お兄様は嫁がせたい   作:たらこ40

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これでストックラストです。

一応、この後はネタの予定として深夜の学院潜入と同衾事件を経て会食、夏休み、花火と流れていく予定でした。


気力が湧けば書き溜めを始めます。
宜しければ、のんびりお待ちくださいな。


対象Fは遠慮したい

 TG部での活動を終え、私はいつものように生徒会室に足を向ける。今日は比較的一回のセッションが短めのゲームをやっていたので、皆さんが集まる時間には少し余裕はある筈。

 

 

 カード中心の簡単なゲームの場合一回のセッションが5~6分以内に終わるものもあるから、何回か遊べるし、手軽で楽しいぃ!

 

 

 テーブルゲームについてよく知らない人の為に説明すると、人生ゲームの様にボードを使ったり、色々な小道具を使って複雑なルールを理解して戦略を練ったりする物もあれば、手軽にトランプやUNOの様にテーブルとカードがあれば出来ちゃうものもあるの。

 

 

 たかがテーブルゲームと侮る人がいるかは分かんないけど、本格的なものになるとゲームの導入部分だけで一時間くらいかかっちゃったり、プレイ時間が6時間とか、かなりかかっちゃうものもあったりするのよ?

 

 

 そんな大作ゲームは流石に休日に誰かの家に集まってプレイするか、1日のプレイ時間を決めて、そうですね……、囲碁の打ち掛けってわかりますか?あんな感じで一度中断して次の日に持ち越す事もある位。

 

 

 私達の場合はプレイルームをそのままにしておいて、次の日の放課後に再開って感じですかねー。

 

 

 だからそんな大作ゲームをするときはー、生徒会をお休みしちゃうときもあるんですよ。

 

 

 今日、そんなゲームをやってなかったのは、良い事なのか悪い事なのか……。

 

 部室を出た後、珍しく私を探していたかぐやさんが話しかけてきたんですよ。

 

 

 「藤原さん、少しお話があるの。」

 

 

 そう言って人気の少ない場所へ手招きするかぐやさん。あはっ!内緒話!恋バナでしょうか!?そんな感じでウキウキしながらかぐやさんの手のなる方へ、いえ、本当に手はなっていませんけど、そんな感じで付いて行ってしまった私がバカでした。

 

 

 周囲に誰も居ない事を確認してから話始めるかぐやさん。ちょっと照れた感じがかわいー!これ、絶対恋バナだ、なんて思っていたんですけど。

 

 

 「あのね、今度夏休みに入る前か、そうね夏休みの最初の日でも良いかもしれない。皆を我が家の夕食にお誘いしたくて。そのね、それで、他の皆さんにお誘いをする前に藤原さんにお話をしておきたくて、声を掛けたんです。」

 

 

 残念、恋バナじゃなかったです、けど、これはこれでグートですよ!

 

 

 「お呼ばれ!滅多に無いかぐやさんちにお呼ばれー。行く、行きますよー、もちろん。え、でもどうしてこんなところに隠れてお話するんですか?それに皆さんって。」

 

 

 そう言うとかぐやさんは少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話してくれる。

 

 

 「ええ、藤原さんはうちの兄を知っているんですよね?その兄がですね、いつも私がお世話になっている生徒会の皆さんを招待したいと言っていましてね。

 

 他の方も予定を合わせる必要はあるでしょうけど、藤原さんもお家の都合もあるでしょうから、早めに確認しておきたくて。

 

 それとですね、兄の件で少し藤原さんにお願いしたい事がありまして。」

 

 

 

 あぁぁあ、かぐやさんの言葉が私の耳を滑っていく……。

 

 

 「え〝え〝!かぐやさんのお兄さんって、論外のお二人じゃないですよね。」

 

 

 「論外って……。まぁ、間違っていないでしょうけど、私にとってお兄さまは一人だって以前お話した事がありますよね。」

 

 

 もちろん、かぐやさんが高校生になってから暫くして、いつものかぐやさんとは全く違う雰囲気になって私に話しかけてきたことがある。

 

 

 皆には内緒ね、って言われたから、今まで誰にも話したことは無いけど。何でもずっといなくなっていたお兄さまから、中学校を卒業したお祝いにカードが送られてきたんだって。だからもしかしたらその内お兄さまが帰ってくるかもしれないって。

 

 その時も今も、かぐやさんの言っている事がちょっと良く解らなかったけど。

 

 それに、なんかちょっと言葉のニュアンスがちがった気がするんですけど。返ってくる?帰ってくる?んんー?

 

 そんな事を言って滅多に笑わないかぐやさんが、楽しそうにしていたのは昨日の事のように覚えています。

 

 

 

 ただ、かぐやさんのいうお兄さまって、多分、間違いなくあの財界の仙人、絶対零度のカミソリ、氷の魔王とか言われちゃってるあの雲鷹様ですよね。

 

 密かに長生きを願う政財界のご老人たちに、崇拝されていたり、本気で仙人としての弟子入り志望者が後を絶たないと言われているあの……。

 

 うちのおじいさまも信奉者の一人だったような気がします。なんでも年を取るほど、馬鹿らしい可能性を信じたくなるんだって言っていましたね。

 

 

 殆どたった一人で、四条家が抜けた後の四宮グループの海外事業を立て直した、立志伝中の人物。そして繰り返しますが、本当に仙人ではないかという疑惑まである男!

 

 

 私あの人苦手なんですよー!初めてお会いした時は確かもう40歳近かったはずなのに、どう見ても15~6歳にしか見えなくて。

 

 お父様から注意されてはいたけど、初めて見た時は吃驚して……。おもいっきりリアクションしたかったのを一生懸命堪えて御挨拶したのに、すっごく冷たい目で私をにらむんですよ?

 

 

 まぁ?後で聞いたらいつもあんな顔をしている方で、あの時も特に怒っている訳じゃなかったってお話でしたけれど……。

 

 

 対照的に声はとっても優しげで、引き攣り笑いをしている私を和ませる為か手品をしてくれて、それがすごく不思議で……、ついなんで?どうして?って聞いちゃって。

 

 

 手品と優しげな声に油断して、何で年を取らないんですか?って聞いちゃったんですよ。そしたら私でも解るくらい、周りがスーッと冷たい雰囲気になっちゃって、雲鷹様は薄く笑って。

 

 

 「実は俺は不老不死の仙人なんだよ。」

 

 

 なんて言うんだから、もう絶対本当の事だって信じちゃって、こわくて震えちゃったんだから。

 

 正直、少し泣いちゃったかもしれないです。

 

 

 後で冗談だよって言ってくれましたけど。あの後何度かお会いしていますけど、いつもあんな感じで氷の笑顔ですし、雰囲気もすごく怖いし。暫くパーティーに参加するのが怖くなったんですから。

 

 あ、でも会うたびに、子供をあやすように手品を見せてくれたのは嬉しかったかも。

 

 

 とっても不思議な手品なんですよ。かぐやさんも言っていましたけど、幾つかの手品はかぐやさんでも種が想像もできないそうで。

 

 私なんかは全然ですけど。天才のかぐやさんにも分からないなんて、どういう仕掛けなんだろうって。

 

 

 あぁ、そんな事を考えている場合じゃありませんでした。黙り込んでしまった私を心配したかぐやさんが不安げにしています。

 

 

 「もしかして、迷惑だったかしら。兄も、もしかしたら藤原さんには怖がられているかもしれないとおっしゃっていましたから、無理にとは言いませんけど。」

 

 

 「え、いいえ!そんな事ないですよ。ちょっとお兄さまの御顔は怖いですけど、声は優しいですし、色々手品を見せてくれましたし。」

 

 

 でも、やっぱりちょっと怖いので出来れば遠慮したいかなぁなんて少し思っちゃったりしているくらいで。

 

 

 でもそんな風にオロオロしている私を見てかぐやさんは少し笑って、私に携帯の写真を見せてくれた。

 

 

 「藤原さんとお会いした時のお兄さまは、お仕事とかで気が抜けなかったらしくて怖い顔をしていたみたいなの。

 

 ほら、みてくださいな。これが今のお兄さまのいつもの表情ですよ。」

 

 

 

 その時……。

 

 折り畳み式のガラケーの液晶画面に映った一人の少年?の笑顔は、強力な衝撃となって確実に私の胸を打ち抜いたの。

 

 

 「ええー!これがあの雲鷹様ですか!?今までは冷たい顔のせいか、多少は年を取っているように見えなくも無かったのに、こんなに爽やかな笑顔になっていたら、確実に今まで以上に年齢詐欺じゃないですか!?

 

 いい加減にしないと警察に訴えますよー!何の罪も犯していませんけど!

 

 あぁ、私自分が何を言っているのか分からないー。」

 

 

  混乱している私にかぐやさんは優しく声を掛けてくれる。

 

 

 「先日、東京の四宮邸に帰ってきてくれたの。暫く、お仕事をお休みしてのんびり過ごされるってお話で。

 

 私もお兄さまに再会した時には驚いたわ。以前とはすっかり様子が変わって、柔らかくおなりになって。」

 

 

 「柔らかくっていうか、もうほとんど別人ですよね、これ。」

 

 

 「うう……、そうね。それは少し否定できないかも。それで、藤原さんは招待を受けてくれるのかしら。」

 

 

 そう不安げに首を傾けるかぐやさんに、嫌です、とは中々言えない訳で、はい。思わずうなずいてしまいました。

 

 

 喜色満面のかぐやさんからお礼を言われて、満更でも無くて思わずにぱーってなっちゃいましたよ。

 

 あぁ、やってしまった。

 

 

 「それでね、藤原さんに相談と言うのは、兄の、年齢の事なんです。」

 

 

 「あぁー、そうですよね、雲鷹様、あれで42歳位でしたっけ。犯罪的なギャップですよねー。」

 

 

 「それは少し言い過ぎ……でもないかもしれませんけど。兄もそのあたりのことを気にしているので、出来れば生徒会の皆さんには兄の年齢の件は内緒にしてほしいの。」

 

 

 「あー……わかりましたけど、その内漏れちゃう可能性ありますよ。かぐやさんのお兄さんの話、上のお二人は兎も角、雲鷹様に関しては有名ですし、調べようと思えば一般人でも調べられちゃうと思います。

 

 もしかしたら既に知っている可能性もありますし。」

 

 

 そう言うと万事解っているという風に頷いてかぐやさんが笑う。

 

 

 「ええ、その時は仕方ありませんから。兄も解ってくれると思います。

 

 ……それに見た目のインパクトで、そんな情報頭から飛んでしまう可能性もありますし。」

 

 

 「あぁ……。それはそうですねー……。今の雲鷹様が、写真の通りだとしたら、少なくとも私は騙される自信がありますし。」

 

 

 それにしても雲鷹様って、やっぱり年齢の事ご自分でも気になされていたんだ。あー……なんか悪い事しちゃったのかなー。やっぱり顔を合わせづらいですね。

 

 でも、なんか可愛い所もあるんですね。かぐやさんのお兄さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応潜入の方は7割、同衾事件は最初のさわり迄書いているんですが、気力を補充して頭の中でキャラクター達を会話させて、書けると思ったら書きますね。


それでは少しの間、サラダばーです。
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