雄英高校。月明かりに照らされる深夜二時。この時間は
生徒は愚か、教師や用務員すらいないこの時間帯。だがこの夜不思議な出来事が起こった。
「さてと。今夜も異常なしかな?」
誰もいない校舎の廊下で警備員がライトを照らしながらだるそうに呟く。だがその時
何かが落ちる音が廊下に響いた。
「ん?なんだ?」
警備員は音のした後ろの方を向く。しかしそこには何もなかった。
「?気のせいか........」
警備員はそのままそこから離れていった。しかしこの人は気づいてなかった。
自分の頭上を素早く通り過ぎる黒い影があったことを。
午後1時
雄英高校 大食堂
「人使くん.........大丈夫かい?」
「ああ.........流石に三日寝ないのはきついな」
やあみんな心操人使だ。俺と出久は今大食堂で昼食を取っている。
実は今俺はすごく寝不足なのだ。最近都市でドーパントの事件が
連続して起こってな.........俺と出久はそのドーパントたちを退治するために
夜中に三日連続でダブルに変身した。その結果俺たち.........いや俺は
三日間ちゃんとした睡眠を取れていない。出久は現場にいたわけじゃないから
戦闘が終わると家や開発部屋でグーグー寝やがる。畜生!不平等だ!
とりあえず眠気を覚まそうとコーヒーを飲む。その瞬間
バン!!
「プーーーーーー!!」
耳郎がプンプンしながら料理を乗せたお盆をおもいっきり
俺らの席のテーブルに叩きつけたんだ!
俺は驚いてコーヒーを吐いちまった。
「お、おい!なんだよ耳郎!」
「心操!いい加減に教えてよ!!あのダブルって姿は何!?
あとあのドーパントっていうあの怪物はなんなの!?」
わ~。めっちゃ機嫌悪そう。
「.........どうする人使君?」
「ああ。なあ耳郎。誰にも言わないって約束できるか?」
俺が聞くと耳郎は静かに頷く。とりあえず俺は一枚の写真を
取り出しテーブルに置いた。
「何これ?」
「こいつはガイアメモリ。簡単に言うと
それを体に刺したらあの怪物、ドーパントになる。
これは使用した人間にとてつもない力を与えるが副作用の影響で
エゴが暴走して悪事を働くようになるんだ」
「へー。ん?これどこかで.........ああ!
たしか心操があの姿になるときに使ってた!」
「そう。俺たちはメモリを二本使って変身している」
「え?心操はメモリを使って大丈夫なの?」
「そこは心配無用だ。俺は変身するときこのダブルドライバーを使っている。
この機械はガイアメモリの毒素を取り除いてメモリの力を引き出すことが
出来るんだ」
「なるほど.........じゃあどうして変身する時.........えっと」
「緑谷出久です」
「そう。緑谷はなんで倒れちゃったの?」
「人使くんが変身する時僕の意識は彼の体に宿るからね」
「え!?そうなの!?だから声が二つしたのかダブルってすごいね!」
「そうだろう?ほかにも.........」
「みーどーりーやーさーん!!」
その時。発明が俺たちの所に息を切らしながら現れた。
「な、なんだ?」
「緑谷さん!助けてください!!うわーーん!!」
「ど、どうしたの!?発明さん」
「私の.........私の可愛いベイビーが盗まれたんです!!」
オープニングテーマ Over again
放課後 空き教室
俺と出久は空き教室で依頼者から話を聞いていた。
今回の依頼者の名前は発目 明。
みんなご存じ、ちょっと変わったサポート科の1年だ。
今回の事件の内容はこんな感じだ。
昨日開発途中だったとある発明品の開発を進めようと今日の昼休みに
開発室に入るとその発明品がなくなってしまっていたそうだ。
そして泣きながら俺らに捜索の依頼を出したらしい。
「質問いいか?その盗まれた開発途中の発明品ってのはなんだ?」
「はい。ワイヤーアローとオーバーソールの一式の装備が入ったボックスです
あれは体育祭までに完成させないといけないのに!このままじゃ!!
うわ~~~~~~~~~~ん!!!!!」
「お、おい!落ち着け!!」
その後俺たちは発目に案内されてその発明品が置かれていた
開発部屋に向かう。
その部屋は広く、他の人達の発明品も結構置かれていた。
もしかしたらこれらに紛れてるかもと一応三人でもう一度探してみたが
見つからなかった。
「おいおいまさかマジで盗まれたのか?」
「その可能性も捨てきれないね。とりあえず
パワーローダー先生に話を聞いてみようよ。基本的にあの部屋の
鍵持ってるのあの人だし、何か知ってるかもしれない」
俺と出久はその足で職員室にいるパワーローダー先生の所に向かいそのことを話す。
すると先生は頭を抱えながら意外な事実を話した。
「そうか........実は三日前からも発明品が紛失したという相談が2件ほど俺の所に来てな。
そいつも例の開発部屋に置いておいたら次の日なくなってしまっていたらしい」
「なんだって?どういうことだ」
「人使くん。あの開発部屋なんか匂うね」
「ああ。ならすることは決まりだ!!」
午後9時 心操と緑谷の自宅
俺と出久は自室でパソコンの画面と睨みあっていた。
「今あの研究室に待機させているバッドショットが撮影している
動画はリアルタイムでこのパソコンに映し出される。もし
今回も紛失事件が起こるなら画面になにかしら映るかもしれない
………人使君?聞いてるかい?」
「あ、ああ!大丈夫だ!ここからは忍耐の勝負だ」
滅茶苦茶眠くて仕方がないけど。
「人使君別に無理しなくてもいい。徹夜四日目は流石にきついよ」
「いやいや!事件を前にして探偵がのんびり寝てられるかっての」
「いやいや........無理しないでね」
二時間後
「( ˘ω˘ )スヤァ…」
「フフフ。全くしょうがないな」
出久は椅子で寝落ちしてしまった俺に優しく毛布を掛けた。
それと同時に扉からノックの音が聞こえた。
『二人とも。ちょっといいかな?』
「うん。構わないよ」
出久がそういうと細身の姿のオールマイトが
何個かのおにぎりとお茶を乗せたお盆を持って入ってきた。
「二人ともお疲れ様。夜食でもいかがかな?」
「ありがとう俊則!あーでも彼は........」
「フフフなるほど。寝落ちしてしまったか........」
とりあえず出久は一人で夜食を食べることにした。
おにぎりを食べお茶をゴクゴクと飲む。
「口に合ったな?」
「うん悪くないよ。けど少したらこを入れ過ぎかな?」
「ハハハ。次からは気を付けるよ」
「そういえば俊則……ん?」
「どうかしたのかい?」
「バットショットからの緊急信号だ!
なんか映ったらしい」
出久はコップを置いて画面に目をやる。すると
画面驚くべき光景が写っていた!
「なんだこれ?箱が浮いている?」
なんと誰かの発目品が入った箱の一つがが宙に浮き始めたのだ。
そして宙に浮いた箱はそのまま窓の方へと向かう。
「窓の前で止まった?一体何を」
その時なんと窓ガラスが突然勝手に開く!
そのまま箱は外へと出て行ってしまった!。
「バットショット!追うんだ!!」
バットショットは翼を広げ箱を追おうと飛ぶ。
しかし窓から出ようとした瞬間窓が閉められ
ガラスに激しく激突してしまった。
その影響でバッドショットは部屋の中に閉じ込められたしまう。
「い、今のは一体?なんの個性だ?」
「いや違うよ俊則。多分だけどこれはガイアメモリを使った犯行だ」
次の日 放課後 雄英高校地下一階
ここは俺たちのリボルギャリーが収納されてる地下のガレージである。
そして言わば俺らの探偵事務所とも言えるだろう。俺と出久はここで事件に
ついての捜査を始めようとしていた。
「さあ、検索を始めよう」
出久の意識が体の外へと出ていく。そしてこの星の記憶が内包されている
異空間。星の本棚へと出久の意識は入っていく。
出久が目を開けるとそこは大量の本棚が存在する白い世界だった。
『キーワードは透明』
【透明】
その言葉に本棚はどんどん消えていき、いくつかの本棚があたりに残る。
『ライト、カメレオン、ミラージュ、インビジブル........駄目だ
これだけじゃあ候補が多すぎる』
そう呟きながら出久は現実世界に戻りパッチリと目を開けながら
そのことを俺に伝えてきた。
「そうか........透明化恐らく確実なんだがな........。
よし!ここは俺の出番だな!早速サポート科人達に聞きこみしてくる」
そう言って俺は地下室から飛び出しっていった。
俺はとりあえず盗難の被害にあった生徒たちに
事情を聴いて回る。まず5日前盗まれたサポートメカの作成者である
平井良子さんだ。
「昨日盗まれたサポートアイテムについて聞きたいんですが
何を盗まれたか教えていただけませんか?」
「は、はい。盗まれたのはワイヤーを放つことのできるグローブの入った箱です。
あんまり大したものじゃなけど........一生懸命作ったのに........」
「安心してください良子さん!俺が必ず取り返して見せます!」
次に俺が訪ねたのは発目のアイテムが盗まれた2日前にサポートアイテムを
盗まれた喜界川真里菜さんだ。
「あああれ?別に気にしてないないよ。あれは私の中であまり自信のない発明品だからね。
まあそれより私は他の被害者が不憫だよね。私と違ってみんな一生懸命作ってたのに」
「そうですか。ちなみに........」
「あらあら喜界川さん!そんなこと言っちゃて本当は焦ってるんじゃないんですか?」
「は?」
俺たちの会話に突然知らない女性生徒が入ってくる。彼女の名前は佐川麻衣。
彼女と同じくサポート科の生徒だ。佐川さん嫌味を含めた笑顔で彼女に声をかける。
「あなたはあの大企業の社長の娘なんだからそれはそれは
素晴らしい発明品を作ったんでしょ?あれ?いや逆か!本当にしょぼいもの作っちゃって
けど盗まれたからこれで堂々とお父さんに言い訳が........」
「ふざけんじゃないわよ!このアマ!!」
喜界川さんが怒り狂いながら佐川さんに向かって行こうとする。
まずい!二人とも喧嘩になっちまう!俺は急いで間に入った!
「ちょっと二人とも落ち着いてください!!」
「どいてよ!あなたお父様に気に入られてるからって調子に乗らないで!!」
「あらあら嫉妬かしら?」
その後この騒ぎを聞きつけた数人の教師たちにより二人の喧嘩は収まった。全く、なんで
あの二人はなんであんな仲が悪そうなんだ?とりあえず俺は他のクラスの人達に話を聞くことにした。
「あの二人ね。普段から実あんな感じなのよ。喜界川さんは大手サポートアイテム会社の社長の娘でね。
けど社長さんは娘である彼女よりも佐川さんの方を贔屓にしていてね.......。やっぱり
彼女の方が才能があるからかしらね.......」
なるほど詳しいことはよくわからないが何やら訳ありみたいだ。現時点では
この情報は役に立つかはわからないな。
そして昨日アイテムを盗まれた馬場義夫さん。
「困ったな~。このままじゃあ内申に響いちゃうよ」
「そうですか.......任せてください俺がなんと取り返して見せますんで!」
その後俺はため息を付きながら廊下を歩く。そして今回得られた情報をメモ帳から確認した。
今回盗難の被害に遭ったのは3名。
真面目そうで気弱そうな、平井良子さん。
王手サポートメカ会社の御令嬢、喜界川真里菜さん
特になんも特徴のない馬場さん。
そして.......メカ狂いの発目。
「ハア.......あんまりいい情報はなかったな」
「それが今回の事件の被害者だね。何か共通点あるのかな?」
「共通点は今の所ないな.......って耳郎!?」
その時は俺は横の方に耳郎がいたことに驚いてしまう。こいついつからいやがった!?
「お前いつの間に?」
「いつの間にって.......あんたが聞き込みしてた時からいたけど」
そう少し呆れた表情で耳郎は言う。
なんだって?まじかよ俺ずっと気が付かなかったのか。
「で何の用だよ?」
「いやー。あんたの探偵業ってやつ?それに実はウチ興味が湧いててさ。
邪魔はしないからさ、ウチもこの事件協力させてよ」
「ノーサンキューだ。素人の協力を得る気は.......」
「.......ダブルのことみんなに話しちゃおうかな?」
「は、ハアーー!?何を言ってやがるんだテメー!?」
「冗談!けどいいじゃん!!ウチにも少し協力させてよ!
じゃないと.......少し血迷っちゃうかも?」
耳郎は小悪魔的な笑顔を俺に見せてくる。こいつ多分協力させなきゃ
ばらす気だ.......仕方ない。
「ク.......好きにしやがれ.......」
深夜 雄英高校
俺と耳郎は深夜、雄英高校の開発部屋の隅にある大きな開発物の陰に隠れていた。
そう。今回の事件の実行犯を捕まえるために。部屋の中には
あのバットショット待機させている。出久がそれで監視を続けているのだ。
「ふぁ~」
その時、耳郎が眠いのか口を抑えながらあくびをした。
「おい耳郎。眠いならさっさと帰れ。それに今夜犯人が来るかなんて
分からないんだぞ?」
俺の言葉を聞いた耳郎目をパッと見開き自分の目をこする。
「べ、別に眠くないもん!」
「おい。大声だすんじゃ.......」
ドン!
「「ん?」」
その時何かが地面に落ちたかのような物音が部屋に響き渡った。
俺たちは息を殺してその音の聞こえた方に目をやる。しかし
そこには機械類が散らばっているだけで何もなかった。
「まさか.......奴がもう入って来たのか?」
「入って来たって.......でも扉は開いてないよ!?」
そう耳郎の言う通り扉は開いていない。例え透明人間でも
俺たちに気づかれずここに入ってくるなんて不可能だぞ。
そんなこと考えながら俺は部屋全体を見まわす。
すると突然一つのサポートマシンが宙を舞う!俺はすぐさまダブルドライバー
を腰に当てた。
「出久!」
『JOKER』
『CYCLONE』
「「変身!!」」
俺たちはすぐさまダブルに変身してそのマシンを掴みにかかる。
「おら!返しやがれ!!」
俺たちはそのマシンを引っ張ると意外なことにすぐにそのマシンを
すぐに取り返すことが出来た。よし後はこいつを捕まえるだけ。
「おい耳郎!これ持っていてくれ!」
「え!?ちょ、わ!?」
俺はそのマシンを彼女に投げ渡し見えないドーパントに向かって行く。
しかしやはりというべきか奴がどこにいるのかすぐわからなくなってしまった。
「出久!デンデンセンサーを使おう!」
「駄目だ!あれは今壊れていて使えない!」
「ハア!?なんで!?」
「いや、君がこの前壊したんじゃないか!?」
「あ.......」
そ、そうだった~!!てかいや俺じゃない!壊した張本人は耳郎だ!
俺はマスク越しに耳郎を少し睨みつける。すると彼女は少し申し訳なさそうに
手を合わせてきた。そんなことしてたら.......。
「人使君。多分奴はもう去ったんじゃないかな?ほら扉が開いてる」
「なに!?クソ!!逃げられたーーーーー!!!!!!!!」
深夜 とある公園
この公園で佐川さんと喜界川さんが話をしていた。
「でなによ喜界川さん?私に話って?」
「佐川さん。担当直入に聞くわ。良子のサポートアイテムを
盗んだのあなたでしょ?」
「ハア?何を言ってるの?まさかあなたこの一連の盗難事件の
犯人が私だって言いたいの?一体なんの証拠があって.......」
「一連の盗難事件のことは今は関係ない。私が聞いてるのは
貴方が良子のサポートアイテムを盗んだかどうかってこと」
「.......」
「でどうなの?あなたは良子のアイテムを.......」
「うるさいうるさい!!あなたには関係ないでしょ!?」
「う!?」
佐川さんはそう叫びながら喜界川さんを押し飛ばし公園から去って行って。
その光景を眺めている謎の人影に気が付かないまま.......。
そして出久は一人星の本棚にアクセスをしていた。
『キーワード。佐川麻衣。そしてアイテムの開発記録』
【佐川麻衣 アイテム開発記録】
数えきれないほど本棚が白い空間からどんどん消えていき一つの
本棚がそこに残る。そして一冊の本がそこに残った。出久はその本
手に取り閲覧する。
「この記録は.......」
次回、仮面ライダーダブル!
「そうか!俺たちはそもそもの前提が間違っていたんだ!」
メモリの正体が明らかに!?
そしてドーパントは昼から暴れ始める。
「俺たちはヒーローじゃない、探偵だ。依頼者達のためにもあんたを止める!」
心操たちが真実を撃ちぬく!
次回 Hの涙 / かりそめの発明品
これで決まりだ!!
次回頑張って今年中に出したいと思います。