感謝!
「さてと、ツクヨミはどこに?」
言われて、『はーい』とか言って飛び出してくれればこっちとしてもとても楽なんだけどな。
「てか、僕が転生したときにはこんなのなかったな。確か。」
牡丹?
「あ?アマテラス?」
『あ?』って………。
「なんだよ、いきなり脳内にテレパシー使って話しかけて来ないで。」
そんなことより、ツクヨミの居場所が分かったわ。
「うん、大体の想像はつくよ。」
ええ、今あなたがいる目の前の街よ。その街にある一際大きい建物の最上階に居るわ。ああ、あと私は忙しいから、これで切るわ。
その言葉を最後にアマテラスとは通話できなくなってしまった。
「ここか。」
門があった。
そこを正面から堂々と通ろうとするが、
「貴様!止まれ!」
はい即刻アウトー。
「………貴様、ただの人間ではないな?正体を明かせ。」
「正体って………、僕はただの三狐神だよ?」
「嘘を言え!三狐神様はツクヨミ様では到底勝てることのないお強さ!貴様では、ツクヨミ様のお力の足元にも及ばんわ!」
「あっそ。なら止めとくよ。」
「!逃げるなぁ!」
「ごちゃごちゃと、煩いなあ。」
「こら!止まれ!………ッ!」
「?」
門番の声が一瞬で消えた。
「ん?ああ、『こいつ』か。」
牡丹がいう、『こいつ』は、なんだかいろんな『ナニカ』をごちゃ混ぜにしていくつも掛け算みたいに掛けたような奴だった。
「ひっひっひ………愚かな娘が、わざわざ俺の餌になりにここに来ようとは。」
「ッ………!来るなぁ!」
その娘は持っていた弓矢を放つが、かすり傷さえも与えられない。
「お、おい。」
「なんだい?門番さん。」
「お前、あの化け物を倒せるか?」
「30秒あれば。」
門番の声は完全に震えていた。
「そろそろ弓も尽きたか。ならば、俺が美味しくいただくとしよう。」
「ひっ………!」
「待て。」
「ああ?なんだお前は?お前も俺の餌になりに来たのか?」
明らかに『化け物』と呼べるその妖怪からは、独特な、何かが腐ったような臭いがする。
「お前………、黙れよ。口からヘドロの臭いがするんだ。」
「…………!」
この言葉が奴の逆鱗に触れたらしい。
「ええい!黙れぇ!この俺が妖怪の中で最強なのだーっ!死ぬのはお前だぁーっ!」
「ねえ、門番さん、『狐火』って知ってますか?」
「きつねび?」
「まあ、簡単に言ってしまえば妖術の炎ですがね。」
「何をごちゃごちゃと………!」
僕は猛スピードでこっちに向かってきた化け物に、狐火をお見舞いした。
「ぐああああぁぁぁ!?熱い、熱い!」
「これが最強?聞いて呆れる。」
「この………!」
「あっ、炎には『浄化』の意味があるんだって。」
「それがどうし………」
「これでお前の思考とかも浄化されるんじゃないの?」
「ぐおおおぉ!!生意気な………!」
「早く燃えつきろよ、しぶといな。」
「ぐああああ、最強の、最強のこの俺が、負けてたまるかあぁぁーっ!!」
「わお、本当にしぶとい。」
狐火を消した奴は、再びこちらに襲いかかる。
「同じ手は喰らうかあぁーっ!」
「誰が同じ手を出すと?『狐の騙し討ち』ずっと孤独でいれば?」
「誰がこんなもん………がっ、ぐはぁッ!?」
「キツネノボタンの毒はかなり強いんだ。それを妖怪用に改造しただけ。あと、キツネノボタンの花言葉は騙ましうちとか、ひとりぼっちという意味があるんだ。地獄の底でずっと孤独に居れば?」
「ゴッ、く、苦し………」
その言葉を最後に、『化け物』は動かなくなった。
「こればっかりはしかたないか。」
「うお、す、すげぇ。一瞬であんな化け物を………!」
「化け物か………。」
あの化け物の骸を見ると、自分が殺したはずなのになぜだか切なく感じてくる。
なぜだろうか?
戦闘描写………ムズい。