あまねく奇跡の召喚録   作:熱核戦争先生

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恐れているエモール

第一文明圏 エモール王国

 

神聖ミリシアル帝国が属する第一文明圏の列強。

竜人族が治める人口100万人の単一種族国家で、ハイエルフと同等の魔力を有している。

 

同国の首都である竜都ドラグスマキラ北部の元老院議事堂“ガデリン・ドラグン”では貴族達が集まり議会を開いていた。

議会での議題は今話題の転移都市キヴォトスに関してだった。

キヴォトスには、人間は獣人などの多種多様な種族が住んでいる。

中にはアニュンリールと同じ有翼を持った種族も住んでおり、一部の国では「魔帝の末裔に違いない!」とキヴォトスを恐れられている。

 

「キヴォトスはアニュンリールと同様、忌まわしき古の魔法帝国の末裔であります」

 

そう主張するのはエモールの青年女性貴族。

有力なエモール貴族の出自で先祖代々から古の魔法帝国の高度な魔法技術や残虐性を語り継がれながら育った。

 

「よって、同都市は古の魔法帝国復活を目論んでいると考え、行動を起こされる前にキヴォトスに対して宣戦布告すべきであります」

 

その結果、彼女は古の魔法帝国の恐ろしさと、先祖をぞんざいに扱われた怒りや屈辱を抱き、「古の魔法帝国が復活したと同時にこの世から抹消せよ」と唱えるようになった。

 

自身の領地から発掘された古の魔法帝国製の、戦略爆撃型と戦略輸送型天の浮舟や空対空・空対艦誘導魔光弾、果ては空中戦艦“パル・キマイラ”を徹底的に破壊しスクラップにして売り飛ばしたり、世界各地にある古の魔法帝国の遺跡から発掘された物をリバースエンジニアリングし文明を築いた神聖ミリシアル帝国やカルアミーク王国を軽蔑したり、古の魔法帝国の末裔で復活を目論み世界と戦い敗戦したアニュンリール皇国の臣民を奴隷化ないし民族浄化を唱えてたり、彼女の古の魔法帝国に対する嫌悪さは度が過ぎていた。

とりあえず彼女は古の魔法帝国に関連する物全てを嫌悪してると言って良いだろう。

 

「開戦するにしても、確固たる証拠があるのかね?」

 

「証拠はキヴォトスの民には実体化した有翼を持った種族がいます。この世界で実体化した有翼を持つ種族は、古の魔法帝国の末裔にして世界の癌であるアニュンリール皇国の有翼人しかいません。これが証拠です」

 

「うーむ、それが証拠かね?もっと我々が納得できるような証拠を出して欲しかったのだが」

 

「仮にキヴォトスが魔帝の末裔だとして、なぜ彼女らは魔法を主軸とした文明を築いてないのだ?魔帝の末裔なら今頃魔法文明を築いているだろう?」

 

彼女が出した証拠に、貴族達の反論が飛び交う。

彼女の証拠もとい主張はただの難癖に過ぎず、当のキヴォトスは知らぬ存ぜぬである。

 

「もし、奴らが魔帝の末裔でアニュンリールと同様復活を目論んでいたらどうするのですか?」

 

「そうです、気づいてからでは遅い。その結果がアニュンリールが自国内と世界各国の都市に対するコア魔法攻撃です!合わせて8000万人の死者を出し滅亡した国すらもあるのですよ!」

 

彼女の主張に賛成する他の青年貴族も負けじと反論する。

 

「だが、似てるからと言う単純な理由で開戦はやりすぎだ」

 

「脅威を見過ごせと言うのですか?」

 

「脅威も何もキヴォトスと魔帝の末裔との関係性は無いに等しいではないか」

 

次第に議論は熱を増し、乱闘にまで発展し今日の議会は強制的に閉会された。

 

 

To Be Continued......

 

 

 

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