(後でスキマ送りにされました。)
「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を……。」
この和歌、作者はスサノオノミコトらしい。
で、意味は………
「雲が幾重にも湧く出雲の地で、妻との新居によい場所を見つけた。 妻のために垣根を幾重にも造ろう。」
というわけだ。
うん、誰?
「ああ、申し遅れましたわ。私は八雲 紫。あなた、私の夢のために力を貸して下さらないかしら?」
「力?」
「私の夢は、『妖怪と人間とが共存できる場所をつくること』。」
「………簡単に言えば、無理だろうね。」
「………。」
「「妖怪と人間は基本的には相容れない。仮にできたとしても、どちらかが必ず戦争を起こす。どちらかが全滅しなければ終わらない戦争をね。」
「………それにいずれ人間が進化する事で、妖怪といった類の存在は希薄になるだろうなまあ、神も例外ではないだろうけど。これが時代の流れ。」
さて、これで八雲がどう動くか?
「でも、でも私はそれに真っ向から立ち向かうわ。」
「理想郷のために?」
「そうよ。そのためにあなたの力を借りたいの。」
………愚か。
僕をただの人間だと思って………見誤ってるのか。こいつ。
「ああ、なんとなくムシャクシャする。」
「へ?」
ここで僕は神力を解き放つ。
「僕がただの人間とでも?」
「!?」
八雲は能力で作ったテレポート装置のようなものに飛び込んだ。
おいおい、ここまで来て引き返すのか?
「逃げるな。」
「ひゃあっ!?」
「一応協力はする。でも構想とかの段階ではあるんだろ?」
「ええ。」
「これから仕事が忙しくなったりすることもあるだろうから、さ?」
「?」
「稲荷大明神?」
「やあ、」
「い、稲荷大明神?」
八雲はまだピンと来ていないようだ。
「三狐神、置いてくよ、こいつ。」
そう言って稲荷大明神は僕の式神を置いて行ってしまった。
「八雲?おーい?」
「………。」
八雲は口を開けたままポカーンとしている。
「Come Back!!」
「あ、あわあわわ!」
「兎に角、僕の式神、置いてくから。」
「(てなわけだけど、大丈夫?)」
テレパシーで式神に語り掛ける。
「(どうせなら式神契約解いてください。)」
「(?けーやく?ナニソレオイシイノ?)」
「(とぼけんな。早く解け。)」
~ 解除中 ~
「こいつ、好きにしていいよ。」
「(何が『こいつ』じゃ。)」
「え?じゃあ名前変えてもいいのかしら?」
「別に構わないけど?」(そういえばあいつに名前ってなかったな。)
「うーん、藍、八雲 藍。」
「だってよ。」
「ああ、今まで世話になったな、三狐神。」
「うん、まだ別れないよ?八雲とは。」
「うぇ?」
「理想郷の構成、建てる場所その他諸々!」
「は?」
「これ全部終わるまで帰さん。」
「ブラック企業だ〜〜!!」
自分の夢を実現するのはそんなに簡単だとでも?
藍は三狐神や稲荷大明神の前ではタメ口だったりしますが、あくまで紫の前では敬語を使うそうです。