あまねく奇跡の召喚録   作:熱核戦争先生

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絶句2

第7会議室に入った小原達は、連邦生徒会の面々と見つめ合う。

 

「日本国外務省新興国家局の小原来乃未です」

 

「キヴォトスへ、ようこそ。私は七神リン、キヴォトスの首席行政官兼連邦生徒会長代行を務めています」

 

「こんにちは、連邦捜査局シャーレの先生です」

 

お互い自己紹介を終え席に座る。

 

「七神さん、連邦生徒会長代行と言うのは」

 

「キヴォトスのトップ、連邦生徒会長が現在失踪しており、政治的空白を埋めるため主席行政官である私が代行を務めています」

 

「えっ、失踪!?」

 

連邦生徒会長の失踪。

日本で言う現職の内閣総理大臣が失踪したのと同等の衝撃的なことである。

 

「なるほど、状況は把握しました。大変な時に突然来訪してしまって申し訳ありません」

 

「いえ、今はシャーレの先生が来てからある程度落ち着いてます」

 

リンは横に座る先生をチラッと見る。

 

「さて、お互い詳しく知るために情報を共有しましょう」

 

小原は気を取り直して本題に入る。

日本を紹介するためプレゼン用の紙とホログラム投影機を取り出し起動させる。

ホログラムにはサイバーチックな日本列島の立体映像が映し出される。

 

「日本国の概要についてです。正式名称日本国。キヴォトスから約1000km離れた島国にあります。人口2億1200万人、国土面積447973㎢で国土の7割が山に囲まれています」

 

日本列島の上には人口や面積の他にGDPなどの数値が映し出される。

 

「首都は東京都で東京都には2000万人が住んでおり、東京都周辺の県も含む東京都市圏には6000万人が住んでいます」

 

首都東京都の人口や面積が映し出される。

 

「ちょっと待ってよ、首都の面積に対する人口密度おかしくない?」

 

明太子ポテチを食べていたモモカが現実離れした数値に疑ってくる。

 

「おかしくありませんよ、事実ですから」

 

「へ、マジで?」

 

モモカの口から食べかけのポテチの欠片がポロリと落ちる。

 

「次に政治体制についてですが、内閣総理大臣を元首とする議員内閣制を採用しております」

 

それから主要産業や文化や国軍である自衛隊などを簡単に紹介していく。

日本の紹介が終わり、次は七神リン達連邦生徒会の番になる。

 

「では、キヴォトスについて紹介します」

 

壁に付けられた200インチのスクリーンにキヴォトスの概要を紹介する映像が映し出される。

 

「キヴォトスは、ここD.U.と数千の学園自治区で構成されている巨大学園都市です」

 

「キヴォトスの総人口は2億2500万人、キヴォトス全域の面積は2372090㎢となっています」

 

「ここD.U.はキヴォトスの行政が集約している中枢部…皆さんからすると首都に相当します。D.U.の人口は1100万人です」

 

D.U.は地球で言うベルギーに位置している。

そんなベルギーは首都ブリュッセルには、EU(欧州連合)の諸機関やNATO(北大西洋条約機構)の本部が置かれており“EUの首都”と呼ばれている

 

「政治体制は連邦制を採用しており、キヴォトスの全行政を担う連邦生徒会によって運営されています。それとは別に各学園に自治権が与えられおり各学園は、連邦生徒会が定める連邦校則や行政システムとは別に独自の学園校則や行政システムによって運営しています」

 

「また、数千の学園の中で最大規模を誇る学園は“キヴォトス三大学園”と呼ばれており、トリニティ総合学園・ゲヘナ学園・ミレニアムサイエンススクールがこの三大学園の指に入ります」

 

挙げられた学園は生徒数が数十万人以上の巨大マンモス校で自治区の住民も含めると数百万人以上に達する。

また自治区の面積もそれなりに広い。

ちなみに、キヴォトス最大の面積を誇るレッドウィンター連邦学園はゲヘナと一二を争う広大な面積ではあるが、キヴォトスの僻地で一年中積もったり、歴代生徒会トップの理不尽な懲罰や革命で生徒や住民が他の学園に転入したり移住したりした結果、生徒含めて人口は10万人ぽっちでしかおらず“キヴォトス四大学園”にはならなかった。

 

「次に生徒についてです。キヴォトスは数千の学園で構成されているが故に生徒の数もそれなりにいます。生徒は基本的に頭の上にヘイローを浮かばせています。ちなみに連邦生徒会である我々も生徒なのでヘイローが浮いています」

 

小原達はエレベーター内でのトウコのやりとりを思い出す。

 

「ヘイローは全生徒のアイデンティティでもあり生命の源でもあります。所属する学園や部活、本人の性格によってヘイローが形成される場合もあります」

 

「このヘイローがあることで生徒は簡単には死にませんし、常人以上の体力を持っています。ヘイローは肉体とリンクしています」

 

「簡単には死なないと言うと?」

 

小原の疑問に防衛室長のカヤが答える。

 

「そうですね、例を挙げるなら至近距離で5.56mm弾を30発撃ち込まれても気絶するだけで済みますね。あと砲撃されても気絶しますし、普通に撃たれても痛いぐらいです」

 

5.56mm弾

召喚前の地球にてNATOにより標準化され5.56mmNATO弾と呼ばれた中間弾薬だ。

自衛隊でも6.8mmGETO弾が制式化する前までは5.56mm NATO弾を採用していた。

 

5.56mm弾に限らずどんな口径の銃弾を至近距離で撃ち込まれても生身の人間はただでは済まないものだ。

 

「キヴォトス人は不死身って事ですか?」

 

「いえ、完全な不死身ではありません。人間が生きてはいけない環境に晒されたり、想定以上の攻撃を食らったら致命的ダメージを受けます。今のところ死亡事例は30件しかありません」

 

先の銃撃戦が終わった後に傍を通りかかった際、救急車は来なかったし交戦していたヴァルキューレの生徒と不良に大した怪我がなかった事を思い出す。

ヘイローのおかげなんだと理解した。

 

「小原外交官、キヴォトスは現在別の惑星所謂異世界に居ると言う報告を受け取っていますが、事実でしょうか?」

 

「はい、キヴォトスは今異世界である“クラークリア”にいます。このクラークリアは現象や技術が科学ではなく魔法若しくは魔導に置き換わっている世界です」

 

小原は話した。

第1・第2・第3・大東洋文明圏、 ワイバーン、魔法、古の魔法帝国、日本が召喚され歩んで来た歴史や戦争などをホログラム映像を交えながら。

 

「…その、なんと言うのか信じられませんが、嘘を言ってるようには見えませんね」

 

「日本以外にも別世界から召喚された国が他にも2カ国もあるなんてね…えっと、どこだっけ?」

 

「モモカちゃん、ムーとグラバルカス帝国…」

 

モモカの能天気プリに呆れながらも答える調停室長のアユム

 

「今回我々がキヴォトスに来たのはキヴォトスの把握は勿論ですが、国交や通商を開設するために来ました」

 

小原は本題である国交の開設を切り出す。

 

「国交…つまり我々と交流を望んでるのですね」

 

「はい、国交の他に通商や技術交流もあります。場合によっては安全保障条約を結ぶ事も可能です」

 

覇権主義や優勢思想主義を掲げる国があるクラークリア。

この世界で生きていくには他国との連携が必要だ。

 

「分かりました。国交や技術交流などを含めて検討しましょう。先生、協議するにあたり同席して欲しいのですが、大丈夫でしょうか?」

 

「リンちゃんのためなら全然大丈夫だよ!それにこう言う重要なのは“大人”である私がやらないとね。口車に乗せられるかもしれないし」

 

先生の発言に小原は、「外交官の前で失礼だな」と思ったが、ここは“大人”である先生も同席してくれる事に安心感を覚えた。

 

それから国交開設や日本へ使節団を派遣する協議を3日かけて開催した。

1週間後にキヴォトス使節団が日本に派遣される。

両者の合意を得て正式に日本とキヴォトスとの間に日キ友好条約が締結された。

 

 

To Be Continued......

 

 

 

 

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