あまねく奇跡の召喚録 作:熱核戦争先生
第二文明圏 グラ・バルカス帝国
日本と同じ時期に惑星ユクドから召喚された科学文明国家。
召喚され現地国家との不幸な接触を機に異世界に対して酷い憎悪や偏見を抱き周辺国を侵略し世界中を敵に回した過去を持つ。
米帝プレイを実行する事が可能な国力を持ち、技術では優っていた日本も追い詰められかけていた。
それでも日本には勝てずグラ・バルガス帝国は敗戦した。
軍の規模は最盛期より落ちたが、本土への直接的な打撃は少なかった事もあり国力は健在で、日本資本の企業が進出したことにより経済はもちろんのこと科学技術も進歩し発展した。
その中でも首都である帝都ラグナの発展具合は高く東京に勝るとも劣らないほどの高層ビルが乱立する。
闇夜の中ビルや車から漏れる光で辺りは照らされ、高速道路や高層ビルが建ち並ぶ中に異様な存在感を放つ六角形型のビルが鎮座していた。
古のアニメオタクが見たらどこか既視感を感じさせるようなデザイン。
国軍であるグラ・バルカス帝国軍を統括する帝国防衛庁の庁舎である。
帝国5軍幕僚監部の他に国防先進技術局や造兵局などの内外部局が多数所在している。
その中で情報を取り扱ってる国防情報技術局は、旧情報局情報技術部の後継組織で軍事にも広く関わっていたことから、国防情報技術局として規模が拡大された部署である。
局長室では局長のナグアノは部下が提出したキヴォトスに関する報告書に目を通していた。
机の上にはクロノススクールが刊行する“Kronos‘s all tha Kivotos Aircraft”が置かれていた。
クロノス航空機年鑑と呼ばれており、キヴォトスで運用されている航空機に関する情報が掲載しており、航空機以外にも艦船や戦闘車両や鉄道などシリーズ化され刊行されている。
この本は、地球で言うところのジェーン年鑑に相当する書籍でページ数は1000ページ近くあり1冊93100円と一般人には手が出し難い本である。
国防情報技術局は30分野近いシリーズ本を購入し局内の翻訳係や国内の翻訳家を総動員し翻訳し、つい最近になって航空機に関する年鑑の翻訳が終わったところである。
「結論からキヴォトスの航空技術は日本と同等か…これまたすごいのが召喚されたな」
ナグアノは呆れながらも資料を読み続けた。
キヴォトスの航空技術は日本と同等で、戦闘機は各学園と企業合わせて800機保有している。
輸送機や偵察機や早期警戒機などの支援機も含めて3000機近い軍用機を保有しており、軍用ヘリコプターに至ってはその倍の6000機を保有している。
キヴォトスにステルス機や爆撃機で対応するような敵がいない事から第5世代戦闘機や爆撃機は保有していない。
ナグアノは机の上に置かれた翻訳済みのクロノス航空機年鑑を手に取りページを捲る。
どうやら民間機と軍用機で章が分かれているようだ。
彼は軍用機の章を捲る。
最初に目に飛び込んで来たのはミレニアムサイエンススクールの戦闘機。
名前はシュレディンガーキャットと呼ぶようでミレニアムの主力戦闘機である。
「この形に可変翼…トムキャットにそっくりだな」
ナグアノは日本が召喚される前の世界の同盟国であった国の戦闘機の名前を言う。
「“フランカー”に“フルクラム”、“トーネード”、“グリペン”…“光菱F−1”もあるのか!」
その後ページを捲り続けていく。
「おお、我が軍のエリダヌス型大型飛行艇やグティマウン型爆撃機もあるではないか。む、グティマウンはキヴォトスだと輸送機なのか。しかも速度性能はグディマウンより上、プロペラは二重反転式か」
グラバルカスの輸送機以外にも、日本のC−2輸送機やスーパーギャラクシー、ムリーヤ、ハーキュリーズ、エクラノプランから民間機はB747、A380などナグアノが記憶している航空機の名前が挙がる。
中にはB747の翼を胴体の上に設置した高翼型輸送機、B747を一回り大きくしエンジンを六発化させ翼の付け根からトラス式支柱が生えた旅客機、エリダヌスを双胴・六発化させた飛行艇、
「航空機ですら我が国と日本と似てるのか…興味深いな」
ナグアノは夢中になりながら年鑑を読む。
読み終わった頃には机に突っ伏して寝息を立てていた。
「失礼します。クロノス年鑑5冊の翻訳が終わったのでお持ちしm…あれ局長?」
ナグアノの部下である情報局の女性職員が、上司のナグアノが寝ている事に気付く。
「もう、寝る時は横の簡易ベッドで言ってるのに…仕方ないですね」
彼女は5冊の年鑑をテーブルの上に置き、毛布を取り出しナグアノにそっとかけた。
To Be Continued......