あまねく奇跡の召喚録 作:熱核戦争先生
キヴォトス
キヴォトス全域の行政を担当する連邦生徒会などの重要機関が置かれている地域。
いわばキヴォトスの首都である。
D.U.には行政機構が入っているサンクトゥムタワー、連邦議会のキヴォトス・キャピトル、カイザーコーポレーションやフォビトフルートなどの大手企業の本社、ヴァルキューレ警察学校のD.U.の治安維持を担当するウトナピシュティムヤード、自治区のある中小規模の学校が複数立地している。
キヴォトスの政治は、行政のトップである連邦生徒会室、統括室、調停室や財務室などの11個の行政委員会、連邦捜査部
そんなキヴォトスでは、トップである連邦生徒会長の不在による政治的空白を埋めるため、首席行政官の七神リンが生徒会長の代行となっている。
その連邦生徒会も学園の課題や学園間の紛争介入に消極的な態度を示しており、そんな連邦生徒会に代わってシャーレの先生が各学園の問題や生徒の悩みを解決するため動き回っている。
生徒会長が行方不明になった時は、行政機構が入っているサンクトゥムタワーの管理は連邦生徒会長にあったため、連邦生徒会の行政制御権が喪失。
数千の学園の自治区で混乱が起き、風力発電所がシャットダウンしたり、連邦矯正局と言う日本で言う刑務所に収容していた生徒が脱走したり、不良達が生徒を襲う頻度が増え自警団の治安維持が難しくなったり、出処不明の兵器が出回ったりしていたが、シャーレの先生により混乱は収束している。
連邦生徒会長の行方不明に次ぐ混乱が2つ起きていた。
キヴォトスの衛星軌道を周回していたGPS衛星、情報収集衛星、気象衛星などの人工衛星がロストしキヴォトスの行政や生活に影響を与えていた事。
次にエイギル沿岸警備大学校の警備艦が正体不明の船団を発見し臨検したところ、正体不明の船団は日本国の海上自衛隊と名乗りキヴォトスとの交流を望んでいると言う事だ。
最初こそは、この混乱を収めるため後回しにし、お帰り願おうと思っていたが、彼らはキヴォトスと同じ言語と文字を使っており今のキヴォトスの混乱の原因を知っていると言うのだ。
この混乱の原因を知っているなら事態収束に繋がると判断し、連邦生徒会は日本国との会談を決定した。
キヴォトス カスメル海峡
D.U.やキヴォトスにある学園の8割が所在しているカスパール島、トリニティ総合学園やゲヘナ学園などの学園が所在しているメルキオール島。
この2つの島の間を隔てる海域にカスメル海峡が位置していた。
そんなカスメル海峡にエイギルの警備艦を先頭に見慣れない灰色の軍艦が着いてきていた。
海上自衛隊第1航空打撃護衛艦隊の護衛艦12隻だ。
キヴォトスの首脳陣と会談をするためD.U.港を目指し航行していた。
天を衝くように向けられた大型護衛艦やまとの460mm3連装電磁加速砲、N²機関搭載航空護衛母艦“ほうしょう”の飛行甲板に、翼を折り畳められ駐機しているF−3B戦闘機とF−2C戦闘攻撃機、ほうしょうを守るように布陣されたミサイル護衛艦と無人護衛艦、水上航行する黒塗りの潜水艦。
付近を航行していたコンテナ船の乗組員やクルーザーに乗っている生徒達が、その光景物珍しげに見ていた。
キヴォトス サンクトゥムタワー
サンクトゥムタワーでは日本国の外交官との会談をするため準備を進めていた。
「会議室の手配は?」
「第7会議室の手配ができています」
「資料の作成は?」
「あとは人数分を印刷するだけです」
首席行政官で連邦生徒会長代行の七神リンが会談の準備を指揮していた。
そんなリンの元にある人物が近づいて来た。
「リンちゃん!来たよ!」
「先生、お疲れ様です。お忙しい中すみません」
彼こそが、連邦捜査部シャーレ顧問の先生だ。
特に名前はないが、キヴォトスの生徒や住民からは先生と呼ばれている。
各学園や生徒の悩みを解決するためキヴォトスのあちこちを動き回っているせいか髪は白髪が混じっている。
「まさか、一国の外交官と会談する事になるとはね」
「はい、今回は先生と同じ“大人”で“キヴォトスの外から来た存在”と会談します。恐らく足元を見てくるかもしれません」
会談する相手は先生と同じ“大人”であり“キヴォトスの外から来た存在”。
対するキヴォトスは行政すらも生徒である“子供”達が運営している。
“子供”だからと舐めかかって接してくるかもしれない。
「“大人”である私が同席して足元を見られないようにして欲しいって事だね」
「それもありますが、相手は私達と国交や交易を望んでいるかもしれません。そのまとめ役もしてほしいのです」
「お安い御用だよ!任せて!」
「先生には仕事を増やしてしまうかもしれませんが、よろしくお願いします」
会談の準備は着々と進められていく。
To Be Continued......