ペタ、ペタ、ペタ、ペタ………
地霊殿の主、古明地さとりのスリッパの音が地霊殿の中に響き渡る。
地霊殿の中にはライオンや猫、狐といった動物がたくさんおり、まるで動物園のようだ。
「(………?)」
さっきから一匹の狐がずーっとこちらを見つめ続けている。
「どうせ来てるんだろ、雷炎。」
「あ、バレた。」
「!?」
雷炎(らいえん)と呼ばれた狐は見た目は三狐神とほとんど変わらない。
「あ、あの、」
「あ、さとりさん、でしたか?」
こいつは基本的には敬語で話す。
よほどブチギレたりしない限りは敬語は崩れない。
「なんで私の名前を……?」
実際は稲荷大明神、雪炎から聞いていたらしく、『八咫烏』のことで偵察に来ていたそう。
「八咫烏?」
「そうですよ、」
「?」
さとりは会話についていけてないようだ。
「ささささ、さとり様〜!!」
「おおっとぉ!?」
廊下を走ってくる『何者』かに雷炎と三狐神の会話は強制終了されたが、その『何者』かが持ってきた話の内容に、二人は危機感を覚えた。
「何よ、お客様の前で、はしたない。」
「さとり様!は、早くお空のところに!」
「お空?お空がどうかしたのかしら?」
「それが、旧都を破壊しはじめたんです!」
は?
さとりは一瞬我が耳を疑った。
お空、霊烏路空が旧都を破壊し始めた?
いや、一回見てみるか。
~ 移動中 ~
「は?」
そこには、『何者』かが持ってきた情報以上の危機が迫っていた。
お空なる人物が空を翔け、大量の弾幕を射ち、旧都を破壊しているのだ。
幸いなのが都にはまだ被害は及んでおらず、鎮圧できれば被害を最小限に抑えられることだろうか。
それから、なぜだ、八咫烏の気配をお空から感じる。
「………。」
「しかたない、本当は戦いたくないんだけど………神狐。」
「ちょ、ちょっとお兄さん!?」
「このまま旧都の鬼たちに被害が及ぶのをただ黙って見ていろと?」
「そりゃ、そうだけど………」
自分は自分の能力を使ってお空がいる場所まで線を引いた。
初めて使うけど便利な能力だな、これ、
「八咫烏?」
「……………。」
「八咫烏ー!起きんかあぃ!!」
「う、うわぁっ!?」
起きた。
てかなんでお空の身体の中で寝てた。
「お空にお前を下ろしたのは誰だ。」
「は?」
「その感じだと知らないみたいか。」
「いや、確かたけ、建御名方神とか言った気がする。」
「建御名方………あ い つ か。」
「ていうかさ、お空から出ていってもらえない?」
「また三狐神にボコボコにされるのヤダもん。出てくよ。」
………あれ?まさかの戦闘なし?