あまねく奇跡の召喚録 作:リメンバー召喚二次
超大型護衛艦やまと 艦橋
エイギル沿岸警備大学校と言う文字が書かれていたアパッチが居なくなった数分後に、その学校の船を見つけた海上自衛隊第1航空打撃護衛艦隊一行は、その船を見て困惑していた。
「あれって海保の“あきつしま”でしょうか?」
「確かに似ているが、“あきつしま”は76mm速射砲が載ってるが、目の前の船は速射砲塔がドイツのPzH2000、ミサイル発射機がMk26、CIWSらしき兵装はゴールキーパーのそれだ」
エイギル沿岸警備大学校のであろう船は、船体が海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船“あきつしま”にヨーロッパ製とアメリカ製の艦載兵装を搭載している奇妙な見た目をしていた。
「艦長、該当船から通信です。該当船は日本語でエイギル沿岸警備大学校所属大型警備艦サラミスとの事です」
「内容は?」
「臨検を行うので停船を求めています」
「分かった。全艦に通達、機関停止」
海上自衛隊第1航空打撃護衛艦隊はエイギル沿岸警備大学校大型警備艦サラミスによる臨検を受け入れる為停止した。
大型警備艦サラミス 戦闘委員部部室
大型警備艦サラミスは、海上自衛隊と名乗る船団を臨検するために準備をしていた。
臨検を実施するのはサラミスの戦闘委員部の生徒10人。
海賊を鎮圧する際の白兵戦、臨検を担当している。
部屋にサラミスの学級委員長である東堂ウミヨが入る。
生徒達は制服の上に予備のマガジンが入った防弾チョッキと肘と膝に付けるサポーターを装着する。
艦内の武器庫に入っている、エイギル制式小火器と弾薬を手に取る。
白兵戦用のエイギルAR70/90オートマチックライフル、火力支援用のエイギルLMG70/90ライトマシンガン、エイギルHG92ハンドガンだ。
使用弾はいずれも5.56mm弾と9mm弾の2種だ。
「戦闘委員部、準備完了。何時でも行けるよ」
『了解、それじゃあ臨検を頼むよ。安全が確保出来たら僕も行くから』
戦闘委員部の大海キヨミ委員長とウミヨ学級委員長とのやり取りを終え、臨検する海上自衛隊の大型護衛艦“やまと”に乗り込もうとしていた。
大型護衛艦やまと 甲板上
大型護衛艦ヤマトでも、サラミスの臨検隊を迎え入れるため右舷タラップに池田艦長たち数名の隊員と、外務省から出向した女性外交官“小原来乃未”が待機していた。
池田達幹部以外の隊員は、立検隊装備で洋上迷彩服の上の防弾チョッキとサポーターを装着し個人火器の20式小銃を携行していた。
「小原さん、サラミスの臨検隊はタラップを昇っています」
「そろそろかですか、ドキドキしますね」
池田からの報告に小原は、この異世界に来た時のような感覚になっていた。
初めて接触したクワ・トイネの海軍軍人も、こんな気持ちで接触したのかと思うと感慨深かった。
その時は来た。
キヴォトスとのファーストコンタクト。
まだ、誰も知らない災い・因縁・奇跡への始発点が。
To Be Continued......