東方神狐録   作:赤狐イナリ

24 / 50
八咫烏の逆襲

八咫烏をお空の身体から出ていかせれたと思った。

しかし、それがマチガイだった。

なぜ、お空に背を向けた。

直後、腹部に今まで経験したことのない痛み。

なんだこれは。

まるで、内側から灼かれているかのように、熱い。

気づいた時にはもう遅かった。

血が自分の口から出たとき、初めて自分が攻撃を受けたのだと知った。

そこからは身体が言うことを聞いてくれなかった。

自分の身体は重力に逆らうこともできずに落下していく。

 

「三狐神さん!」

 

雷炎が叫んでいる。

でもそれもあまり聞こえない。

このまま灼熱地獄へと落ちるのか。

 

ガシッ。

 

何者かが自分を助けてくれたのか。

う………もう……意識が………。

 

 

○

 

 

「紫苑!」

「雪炎か。こいつを頼む。」

 

牡丹はそれだけを言って八咫烏、お空のもとへと飛び立った。

 

「こんな三狐神、初めて見た。」

 

三狐神の腹部には風穴が空いており、意識を失っていた。

(主人公補正とやらでなんとかできないのか?)

答えはどちらでもない。

すまない、雪炎。

 

「さとりさん、あとは………そこにいるんでしょ?無意識少女。」

「わー、見つかっちゃったー。」

「とりあえず、頼む。」

「………稲荷大明神様は………。」

「………もうどうにでもなってしまえ。」

 

雪炎が弱気になっている。

珍しい。

 

「行くぞ。」

「はい、紫苑さんを死なせる訳にはいかないので。」

 

雪炎と雷炎は八咫烏が発する『波』を頼りに飛行を続ける。

 

「………。」

「し、おんさん………?」

 

たどり着いたときに二人は絶句した。

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜなら、紫苑は気を失って尚八咫烏と交戦していたのだ。

普通ならばありえない。

なのに、なぜ?

 

「勇儀!星熊 勇儀!此処に来たれ!」

 

紫苑が吼えた。

 

「なっ…………!」

「うそ……だろう………!?」

 

紫苑は気を失ってるんだぞ?

なのに、こうも動き、声を発せられる?

 

「とりあえず………、雷炎、紫苑と勇儀のサポートに。」

「言われずとも………、」

「さて、自分は………」

 

できることをやる。

倒せなくても足止めくらいなら自分にもできる。

今の、稲荷大明神のこの力全て使い果たしても、

神でなくなっても、

 

 

 

 

 

 

何も、悔いなどないのだから。

 

「ウカノミタマノオオカミ、力を貸してください。」

 

雪炎はそういうと、

 

「掛巻も恐き稲荷大神の大前に、恐み恐みも白さく

 

大神の厚き広き恩頼に依て家門を令起賜ひ

 

令起賜ひ夜の守り日の守りに守幸へ賜へ恐み恐みも白す。」

 

そういった。

これは稲荷祝詞といい、本当ならばもっと長い長文なのだが、

雪炎の場合なら略してもウカノミタマを呼び出せるのだ。

いつ出るのかは不定期だが。




QのBGMかっこよすぎだろ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。