俺の名前は紅林二郎。雄英高校ヒーロー科の一年だ。
俺たちのインターンが終わり10月になるころ雄英文化祭が開催された。
A組は耳郎を中心にライブを披露し文化祭を大いに盛り上げた。
なにかとトラブルがあったものの文化祭は無事成功。これからも楽しい学校生活が
続く。多くの者たちがそう期待していた。けど俺らの日常は大きく変わっていく。
そのきっかけはとある授業の時間に起こった。USJでの何気ない実践の訓練の時の
ことだった。
「はーい!休憩の時間です。しっかり休んでくださいね」
13号の言葉に生徒たちは一息入れながらリラックスする。
そんな中、飯田が出久に声をかける。
「緑谷君!さっき一瞬だが君が右手を抑えているのを見たんだが大丈夫なのか?」
「あ、うん。さっきちょっと腕に力入れ過ぎて。今はなんともないよ」
「そうか!もし危ないと感じたらテーピングなどで保護するようにな!」
出久と話した後、飯田は続いて砂藤に声をかける。
「砂藤君!先ほど砂糖をいつもより飲んでいるのを見たが体は大丈夫かい?」
「おう!特訓したおかげもうこれくらいなら全然大丈夫だぜ!」
「そうか!でも無理はしないようにな」
飯田はその後自分が気になった奴らに声をかける。体を心配したりとか
気になったところを話したりなど色々だ。
「飯田さんすごく細かいところまで見てますわね」
「うん!なんかお母さんみたい。どうしてそんなに私たちのそこまでわかるの?」
葉隠の疑問に飯田は微笑み眼鏡をくいっと上げながら答えた。
「うむ!僕は常に君たちのことを疑っているからね!」
「う、疑う!?」
飯田のかなり攻めた発言にクラスのメンバーの視線が集まる。
その視線に気が付いた飯田は慌てて発言を訂正する。
「いや··············!違うぞ!決して君たちを信頼してないわけじゃない!
だが僕はクラスのリーダーとして君たちを守るためにちゃんと目を光らせているんだ」
飯田の慌てように俺は少し笑みをこぼしてしまう。そして俺は飯田をフォローすることにした。
「大丈夫だよ飯田。みんな分かったいるさ。ありがとうな俺たちのことをよく見てくれて」
「紅林君··········」
この時俺たちは気が付かなかった。飯田の疑うという言葉に恐怖を感じていた
者がいるといたということを。
授業が終わった後、飯田はとある人物に話かける。
「青山君。ちょっといいかな?」
「な、なにかな?飯田君」
二人は話をするために一旦誰もいない空き教室に移動する。
空き教室には誰もいない状況。まさに二人きりの状況だ。
(な、なんでこんなところに呼び出され··········ま、まさか!?)
青山は気が気でなかった。まさか自分の秘密が暴かれたのかと不安になり鼓動が
異常に早まる。必死に冷静さを保とうとするが中々いつも通りの笑顔を出せない。
そんな中飯田が口を開いた。
「青山君··········君は何か悩み事があるのかい?」
「····················へ?」
「いや。君が最近授業中とかに上の空だった時が多いと感じていてな。何か
思い詰めていることがあるんじゃないかと思ったのだが·····僕でよければ相談に乗らせてくれないか?」
「ああ··········えっと··········」
「ああ!もちろん無理に話す必要はないぞ」
「··········だ、大丈夫だよ。そん大した悩みじゃないから」
「うむ··········」
(明らかに何か悩んでいる。だが無理に聞き出すわけにもいかないか)
飯田は少し悩んだ後青山に微笑みかけた。
「そうか!でももし誰かに相談したいと思ったら遠慮せず僕に相談してくれ。
ああでも僕じゃなくてもいい。先生方にも相談してみるといいぞ。
例えば野田先生は怖いかもしれないがあの人はきっと真摯に相談に乗ってくれる」
「うん··········ありがとう飯田君」
こうして青山の不安は杞憂に終わる。だが青山は苦しそうなままだった。
(飯田君··········ごめん··········ごめんよ··········)
その日の夜。青山は寮の自室でベットの毛布にくるまって頭をおさせていた。
彼の頭にひたすら飯田の言葉が鳴り響いていた。
『僕は君たち常に疑っているからね!』
(ああ··········!どうしよう!飯田君はまだ気が付いてないだけで
いつか··········。もし気づかれて先生たちにでも報告したら····················!)
「うう····················!」
青山の瞳からポロポロと涙がこぼれ始める。
「もう··········嫌だ··········嫌だよ··········」
(怖い··········もしこのことがばれたら··········飯田君やクラスのみんなが僕のことを軽蔑する。
なによりパパンとママンが)
オールマイトがオールフォーワンを倒した次の日のよる。
青山の自宅に我妻が現れた。
『青山。お前の罪と責務はなくならない。今後は戒炎のためにスパイを
続行させてもらう。裏切ったらお前だけじゃなくお前の家族。関係者が
地獄に落ちることとなる。くれぐれも自分の立場を忘れるな』
「ああ··········!もう駄目だ··········!耐えられない!」
青山はすぐさまスマホを取り出し、番号を打ち込む。そして
とある人物に電話をかけた。
「もしもし··········我妻さん··········?」
次の日の夜。飯田は自室で自主学習を行っていた。勉強がひと段落付き
彼は気分転換のために外の空気を吸おうとベランダに出た。
「ふう··········。だいぶ寒くなって来たな··········ん?」
飯田が適当に下をなどを見ているととある光景が入って来た。
下の部屋のベランダから誰かが飛び降りたのだ。
「な、なんだ?」
飯田は目を凝らしその人物を確認する。飯田はすぐにそれが誰かわかった。
自分が最近気にしていた青山だったのだ。
「彼は······一体何を······敷地内から出ようとしてるのか!?」
飯田の読み通り青山は敷地の外の方へと向かって走っている。
飯田はどうしようかと少し悩んだが彼はすぐにベランダから飛び降りる。
(見失ってしまう!悩んでいる場合じゃない)
ルールを破ることになるのは飯田はちゃんと把握していた。しかし彼は
それを承知の上で行動する。青山が一体何に悩んでいるのか?それを
知るために。
その後青山は雄英の敷地内を出ていき近くの駅のある街へと向かう。
飯田はきずかれないように彼の後を追っていく。そして青山は
とある路地裏に入っていく。飯田は慎重にその路地裏を覗いた。
(彼は一体何故こんな所に··········。む!?あ、あれは!?)
飯田は自分の目を疑った。路地裏にあったその光景はとんでもないものだったのだ!
「あら?来たみたいよ角中さん」
「約束通りに来たか。青山優雅。我妻さんの慈悲に感謝するがいい」
「···················はい」
なんと青山が戒炎幹部、角中正樹と赤髪の女ヴィランと密会していたのだ。
次回、飯田が青山を救うために立ち向かう。
「青山君!君を助ける!」
青山が出した答えとは?