お兄様は嫁がせたい   作:たらこ40

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心理テストネタ、さわりだけにします。
ネタは考えているのですが先は長いですし……。没、かな。

この先も細かいネタは飛ばし飛ばしになるかも。


次弾装填終了、残念ながらストックは1をキープ状態ですね。
のんびりいきましょうー。


同衾イベント発生中

 まぁ家にいて、かぐやの話や早坂の話を聞くだけでも、大体秀知院学園の中で何が起きているのかは、ある程度分かるもので。

 

 

 早坂が深夜の学校潜入をやらかそうとしたから、後ろからついて行って混ぜてもらったり、自分でも半分忘れていた強靭な肉体の性能により、早坂が驚くような身体能力を発揮して赤外線センサーを躱したり、緊急回避の為に窓から外に脱出してみたり、お姫様抱っこした早坂に「急に何をしてくれるんですか」と怒られたり。

 

 

 

 食後の時間にかぐやから急に心理テストをふられたこともあった。恐らくはテスト内容を覚えるついでに、俺を巻き込んで談笑したかったのだろうが。

 

 幾つかの質問のうち、原作に出た質問も答えたがかぐやは答えを教えてくれなかったりニヤニヤしながら揶揄ってきたりして、まぁ随分と楽しそうだった。

 

 

 原作で出てきた質問に関しては、檻の中の子猫はゼロと答えたし、肩を叩かれて振り向いた先に居た人はかぐやだと答えておいた。

 

 檻の時は、何でゼロなのですか?と聞かれ、「子猫を檻に入れるのはあんまり好かん。母猫と落ち着く場所にいてほしいからな。」と答えてかぐやを悩ませたが、振り向いた先に居たのがかぐやだという答えには十分満足させたみたいで、「お兄さまは私の事が好きなんですね!」と揶揄ってきた。白銀と同じように、「あぁ、だとしたらシスコンかもしれんな。」と言うと嬉しそうに「そうなんでしょうね。」と笑っていた。

 

 

 

 前世での初恋だし、今でも推しだからな。それに妹だから好きなのは当たり前だろう。救いは、この約17年でかぐやが俺にとって本当に妹になった事だ。ここで変に拗らせなくてよかったと言わざるを得ない。

 

 

 

 本当はもっと学校で色々あったんだろうが、時間はあっという間に過ぎていく。先日かぐやから会食の予定が夏休みの初日になった事を伝えてきた。本来は藤原のお嬢さんが初日から海外に行く事になっていたらしいのだが、早めに話をしておいたおかげで、出発日を一日遅らせる事が出来たとか。

 

 その日は藤原のお嬢さんは四宮邸に泊まって、翌日ご家族と空港で待ち合わせをする予定にしたらしい。

 

 

 他のメンバーが当家に宿泊するかは流れ次第、だな。

 

 

 

 毎日が日曜日の今の俺にとっては、何時でも問題は無い訳だから、もちろん快諾しておいた。これでようやく生白銀を見る事が出来るなと考えていたある日。

 

 

 

 台風が来て、妹がびしょ濡れで帰ってきた。

 

 

 結構体を冷やしたらしく、少し体が震えていた。急いで、身体を拭いて風呂で体を温めたが、運命は変えられないらしく、翌日風邪をひいたかぐやはアホになって寝込んでしまった。

 

 あぁ、そうか。このイベントを忘れていた訳じゃないが、自分がその時にこの場にいるとは考えていなかった。さて、どうするべきか。このままだと確実に白銀御行が家に来るな。

 

 

 「申し訳ありません、雲鷹様。私が付いていながら、かぐや様がこのような事になってしまいました。」

 

 ゴホゴホしながら寝込んでいるかぐやのベッド脇で本気で申し訳なさそうに頭を下げる早坂。

 

 

 「おにいちゃん……。早坂は悪くないの。」

 

 

 初めてかぐやにおにいちゃんと呼ばれて固まっている俺。初めて呼ばれた時は「にぃに」だったからな。心の中ではこう呼びたかったのかもしれない。今の状態であれば、まだ判断能力が残されているが、この後おそらくかぐやは半分寝ている状態になり、アホになる。

 

 原作の雲鷹よりは側に居た時が多かったからか、何度かそんな状態のかぐやを見たことはある。

 

 

 「早坂、かぐやは俺が見ているから、お前は学校に行っておけ。」

 

 そうしてしまえば、原作のイベントは回避されてしまうが、ここは一番暇な俺が面倒を見るべきだろう。妹だしな。

 

 

 「いえ、お側に居ながらかぐや様をびしょ濡れにさせてしまったのは、私にも責任がありますし、着替えなど同性の手も必要になるかと思われます。かぐや様お世話は私にやらせてください。」

 

 

 着替え、か。確かに年頃の娘の看病など、出来れば同性の方が向いているか。

 

 

 「そうか、すまんな。早坂の言葉に甘えよう。」

 

 

 「お任せください、雲鷹様。」

 

 

 何時までも年頃の娘の寝所にいる訳にもいかないからな。そっと部屋を出る。

 

 

 「え、おにいちゃんどっか行っちゃうの?やだやだやだやだ、いなくなっちゃやだよ、にぃに。」

 

 

 急速な幼児化を成し遂げていくかぐやを早坂があやして大人しくベッドで寝る様に誘導する。実に十数年ぶりの「にぃに」呼びの衝撃を受け流す事が出来ずに、少々よろけながら。

 

 

 

 「どこにも行かんよ。」

 

 

 と一言残してから。

 

 

 どうにか寝かしつけてきた早坂が厨房にかぐやの朝食をオーダーする頃には、俺からかぐやと早坂の病欠の連絡を入れておいた。

 

 俺が学園に直接電話をすると声が若いせいで怪しまれるので、事情を把握している校長に直接、だけどな。

 

 

 だけど実際どうするか。この様子だと原作の様に早坂が悪ふざけか、それとも踏ん切りがつかない主へ発破を掛けたのかいまいちわからんが、白銀をかぐやの寝所に置き去りにする、という原作前半の山場の一つ、同衾イベントが発生しないかもしれん。

 

 

 というか、まず今の早坂だとやらかさないだろうな。俺がいる影響はそれ程弱くないみたいだ。

 

 

 白銀会長に関しても、上手い所かぐやの寝室へ放置できたとして、見舞いの前に顔合わせをすればほぼ確実にかぐやからの強引な同衾の誘いにも一度は負けても、睡魔に必死で耐え直ぐに出てしまう可能性が高い。

 

 原作ではかぐやに本当に何かがあった場合に備えてだと思うが、ドアの外に早坂が待機していた。

 

 

 

 「ふむ、生徒会長さんは見舞いに来るかな。」

 

 

 「今までの流れでしたら、ほぼ間違いなくいらっしゃると思います。」

 

 

 「会長さんがどんな男か、試すか。」

 

 

 そう言う口実で前提条件を整えよう。その後、早坂と簡単な打ち合わせをしておいた。

 

 

 

 

白銀御行視点

 

 どうしてこうなったのか。いや、俺も色々と流されてしまった感がある事は否定できない。

ゲームを勝ち抜き、四宮のお見舞いに行く事になって、途中お兄さんがいる事を思い出して、玄関で挨拶してからプリントと手土産を渡して失礼する予定だった。

 

 お兄さんにしてみれば、病気の妹さんに会いに来た得体のしれない男なんか警戒の対象でしかないだろうからな。

 

 だが、対応に出てくれたスミシー・A・ハーサカさんの言うには、お兄さんは仕事が忙しくて今日は部屋から出てこれないらしい。少々怖気づいたのは否定できない。玄関先で品物をお渡しして四宮に宜しく伝えてほしい旨話したら、そう言う事は直接言った方が良いとやや強引に四宮の寝室へと連れ込まれてしまった。

 

 数時間、二人っきりになってしまう事や防音がどうとか四宮の記憶がどうとか、まるで煽っている様な話を聞かされて、ほぼ判断能力を失った四宮と二人きりにされ、どんな話の流れなのかそのままベッドに引き込まれた。

 

 

 「かいちょーもうちに住む事になったの?きいてない!」「にぃにとかいちょーがいれば毎日が楽しすぎてたいへんね。」「照れてるの?おかわいいこと……。」

 

 

 四宮かぐやの柔らかく、眠たげな声に包まれて誘われて、ドキドキが治まらなかったはずなのに気が付いたら意識が落ちていた。指先に暖かな感触を一つ、手に入れた後で。

 

 

 気が付いたら、目を覚ました四宮にベッドから追い出され、出て行けと怒鳴られ、慌てて部屋の外に出たら目の前に若い……年の頃は四宮と同じか僅か下くらいの、少し驚くくらいの美形の男がいた。

 

 

 おそらく間違いなく、少し若く見えるけど四宮のお兄さんだろう。あぁ……本当に最悪だ。今は無言で付いて来いとアピールされて、言われるまま四宮家の応接室に通されて、ソファーに座って対面している。

 

 

 目が、な。物凄く冷たい目をしているんだ。まるで初めて会った時の四宮を数倍冷やした感じの目と雰囲気。未だ無言のお兄さんに俺からも何も言えずにただ黙って座っているしかなかった。

 

 

 「……大体は見張らせてもらっていた。」

 

 

 衝撃の一言がお兄さんの口から発せられる。これは……本当に不味いかもしれない。こんなところで躓くなんて。クソっ!どうしてこんな事に、油断だ。いやでも俺は自分からベッドに入った訳では無いし。いや、言い訳か……。

 

 

 お兄さんからの冷たい視線と謎の圧力が高まってきて、いよいよこれは駄目かもしれんと思い始めた頃、いきなり圧が無くなって、視線も緩まった。

 

 

 「ま、唇一つ指先だけでってのは情けないけどな。」

 

 

 にやり、という言葉が似合いそうな悪い顔を一つしてから続ける。

 

 

 「意気地は無いが、妹の側に置いても安心できるくらいには自制心もちゃんとある。あの状況で惚れた相手に手を出さねぇってだけでも、誠実だとは理解できる。

 

 まだかぐやから紹介されていないからな。名前は名乗らん。お前さんも今は名乗らんでいい。」

 

 

 「……、はい。わかりました。あの、今回の事は言い逃れをするつもりはありませんが、その」

 

 どれだけ頭を高速回転させてもこの場で身内に対して出来るいい訳なんてたかが知れている。

 

 俺の言いよどんでいる言葉を片手を上げて止めると、先程とは全然ちがう優し気で、それでいて揶揄い顔のお兄さんになった彼が話を続ける。

 

 

 「まぁ、この状況で何を話しても説得力はねぇわな。だが実際問題手は出してねぇ。誠実な奴だと評したろ?今はそれで言いたい事はしまっておけ。

 

 幾つか確認する。虚偽や韜晦はゆるさねぇ。その場合はそういう奴だったと判断する。

 

 あぁ、安心しろ、この場で話したことはかぐやには漏らさねぇ。約束だ。どんな胸糞悪い話が出たとしてもな。」

 

 

 再び強まる圧と凍るような目に思わずつばを飲み込んでしまう。クソっ、こんな事で四宮を……。

 

 

 「わ、わかりました。」

 

 

 返事が自然と小さくなる。

 

 

 「お前さんは……かぐやに……。惚れているのか?」

 

 

 いきなりド直球を投げられて、即答できなくなる。

 

 だけど、ここで怯めば、誤魔化せば一生お兄さんから理解を得ることは出来ない。まさか四宮に告らせる前にお兄さんに告らされることになるとは。

 

 言葉を詰まらせていると言葉が続いた。

 

 

 「安心しろ、今はまだかぐやは混乱したまま侍女と騒いでいる最中だ。この部屋の会話は録音、録画含めて記録は一切されてもいない。俺からも誰にも漏らさない。そう言う条件だ。

 

 本心を言え。」

 

 

 ここで怯めば俺は終わりだ。男として、四宮かぐやに想いを寄せる一人の男として。キッと目に力を入れ、お兄さんの目を見る。

 

 

 「ええ、俺は四宮かぐやが好きです。あ、愛していると言って良いのか、こういう経験が初めての俺では判りません。

 

 ですが、かぐやさんの事を考えると、胸が潰れそうになるくらい苦しかったり、彼女に相応しい男になる為にじっとはしていられないくらいには……想っています。」

 

 

 「それでこの状況で指一つ唇に、か?意気地がないのか、何なのか。ただ、俺の立場としては傷つくかもしれんかぐやが無事だったことを喜ぼうか。」

 

 

 「あの、この状況はわざと、ですか。」

 

 

 「あぁ、混乱してはいても頭はまわるな。妹が気になっているかもしれない男が見舞いに来たんだからな。その男を見極める位はさせてくれ。

 

 とは言え、まさか妹からお前さんをベッドに引き込むとは思わなかったが。こりゃ、本当に妹の記憶に残らなくてよかったな、お前さん。」

 

 

 揶揄う様に笑うお兄さん。少し、意地が悪い様な気がするんだが、立場を入れ替えて圭ちゃんに近づいて来る男を兄の立場で観た時に、同じような状況になってこんなに寛大でいられるか自信がないな。

 

 もしかしたら手が出てしまうかもしれない。

 

 

 「先ほども言ったが、ここでの会話は無かった。俺達の初対面は会食の時になる。お前たちの仲を引っ掻き回すつもりはあんまりないんだ。

 

 妹に恨まれたくはないからな。ただ、お前さんが真剣な気持ちなのかを知りたかった。

 

 なに、身の潔白は家の優秀な侍女が確認するだろうさ。

 

 八雲ーズ。会長さんを送ってやれ。自転車できているなら、積み込んで持って行ってやれ。もう外は暗いからな、将来の妹の旦那になるかもしれない相手を事故かなんかで失う訳にはいかん。」

 

 

 だ、旦那って。まるで女子の様に顔が赤くなっているのが自分でもわかる。いや、そのつもりだしその覚悟はあるけれど、いきなりお兄さんにそんな事を言われれば誰だってあせるだろう?

 

 

 「あの、今日は本当にお騒がせしまして申し訳ありませんでした。」

 

 

 「悪い事をしたわけじゃあるまいし、仕掛け人に謝る必要はないさ。ただ、早めに妹と仲直りしてくれよな。」

 

 

 悪戯っぽく笑ったその顔はどことなく四宮かぐやを思わせる笑顔だった。

 

 

 

 

 後日、四宮とは仲直り出来たが、そこに至る道も色々あった事を追記しておく。人とはケーキ一つで修羅場を迎えるものだと学んだ。




かぐやの寝室を盗聴、盗撮したわけではありません。
原作と同じように早坂が扉の前で待機していただけです。

唇に指一つ、は原作メタで鎌をかけてみただけですね。

せっきょーみたいになるパターンてあんまり好きじゃないんですけど、妹と同衾してしまった男とお話するとどうしてもせっきょーに近くなってしまいますね。


お兄ちゃんのセリフが一部わかりづらいですね。一部削除するか直すか考えますね。
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