お兄様は嫁がせたい   作:たらこ40

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出来るだけネタ拾いしながら進む、と言うのがいいのかな。


お兄様は誘いたい

 いつも昼食は八雲ーズになにか適当に買わせるか、外で適当に食べている。やることは無くても家に籠っていると本格的にニートになったような気分になるからな。

 

 それに俺一人の為にコックに何かを作らせるのは悪い。

 

 かぐやの弁当を作って持って行っているのだから、それと同じものでも構わないのだろうが、家にいるのだからと、態々別の物を作ろうとする。

 

 

 それがお仕事ですからと言われればそれまでだけど、一度、随分と力を入れた弁当をもしよろしければ、と八雲たちの分も含めて出されたことがある。

 

 それでピンッと来た。あぁ、そうかかぐやが原作で、白銀の弁当の件で自分の弁当とおかず交換をする為に高級食材をふんだんに使った物を作らせた話があった。

 

 

 折角だからと、昼食に頂く事になったけど頭の中は今生徒会室はどうなっているか、そればかりに頭がいく。

 

 盗聴の魔法だけでも使いたい誘惑を断ち切って弁当に手を付ける。

 

 

 うむ、白銀が食い損ねた牡蠣が美味い。海老も尾頭付きで……アワビの刺身も入っているのか。

 

 というか、この量、かぐやの一食分には明らかに多いな。特にオカズの部分が山盛りで。あの子はそれ程沢山は食べられない。最初から、誰かに分ける為に作られた弁当である事は一目瞭然だ。

 

 

 原作のかぐやの弁当を思い出そうとするけど、流石に一コマ、しかも弁当のコマなど覚えていようはずもない。

 

 生前の記憶にも、神様のチートはちゃんと働いてくれているのだが、余程弁当のコマに興味が無かったのか、頭には全然残っていない。

 

 

 ちょっと俺には炭水化物が少ないが、バランスの取れ……バランス……は取れていないかもしれないけど、細部に気を付けているいい弁当だ。

 

 夏に食うとしたら、ちょっと怖いけどな。

 

 

 白銀なら、この弁当を見てその意図を見抜いてもおかしくは無い筈だけど、別の事に目がいってしまったせいで、かぐやの本心を見抜けなかったという事か。

 

 

 

 ふむ、やる事は特になし。学院で何が起きているのか時折出てくる早坂の愚痴であたりを付けるしかないと考えていたけど。

 

 これは意外と、外から見ても何が起きているのかわかるかもしれないな。

 

 

 今丁度、かぐやがタコさんウインナーを食えずにテーブルに頭を突っ伏している頃かな。

 

 

 そんな事を考えてその日は過ごしていた。

 

 

 その日の夕食後の珈琲を飲んでいる時、かぐやが楽しそうに色々話してくれた。

 

 

 「庶民の方達がその、お弁当で色々と私達では見た事の無い様なものを食べているので、少し興味があったの。

 

 それでね、私の友人の藤原さんがタコさんウインナーを分けてくれましてね、私、初めて食べたんですよ。タコさんウインナー。」

 

 

 当然、白銀が作ってきた、とは言わない。まだかぐやの中では白銀の事は秘密なのだろう。俺の口から本家にその辺りの情報は漏らさないし、応援もする。と今かぐやに言っても楽し気な空気を壊すだけだ。

 

 

 早坂のいう通り、家族に好きな異性の話は、余程関係性が進まない限りは中々話したりはしない、だったよな。考えてみれば俺も今世は自分の口から親父にも話したことは無かった。

 

 自然と、相談したくなるまで黙っていた方が良いな。

 

 

 

 「藤原というと、あの藤原家のお嬢さんか。パーティーでは何度か顔を合わせた事があるな。

 

 俺と話をするときはいつも顔が引きつっていたのを覚えている。」

 

 

 「お兄さま、藤原さんとお知り合いなのですか。」

 

 

 「あぁ、あの子は意外と社交的な集まりには顔を出す事が多いからな。

 

 俺の年齢をデータで知っていたんだろう。外見の若さもな。それでも初対面の際は面白いくらいに顔が引き攣っていた。」

 

 

 「もう、お兄さま、藤原さんに何か変な事していませんよね。」

 

 

 「いや、フランスでパーティーの際に顔を合わせただけで、特におかしなことは……。

 

 ただ、いつもの仙人ネタを振ったら暫く本気で信じてしまってな。誤解を解くのに少々苦労した。」

 

 

 可愛らしく頬をぷくっと膨らませて怒り顔のかぐやが可愛いな。

 

 

 「やっぱり変なことしているじゃないですか。今後その不老不死とかいうネタは禁止ですよ、お兄さま。」

 

 

 「俺の唯一の持ちネタなんだが。」

 

 

 「周りの人は笑うよりも引き攣る方が多いんじゃありません?」

 

 

 思い返してみれば、確かに、このネタを振った際に周りの反応はいつも微妙だった気がする。

 

 

 「そうかもしれんな。新しいネタを今から考えるか。」

 

 

 「そうなさってくださいな。さて、私はそろそろ自室に戻らせていただきますね。」

 

 

 コーヒーを飲み終えたかぐやがそう告げるとティールームから退出しようと席を立った。

 

 

 あぁ、ここで先日の件、生徒会役員との会食の件を話せば自然な流れになるな。ちょっと早い気もするが、皆の予定も合わせる必要があるし、少し先に予定すれば問題ないか?

 

 石上はまだ生徒会に参加して日が浅いだろうし、今すぐは気おくれもするだろう。もう少しこなれてくる頃。やはりかぐやの相合傘イベントの後あたり。7月の頭辺りにした方が良いな。

 

 

 

 「あぁ、かぐや少し待ってくれないか。」

 

 

 キョトンとした顔で振り向いて止まる。

 

 

 「今すぐではないが、今度、そうだな夏休みに入る前に一度生徒会の皆さんをこの家に招待して夕食をご馳走したいと考えている。

 

 もちろんこの家の主はお前だから、お前が気が進まないというのなら無理にとは言わないが、お前の兄として、妹が世話になっている役員の皆さんに挨拶とお礼をしておきたくてな。

 

 

 何より、お前が楽しそうに話す生徒会のお前の友人たちに俺が会ってみたいんだ。俺の我儘だから、嫌なら断ってくれてもいい。」

 

 

 それに夏休み前に皆でどこかに行く事によって、夏の間のスケジュールも色々と埋まりそうじゃないか?原作の、会えない間にこそ愛が強まるというのも良いがそれと花火大会はまた別腹という事で一つ……どうだろう。

 

 かぐやが誘うのではなくあくまで兄の我儘と言う所が、かぐやの自分から誘うという精神的障壁を小さくしてくれるし、俺も生白銀を見る事が出来る。ついでに次期恋愛頭脳戦のプレイヤー石上もみられる。

 

 

 おそらく、気まずい関係になっているという三年生の他の役員はこないだろう。

 

 

 こんな俺のナイスな提案に、かぐやの顔が一瞬輝き、何かに気が付いたように曇り、暫く考えるような仕草を見せる。

 

 

 

 「えっと、兄さまを紹介する時に何と紹介したらいいでしょうか?」

 

 

 「普通に、お前の兄、四宮雲鷹ではだめか?藤原の娘には知られている事だしな。」

 

 

 「多分、皆さん、兄さまの見た目に戸惑うのではないかと思うのですが。」

 

 

 「今更だ。俺の年齢ネタは財界では鉄板のネタだからな。毎年、威力が増してきているから、同級生なんかに出くわすと面白いぞ?」

 

 

 「ですから、そのネタは今後禁止です。」

 

 

 ふむ……、いい具合に兄妹として遠慮が無くなってきている。それでもまだ八雲ーズや早坂なんかより遠慮があるような感じだが。

 

 

 「……兄さまを、皆に変な目で見られたくないんです。」

 

 

 ……。なんだこの可愛い生物。思わず魂が抜けかけたぞ。不老不死のはずなのに、危うくここで新たな世界に旅立ってしまう所だった。

 

 

 「……、まぁ、年齢を態々伝える必要は無いだろう。元々俺もそう言うつもりだった。藤原のお嬢さんにはお前から、俺の年齢の件、黙っているように伝えてもらえば。俺を兄として紹介しても、若く見えるお兄さんだな、と思われるだけで済むだろう。」

 

 

 「それで誤魔化せるでしょうか?」

 

 

 「世間に出ている情報を一般人がもっているならば、だが。目の前に映る現実と耳にした情報を秤にかけてどっちを信じるか、だな。

 

 意外と人間、目に見える事実に流されがちだ。」

 

 

 そう言うとクスリとかぐやが笑った。

 

 

 「そうですね。その辺りはお兄さまの経験の方が豊富ですものね。わかりましたわ。時期を見て、皆さんを誘ってみますね。」

 

 

 そう言うとスキップでもしそうな足取りでかぐやはティールームを出て行った。

 

 かぐやの後をついていく早坂は、部屋を出るタイミングで無言で右手でサムズアップをしてくれたよ。




ちょいと先にオリ展開が入ります。

自らハードルを上げております。
今から胃が痛いです。
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