宴会前の人集め
「………つまらん。」
コクトは吐き捨てた。
もう何も物言わぬ荒神を冷たい目で見下ろし、吐き捨てた。
荒神はまだ生きている。
生きている限りは腕を、足を、斬れる場所ならどこでも斬った。
そのおかげでコクトの服は返り血でビシャビシャなのだが。
「………なんか言ったらどーなんだ?」
「う……ああ…………。」
「もう終わりにしようか?」
コクトの誘いに荒神は首を壊れた人形のように激しく縦に振る。
「助かりたいんだ?」
荒神が頷く。
「………もういいよ、でも、」
「これから起こることに後悔しないようにな、全て自分が蒔いた種なんだから。」
そう言うとコクトはその場を後にした。
「………三狐神か。」
「あーあ、あの荒神、今頃アメノミナカヌシに半殺しにされてるぞ?」
「自業自得だ。」
「それもそうか。」
「よし、帰るぞーっ!」
○
「ホントは迷い込んできた狐とかを表の世界に戻してあげるための施設なんだけどさ。」
「広いね。」
「僕も住むもん、ある程度広くないと匿えない、それに、一人クロウサギが来たって変わらない。」
「てか、この家いつ建てたの?」
「第五章辺りに紫が地底の鬼達を引き連れて建てたみたい。」
「へー、どうりでこんなに大きいのか。」
「流石に日本庭園とかはいらなかったかなぁ………。」
でも日本庭園には池があり、その池には紫が外の世界から持ってきた魚が大量にいる。
だから食事には困らないのだ。
「よっ!三狐神!と、なんだこのクロウサギ?」
「ああ、魔理沙か。」
~白狐説明中~
「というわけ、OK?」
「なんとなく分かったような分からないような………?」
「さてと、紫!」
…………寝てんなこれは。
「よっと、『変えて』干渉してっと。」
三狐神はおもむろにスキマに手を突っ込む。
「痛い痛い痛い痛い痛い!!」
「あ、紫様!?」
「よいしょっと。」
三狐神は髪の毛を引っ張られて痛がる紫を畳に置く。
「………やはりお前か、三狐神。」
「やっほ☆!」
スキマから藍が顔を覗かせる。
「藍しゃまー!」
「ちょっ、橙!?」
「ダイレクトアターーーック!!」
「ちょっと橙!?」
橙が飛び蹴りを藍にかましたおかげで、開いていたスキマから藍が重い音を立てて畳に落ちる。
「いだっ。」
「橙?」
「三狐神様〜!」
「久しぶりだな、橙。」
橙の二つの尻尾が小気味よく左右に振れる。
「さて、霊夢は………?」
「宴会の人集めに行ってるぜ!」
「………守矢神社のヤツらは勝手に来るとして、僕とコクトは妖怪の山と地底、あとは冥界だな。」
「冥界ならとっくに霊夢が行ったぜ。」
「行く場所が少なくなって助かるよ、さて、」
「ただいまー。」
コクトが紫苑と天魔の襟首を掴んで家の中にいた。
そうか、そういう『能力』だったな。
さて、大体の人数は揃った。
後は霊夢か。
友達から質問が来て、三狐神は幻想郷では稲荷信仰がないのになぜ実体があるの?
と来た。
答えは人里の人たちが神棚や小社を建てて参拝しているからです。