あまねく奇跡の召喚録 作:熱核戦争先生
キヴォトス召喚
中央暦1651年
西暦にして2029年
日本国が異世界に転移して12年の時が経った。
東京都小笠原諸島から300km離れた海域に3つの島が転移し世界は大騒ぎとなった。
日本国はそれ以上の大騒ぎとなっていた。
何せその2つの島は、イギリス・西ヨーロッパに該当する地域の島だからだ。
転移に巻き込まれたイギリス・西ヨーロッパ出身の外国人はその事を知り故郷に帰れると大歓喜。
日本国政府は航空宇宙自衛隊の情報収集衛星や偵察機で調査した結果、地上にはビルなどの人工物が確認でき何かしらの行政機構がある事が分かった。
しかし、政府首脳部は衛星写真や空中写真を見てある事に気づいた。
転移前のヨーロッパの衛星写真などを見比べた時に明らかな差異があったからだ。
SF作品に出てくるような近未来的なビル、今は亡き京都を思わせるような街並みと言った、到底イギリスや西ヨーロッパには無さそうな街並みがゴチャ混ぜにあったからだ。
さらに西ヨーロッパの境目にあるはずの東ヨーロッパは巨大な湖になっていた。
もしかしたら、異世界と地球では時間の流れ方に差異があり地球では異世界より時間が速く進んでいるかもしれない。
京都を思わせるような街並みは、地球に取り残された日本人や日本が大好きな外国人が、日本の街並を再現した日本人街か新潟にあるようなロシア村と同じ日本村みたいなテーマパークと言う可能性もある。
それはさておき、日本国政府はイギリス・西ヨーロッパ地域の把握と行政機構との接触を図るため、超大型護衛艦“やまと”を旗艦とする護衛艦12隻の第1航空打撃護衛艦隊の派遣を決定し、艦隊は母港の横須賀から出港した。
キヴォトス沖
エイギル沿岸警備大学校所属の大型警備艦“サラミス”がキヴォトス沖を航行していた。
エイギル沿岸警備大学校は、キヴォトスの海を荒らす黒髪海賊団などの海賊組織の取締、沖合での船舶事故の際の救助を行う連邦生徒会防衛室管轄下の学園だ。
ヴァルキューレ警察学校と同じくキヴォトスの各所に拠点がある。
航行しているサラミスは、サラミス級大型警備艦のネームシップであり、彼女は排水量10000トン、全長170mのエイギル最大の大型警備艦だ。
武装に自走榴弾砲の砲塔を流用した52口径155mm単装砲1門・連装ミサイル発射機1基・30mm7連装ガトリング砲2基・12.7mm重機関銃を搭載、更にヘリコプター2機の搭載が可能で、最大装甲厚100mmの重武装・重装甲を施している。
しかし、武装や装甲を載せまくった結果建造費と維持費が高くなったため3隻の建造で打ち切っている。
大型警備艦サラミス 航海艦橋
航海艦橋で作業をしている生徒達は、セーラー服と短パンとオーバーニーソックスを組み合わせた制服を着用し、海に由来するヘイローを浮かせていた。
「ウミヨ委員長〜。レーダーで12隻の船団を探知したよ〜」
レーダー担当の南部アイカレーダー委員長が、赤い学級委員長席に座る東堂ウミヨに報告する。
「それは本当かい?船団の位置は?」
「西に40kmの位置に居るよ〜。どうする〜?」
「海賊かもしれないしな...とりあえず、ヘリを飛ばして確認しよう。飛行委員長、ヘリの発艦準備をしてくれ」
サラミスの飛行甲板から武装偵察ヘリコプターが発艦し謎の船団に向けて飛行した。
海上自衛隊第1航空打撃護衛艦隊
小笠原諸島から20km先の海域に転移してきたイギリス・西ヨーロッパ地域を目指し12隻の護衛艦が航行していた。
旗艦である超大型護衛艦やまとは、先の戦争で敗戦したグラ・バルカス帝国に対しての戦争賠償の1つとして、グレードアトラスター型戦艦の設計図を接収。
設計図を基に少しだけ弄り現代の装甲技術や造船技術を動員した戦後日本・海上自衛隊初の国産戦艦だ。
排水量118000トン、全長314mとグレードアトラスター型戦艦より大型化している。
武装に50口径460mm3連装
機関にN²を燃料としたN²機関を搭載しており無限の航続距離を実現している。
超大型護衛艦やまと 航海艦橋
「対空レーダーに感あり。方位24、速度120ノット、高度2000、距離30、飛行物体が接近中」
レーダーを担当していた船務長が、やまと艦長であり艦隊司令の池田海将補に報告する。
「この速度だとヘリコプターか。IFFに反応は?」
「反応はありません」
「イギリス海軍の物では無いか。と言うことは地球とここじゃ時間が経ってるのか」
艦橋内は浦島太郎の気持ちを味わったような雰囲気になっていた。
「どうします?」
「接触する。全艦に通達、進路そのまま、第3戦速」
To Be Continued......