「··············娘のことになるとめんどくさいなこの人」
次回、極道組織集結。
やっぱり感情を抑えきれない紅林。だから好き