紅鬼のヒーローアカデミア   作:0101シュート

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東雲と乱波

俺の名前は紅林二郎。

 

「紅林無事か!?」

 

「俺は平気です相澤先生」

 

死穢八斎會の地下施設で奮闘しているインターン生だ。

 

 

 

死穢八斎會本部長 入中の薬でブーストされた個性により

俺たちヒーローチームは分断されてしまったんだ。俺とは相澤先生との

合流に成功。だがまだ他のメンバーの安否は確認できない。

 

「みんなは大丈夫でしょうか?」

 

「わからん。とにかく今は···········ん!?」

 

「ん?あ、あれは···········!」

 

その時俺たちのいるエリアの天井が突然崩れ始める。

そしてその崩れた天井から数体の脳無が落ちてきたんだ。

 

「クソ!まだこんなにいるのか!?」

 

相澤先生は軽くうろたえながら背中のナイフを抜いた。

クソが··········ここまで邪魔されるとはな。流石に俺も頭が狂ってしまいそうだ。

だが俺の頭は逆に怒りで冷静になっていた。

 

「おい···········テメーらどこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだ?」

 

俺は懐からとある棒状の機械を取り出す。そして空中にひょいっとそれを投げた。

そしてその機会は空中で変形を始める。

 

「紅林それは?」

 

「サポート科の人につくってもらいました」

 

そして空中で変化したそれを俺はそのまま手に取る。どこでも携帯できる俺の

専用武器!超合金バットだ!

 

「テメーら全員ホームランにしてやらぁーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その頃切島は死穢八斎會、鉄砲玉八斎衆の一人である乱波肩動に勝利を収めていた。

 

「クソ·········勝ったけどもう指一本うごかせねぇ·········」

 

しかしその代償はあまりにも大きく切島は今すぐ応急処置しないと

危険状態まで陥っていた。そのことを渋谷は東雲との戦闘の中でも

理解していた。

 

(切島ようやったわ!だが今すぐ治療してやらんと·········。

こっちの戦闘をはやく終わらせなアカン!)

 

渋谷が更ならる殺気を東雲にぶつける。だがなんと東雲が突然斧を構えるのをやめた。

 

「ここらが潮時だな」

 

「あ!?お前何の·········」

 

「見逃してやる。そこの扉を出た先に地上への階段がある。さっさと行きな」

 

「は!?何を言って·········」

 

「早く行けよ。じゃないとそいつ死ぬぞ」

 

「ク!」

 

(確かに事前に見た地図にあの扉のことは載っとった。恐らく

嘘はついてへん。切島のためや!ここは退く!!)

 

「うおー!!切島逃げるぞー!!」

 

渋谷はすぐさま切島を担いで扉を開く去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「東雲貴様何のつもりだ!?何故奴らを·········」

 

「どけ·······お前に用はない」

 

東雲は天蓋の抗議に取り合わずそのまま倒れた乱波の所へと歩いていく。

そして倒れた乱波を冷徹な目で見下ろし口を開いた。

 

「また負けちまったな。これでもお前はまだそのまま愚かな戦闘狂のままでいる気か?」

 

「··············」

 

東雲と乱波。この二人はとある交流を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっかけは東雲と秋元が死穢八斎會へ派遣された初めて日。

乱波は陽気な感じで二人にこう言い放ったんだ。

 

「なあ!俺と喧嘩しよう!!」

 

「「はあ?」」

 

乱波は誰でも彼でも初対面の人間に喧嘩売る。これは喧嘩狂いの彼にとっては

挨拶の様なものだった。だがこんなこと言われてこの二人が怒らないはずがない。

秋元は笑顔ながらも怒りのオーラを纏いながら奴に言葉を返す。

 

「あれれ~?それって俺らのことを舐めてるってことでいいのかな~?」

 

「御託はいい!喧嘩しよう!!」

 

「へ~。じゃあぶっ殺してや··············」

 

秋元がナイフを抜こうとしたが東雲がそれを止める。

 

「よせ秋元。喧嘩か··············いいだろう俺が相手してやる」

 

「え~。東雲ちゃんばっかずるい~」

 

 

 

 

 

 

その後死穢八斎會の敷地内の庭で二人の武器なしの喧嘩が始まった。

 

「おらー!!それがどうしたー!!!!」

 

「いいな!いいなお前!!」

 

その勝負は最初、乱波の優勢だった。奴の強肩から放たれる拳の連撃は

東雲も防戦一方になっていた。前腕で体をガードするも所々体が削れ出血していく。

だが奴の心はそれでも全く折れることはなかった。

 

「こんなもの俺に効くかーーーー!!!!!」

 

「な!?」

 

その時東雲が見せたのは鬼の如き形相と周りの空気を揺るがすような咆哮。

その圧に驚愕してしまった乱波の隙をついて東雲は奴の体を掴みに行く。

そして一瞬のうちに乱波の体を持ち上げた!

 

「ぬおおおおーーーー!!脳ミソぶちまけとけー!!」

 

「が!?」

 

そして東雲が放ったのは高角度のパワーボム。奴の後頭部は地面に叩きつけられ

脳が激しく揺れ、奴の視界が強烈に揺らぐ。

 

「ガ···········ガ············」

 

乱波は体をうまく動かすことができない。だが東雲は容赦なくトドメと

言わんばかりに奴の顔面を踏みつけた。

 

「おら!!」

 

「ぐべ!?」

 

これは完全に奴の意識を刈り取った。

 

 

 

 

 

 

 

乱波が目覚めたのは日付が変わった深夜。奴はそのまま庭で横になっていた。

 

「ああ···········ここは」

 

乱波は何とか体を起こし周りを見渡す。そして横には東雲が座っていた。

 

「目覚めたか···········おはようさん」

 

「ああ···········俺負けたのか?」

 

「当たり前だ。お前のようなチンピラ如きに俺が負けるわけないだろ。

最初はテメーは高城の野郎と少し似てると思っていたがどうやら全く違うようだな」

 

「ああ?何言って···········」

 

「テメーの拳には信念がねぇ。お前は何も背負ってないんだよ。

組織の誇りも誰かへの憧れも。

このままじゃあお前は絶対に強くなれない」

 

「誇り···········憧れ···········?」

 

普段の乱波だったら絶対にこういった説教じみた話なんて聞かなかっただろう。

だが奴は自分の人生で数少ない敗北を与えて人物に対して

奴は耳を傾けようとしていた。

組織に対する誇り、誰かへの憧れ、そんなこと奴はちっとも考えたことがなかった。

けどそれよりも奴の心に残った言葉。それはこのままじゃ強くなれないという言葉だった。

 

「オーバーホールとの関係は知らんがな、忠誠すら誓えないならこんな組織やめちまえ。

じゃなきゃお前はただの井の中の蛙だ」

 

そういって東雲は去っていく。井の中の蛙、その言葉が奴の頭を何回も

よぎり続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乱波は東雲に続き、切島という格下のはずの相手に敗北した。この事実に

乱波が冷静に頭を動かす。

 

(なんで、なんで俺はあんなガキに負けた。オバホや東雲に負けるなら

まだわかる。だがなんであんなガキ一人に··········)

 

「そういえばあの赤髪のガキ腰にドスを装備していたな。だが

あいつは何度もドスを刺すチャンスがあったのに拳のみで戦い続けていた」

 

「は?なんだと··········?」

 

東雲の言葉に乱波は驚きを隠せない。あいつはあの喧嘩で死にかけてたというのに

切島は一切武器を使用しなかった。どういことかと頭の中を回す。

 

「アイツは最後までお前の喧嘩に付き合ってやってたんだな」

 

そしてその言葉を聞いた奴は感じた。オーバーホールと東雲に与えられた敗北

とはまた違った完全なる敗北感を。そして敬意と憧れを。

 

(またあいつとやりたいな··········次は勝ちたいな··········)

 

「なあ東雲さんよ」

 

「なんだ?」

 

「その··········組織への誇りとやらがあれば俺もっと強くなれんのか?」

 

「知らねぇよ。ただこんな所にいたってお前はただ腐るだけだ。

もっと強くなりたいと思ってるなら··········

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乱波肩動、お前は羅威刃に入れ!!」

 

東雲はなんと奴を組織に勧誘したのだ!

 

「··········はー。わかったいいだろ。お前の下で誇りってやつを学ぶわ」

 

その言葉を聞いた東雲は口角を上げ乱波に手を差し伸べる。乱波も

フッと笑い東雲の手を取りなんとか立ち上がる。

 

「乱波ー!!貴様何を言っている!?オーバーホール様を裏切る気か!?」

 

乱波の決断に天蓋が抗議する。だが二人はそんな奴を無視して

部屋から出て行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戒炎本部

 

「へ~。状況は結構切迫してるようだね。じゃあ俺も少し

ちょっかいをかけに行こうかな?」

 

そう言った瞬間我妻の体の周りに黒いヘドロが発生する。

そして我妻はそれに飲み込まれ姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、ミリオがオーバーホールに辿り着く。しかしその場に我妻が··········。

 

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