草薙の剣、十拳剣
「やめてください!」
「ほぉれ!よいではないか、よいではないかぁ!」
久しぶりの三狐神での最初のセリフが時代劇の帯回しのシーンみたいなセリフからはじまるのもいかがなものかと思うが、これもストーリーを進める為だ。許してくれ。
ちなみに一番最初のセリフは輝夜、その次のセリフは………あるぇ?誰だ、あいつ。
ひょっとして、あれは『すとーかー』なる者か!?
そうであれば助けなければ!(護衛だから)
「キャーッ!助けて!」
「こんな所に助けなど来ないわぁ!」
なんだそりゃ。
「………おい……!」
「あ?」
ストーカーがこちらを振り向く。
「三狐神!」
「うん、大丈夫そうだね。帰るか。」
「おい!何俺をシカトしようとしてんだよ!」
「うん?ああ、あまりにも妖力が薄っぺらいから気づかなかったよ。」
「………!」
この一言がストーカーの怒りの炎にガソリンと灯油を注いだようだ。
「俺は誰にも負けない!最強だ!最強=何をしてもいいんだぁ!」
「どういうこっちゃ。」
「俺のことをシカトしようとした罪!お前の死で贖ってもらうぞ!」
ストーカーは僕に凄まじい速度の踏み込みを見せる。
「あ、さっきお前は自分のこと、『最強』って言ったでしょ?」
「それがどうしたぁ!」
「最強ならさ、」
僕は須佐之男から預かった刀を抜く。
「こんな感じに、負けたりしないよね?」
「!?」
「須佐之男に怒られるかな、これ。」
「(なんだ!?いきなり地面が目の前に――――)」
「………自分が斬られたことにも分からず死ぬのか?」
「(………。)」
「(あ、名前聞き忘れた。)」
「さ、三狐神。」
輝夜が名前を呼び、指差す先には、
「さ〜ぐ〜じ〜?」
須佐之男がいた。
「あ、」
「なーに俺の刀使って折ってるのかなー?」
「ちょっと待っ」
「誰が待つかあぁぁぁぁ!!」
「うわあぁぁぁ!?」
「待てェェェェい!」
須佐之男は草薙の剣を振り回してくる。
ちなみに三狐神が預かっていたのは十拳剣。さっきの草薙の剣と合わせた二振りの刀が須佐之男の持つ刀だ。
三狐神が十拳剣をさっきのストーカー戦で折ってしまったため、須佐之男と三狐神での追いかけっこが始まったのだ。
「ちょっと!須佐之男足速すぎでしょ!」
「フハハハハ!これくらいの足の速さなど神の中では常識の範疇に過ぎんわぁ!それよりも止まらんかあぁぁぁい!」
「だから刀を振り回してくるのやめてってばぁ!絶対に止まったら斬られるやつじゃんかぁ!これ!」
「待てェェェェい!」
「いやあぁぁぁぁ!?」
この追いかけっこは丸一日続いたそうだ。