【第1章完】セブンでイレブン‼~現代に転移した魔王、サッカーで世界制覇を目指す~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第7話(2)対松戸戦前半戦

「……」

 

「松戸、さらにリード!」

 

 金色のシャツに白いパンツというユニフォームに身を通したアウゲンブリック船橋のメンバーたちがピッチ上でうなだれる。ピッチの脇からフォーが声をかける。

 

「顔を上げなさい! まだ終わってないわよ!」

 

「ピィー!」

 

 試合再開の笛が鳴る。船橋ボールでキックオフ、なんとか相手陣内までボールを運ぶものの、あっさりとボールを奪われてしまう。

 

「ちっ……」

 

 フォーが舌打ちする。その隣でななみが感心する。

 

「さすが、強豪チームのシュタルカーヴィレ松戸……巧みな試合運びね」

 

「ええ、こちらの嫌な所を的確に突いてくるわ……」

 

「身長の低いゴブちゃんの所にボールを集めて、体格差を生かしてボールをキープ……そこを起点にして攻撃開始……」

 

「スラやルトが引き付けられたことによって出来た逆サイドの広大なスぺースにパス……追いついた所でまた素早くサイドチェンジ……」

 

「左右の揺さぶりにクーオちゃんは対応しきれず……ほとんどゴール前ががら空き状態……どうぞシュートを撃って下さいと言わんばかりね」

 

 ななみが首をすくめる。

 

「あれではレムの巨体を持っても厳しいわ……あ、もう1点……」

 

 フォーが腕組みをしながら軽く天を仰ぐ。

 

「これで4対0……健闘していると言えば健闘している方だけど……」

 

「健闘も健闘、大健闘よ、そもそもとして頭数が足りてないんだからね」

 

 ななみの呟きにフォーが反応する。

 

「せめて後4人、どうにかこうにかかき集めるべきだったわ……」

 

「入団テストとかするとかなんとか言ってなかった?」

 

 頭を軽く抑えるななみにフォーが尋ねる。ななみが苦笑しながら首を振る。

 

「魔王とその配下たちのチームというのは、いさかか気おくれするみたいで……冷やかしレベルすらも集まらなかったわ……」

 

「そう……」

 

 ななみの言葉にフォーが頷く。

 

「結局現有戦力でなんとかしてもらうしかないわ」

 

「練習試合では好調だったんだけどね……」

 

「公式戦になってくると話が違うわ」

 

「それは今まさに痛感しているわ」

 

 フォーがピッチを指し示す。ななみが問う。

 

「で、どうする?」

 

「これ以上の失点を重ねるのは厳しいわ」

 

「ということは守備を固める?」

 

「そうね……トッケ! ゴブのフォローに回りなさい!」

 

 トッケがフォーの指示に従い、ポジションを下げる。

 

「前線……フォワードがいなくなるけど……」

 

「まずは守備よ」

 

 すると、ゴブとトッケ、さらにスラが囲んで巧みにボールをカットしてみせる。ななみが声を上げる。

 

「おおっ!」

 

「局面を限定してしまえば、強豪相手と言えどボールを奪えないことはない。守備連携の練習が活きたわね……まだ相手ボールのスローインよ! 気を抜かないで!」

 

 フォーが指示を送る。フォーの的確な指示や、皆の懸命な働きによって、守備面は少し落ち着きを取り戻した。ななみが頷く。

 

「うん、良い感じになってきたわ」

 

「残り時間を考えても……このままのペースを保ってくれれば……」

 

「ハーフタイムになるわね」

 

「ええ、文字通り一息つけるわ」

 

「逆転の秘策はあるの?」

 

「秘策というと大げさだけど……修正点はいくつか提示出来るわ」

 

「それは頼もしいわね……あっ!」

 

「ん?」

 

 こぼれ球がレイブンのところへ転がる。レイブンが声を上げる。

 

「ふん! やっと来おったか!」

 

「レ、レイブン、今は無理をする時間帯じゃないわ! 周囲の上がりを待って……」

 

「ワシだけで十分じゃ! なにっ⁉」

 

 ドリブルを仕掛けたレイブンだが、人数をかけた相手のディフェンスにあっさりとボールを奪われてしまう。フォーが叫ぶ。

 

「カウンターよ!」

 

「守備の陣形が整ってない! あっ……」

 

「ゴール!」

 

 素早いカウンターから松戸が追加点を奪ってみせた。スコアはこれで5対0。フォーが唇を噛む。

 

「くっ……」

 

「前半終了!」

 

 試合はハーフタイムに入る。

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