そういえば三狐神、神様となってから空腹感に苛まれることは無いなと感じた。
今まで無意識の世界に置いてきたものが、急に気になって仕方がないのだ。
別に食事を取らなくてもいいのだが、人間の世界に馴染みたいためか、食べることがある。
人間の作る料理はどれもおいしいから自分は好きだが。
で、なぜこんな話をしているか。
「さっ、三狐神、どんどん食べて!」
輝夜に食べることを半ば強制的にさせられているからである。
人の親切は無にしたくない。
だから輝夜の『食えハラ』にも黙って食べるだけだ。
「………ところでさ、あの神様はなんなの?」
――――須佐之男尊。
太陽神アマテラスとともに生まれたスサノオ。 暴風の神として、厄払いの神様としても信仰されている。 荒々しい乱行により天上界(高天原)から追放されるが、ヤマタノオロチ退治に成功するなど正義感が強く知恵者としての一面ももっており、多面性のある神だといえる。また、こうした英雄的側面を以て、武の神として崇められることもある。
つまりは、『暴れん坊だけど頭がよく正義感が強い神様』ということだ。
(やんちゃなのもあって高天原から追放されたらしいが。)
ちなみに三狐神がついこの間まで預かっていたのは十拳剣(とつかのつるぎ)というもの。もう一つの草薙の剣(くさなぎのつるぎ)と合わせた二振りの刀が好きの持つ刀だ。
で、三狐神が前の話で十拳剣をストーカー戦で折ってしまったため、須佐之男と三狐神での追いかけっこが始まったのだ。
その後丸一日続いた追いかけっこは、須佐之男がダウンしたことで終わりを告げた。
そのさらに後、つまり今だが、須佐之男は布団の中でうずくまっているのだった。
「………よく最高神に『消滅』処分喰らわなかったな、これ。」
「これって………。」
「むしろ追放処分で済んでよかったと思うよ。」
「何したのよ。」
ネット情報を載せると、こんな感じだ。
『イザナキが禊(みそぎ)をすることで生まれたアマテラス、ツクヨミ、スサノオの三貴子。アマテラスは天の国である高天原、ツクヨミは夜の国、スサノオは海原と、それぞれが支配地を与えられます。しかし、スサノオは母イザナミを慕って泣いてばかりいて、海原を治めようとしません。それが原因で父イザナキの怒りを買い、スサノオは追放されることになってしまいました。』
「それが原因でニートになった。」
「自業自得じゃないかしら?」
「ふっ、違いない。」
須佐之男はいつまで惰眠をむさぼりまくってるんだろ?