あまねく奇跡の召喚録 作:熱核戦争先生
ゲヘナ学園
キヴォトスの学園にして三大学園の1校。
トリニティ総合学園と同じくメルキオール島に位置し、生徒数118万人の校則違反上等・違反サークルが乱立する自由と混沌が校風の学園。
生徒会のパンデモニウム・ソサエティーは生徒会なのに、生徒会としては全く機能してなかったり、ゲヘナの風紀委員会が強すぎたりと、同生徒会に対するゲヘナ生徒の関心度は薄いのだ。
「異世界…聞く所によると文明レベルは我々より低いと聞く」
「ええ、まぁそうですね。一部文明レベルが高い所はありますけど」
パンデモニウムソサエティーのトップである議長の羽沼マコトの問いに、ソファーで寝そべりながら本を読んでいる棗イロハが答える。
「キキキキッ!なら…」
「マコト先輩、世界征服を企ててるなら辞めた方が良いですよ。マコト先輩みたいな考えを持った勢力が舐めてかかって酷い目に遭ってますよ」
「そ、そうなのか!?」
「マコト先輩、連邦生徒会から送られた資料に目を通さなかったのですか?」
「机に置いてあった紙束のあれか?あれはイブキが落書きする雑紙にしてやったが?」
「やっぱり…」と予想していたのかイロハは呆れていた。
ナツメは懐から本を取り出しマコトの方に投げる。
「よっと…“日本の歴史”、“日本と新世界の歩み”?」
マコトが手にしたのは日本の出版会社KIDOKAWAが発刊する学習漫画シリーズの最新刊。
表紙には日本の首都東京をバックにワイバーン、魔王、空中戦艦パル・キマイラ、戦艦グレードアトラスター、海上要塞パルカオンなど異世界を象徴する物が描かれていた。
「日本が異世界に転移してから歩んできた歴史が小学生でも分かるように漫画化した物です。とりあえず、それで把握してください」
「む、スマンな。後で読ませてもらう」
「マコト先輩、くれぐれも軽率な行動は取らないようにしてくださいよ。キヴォトスが滅亡でもしたら私がサボれないので」
「そ、そうだな、滅亡でもしたらイブキを愛でれないからな」
マコトは本を手に取り書斎机に置きに行く。
「マコト先輩、風紀委員会からの予算拡充についてなんですけど」
「あぁ、忌まわしき風紀委員会の件か?なんだ、あの予算は前年度の10倍も求めやがって。パンデモニウムを潰す気か奴らは」
「本気で潰しにかかるかどうかは置いといて、確かに結構な額の拡充要求でしたね」
風紀委員会が要求して来た次年度予算は前年度の10倍以上、その使用用途が最新装備の配備や標準装備の更新など多岐に渡る。
「このゲパルト戦車後継は何だ?主砲が55口径120mm滑腔砲、装甲は複合装甲、サイズはゲパルトより一回り大きいぞ。本気でウチを潰しにかかるんじゃないのか?」
「多分その恐れはないと思いますよ。他の風紀委員会でも同様の事は起きてますし」
イロハが言うようにゲヘナ以外の風紀委員会でも予算拡充祭が起きている。
言わずもがな、キヴォトスが転移した事による脅威が増えた事、有事の際の現在の各学園の風紀委員会の対応能力では不足していると判断されたからだ。
「ふむ、そうなるとウチの戦車も更新はした方が良いかもな。イロハよ、この際だから虎丸も更新しないか?」
パンデモニウムにもイロハの愛車である超無敵鉄甲虎丸の他に標準戦車のサーバルを複数保有している。
目の敵にしている風紀委員会が新しい戦車を配備するならパンデモニウムも、とマコトは考えた。
「あっ、私の虎丸だけは今のままで十分です。」
「お前の腕の良さは知ってるが、虎丸は50年前の代物だぞ。仮に風紀委員会が最新戦車でパンデモニウムに突撃して来たら、虎丸じゃあ太刀打ちできないと思うが」
「虎丸が動かなくなったら考えますよ。とりあえず強化して補うとしますか」
「そ、そうか。イロハがそう言うなら強くは言えんが。早速トラミに最新戦車の設計を命じるとするか」
マコトはそう言い、早速仕事に取り掛かる。
To Be Continued......