灰かぶり武闘伝CINDERE-LLA   作:sumisode

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二 レンズ豆破壊指令

娘日中家事に勤しみ、残り半分稽古に励み、ついにあれから3週間、その強さおよそ5割増し。しかし人とは万能あらず、どんな人でも人であるなら、3週間もの厳しい稽古、まして重なり激しい労働、娘の体は日に日に弱り、武闘会より7日前、顕現なさるは疲れども。働くことすらままならず、常にベッドで寝たきりで、不審抱いた継たちは、以下の会話を広げたり。

「あの義妹兼お女中さん、こんなに疲れてどうしたことか、あいつがいなけりゃ家庭は回らず、これは甚だ迷惑だ」「実は私は気づいてた、あいつが夜な夜な家をば抜け出し、午前の3時に帰ること、9日前から気づいてた。何してるんだか知らないが、どうせ無能の愚妹だし、ろくなことじゃあないでしょう」「心当たりはすぐそこに。義理の娘はあの時言った、わたしも武闘に行きたいと。やつは古武術地主の娘、まして武闘に一家言、きっとそのこと関連している。推測するにはやつは特訓、大会出るため隠れて特訓、そして当日居丈高、反対している私ら負かせて大会出場認めさせろと」「ああお母様、ご明察。かなりありえるその線に、点と点とが繋がった。恐らくあなたの言う通り」「それで母様、どうします?あんな義妹、連れては行けず、今すぐ即座にやめさせますか?」「しばらく間に泳がせおやり。純真清楚な娘さん、必死になってて滑稽だ。当日くるまで放置しましょう」

そして3人、7日間、1つも漏らさず押し黙り、娘泳がせ身の淵で、滑稽話の水薬。つゆとも知らず娘さん、毎晩カノーの元へ行き、特訓せられし筋斗雲、とんぼ返りで家帰り。

 

やがて迎えし武闘の日、継は灰をばお呼び出し、彼女に言いつけ道理欠き、おかしおかしと嘲笑し。

「おおシンデレラ、シンデレラ、お前に言いたいことがある。わたし全てをお見通し。お前の行動お見通し。お前は武闘に行かせない。何があっても行かせない」「ああ御義母様、あまりにひどい、これが私の生きがいで、これのためには命を捨てる、そんな覚悟で励んできました。それを笑って阻止するなんて、いくらなんでも酷すぎますわ」「お黙りなさい、お女中さん。お前に向かえる道はない。そんなに武闘に行きたいのなら、一つお前に天祐をやる。さっき私は灰の中、一つ落としたレンズ豆、この豆見つけて、一刀両断、豆をきれいにふたつに割りな。お前武術の伝承者、ならばこんなの容易だろ、これができれば連れて行く、できぬだったらお前は女中」

継はデレラを揶揄って、無理難題をば押し付けた。しかし彼女は度外視していた、難題ではない可能性。デレラの武道は人智も超越、まして神から習いしは、豆を見ずとも見つけ出し、二つに割るなど容易なしぐさ。そしてすぐさま灰デレラ、念写によってのオカルト殺法、豆の位置をば探り出し、顔に似合わず胴間声、「灰かぶり神拳、レンズ掌!」豆が灰から浮かび出し、すぐさま姿を露見させ、そして音なく二つに割れて、継の策略二つに割れた。

「さあ御義母様、約束通り、私を武闘へ連れてって」「だめだめ、まだまだこんなものでは、連れてくわけにはいきません」継は10個のレンズ豆、どこからともなく持ち出して、そしてそれをば灰に投げ、攪拌なさって御手汚れ。「おおシンデレラ、灰かぶり。この灰の中のレンズ豆、10個全てを見つけ出し、それを同時に割りなさい。人間超えたるこの所業、さすがお前もできるまい」「ああ意地悪ね、御義母様。でもそれご注文とあらば」デレラ灰より10個も見つけ、すぐさま両断、20個に。「もう言い逃れはできません。私を武闘に連れてって」「お前は馬鹿だ、大馬鹿だ、はなから私にそんな道なく、今のはお前を揶揄って、あえて投げたる無理難題、それできようができまいが、お前を連れてくはずがない」「約束破り、御義母様、そんなんだから嫌われて、すぐに夫をなくすのよ」「言っていいこと悪いこと、お前はわかっていないのか、今のは流石に酷すぎる、これで私も心を決めた、何があっても連れて行かない」「ああ、あんまりよ、あんまりよ」

 

継母継子は馬車に乗り、約10時ごろに家立った。しかしデレラは墓の前、木々の前にてたちすくみ、そして彼女の思いしことには、「馬車がなくとも筋斗雲、あの大会には行くことできる。しかし問題、私の服装、こんなボロ着の娘では、すぐに継母見つかって、家へ送還、返される」そこへ出でたる嘉納治五郎、灰に向かって言いしことには、「だったら私がお前の衣装、いや道着をば作ってやろう。これでも私は神様だ。魔法を使うのわけもなく、すぐにも綺麗な道着を生める」「ああ嘉納さん、ありがとう。神が魔法を使うとは、キリスト教徒がブチ切れて、コメント欄にて罵詈雑言、奇蹟と書いときゃまだマシか、されどそんなの関係ない、ああ嘉納さんありがとう」そしてカノーの叫ぶ呪文は、ビビデバビデブの類なく、「講道館柔道、最終奥義、かぼちゃの馬車当て身!」たちまちデレラの纏う衣装は、立派な道着に早変わり、そして彼女の足元は、ガラスで作った二足足袋。「お礼を言っても言い切れません、ああ嘉納さんありがとう」「礼を言うには及ばない。ただし魔法にゃ限度もあって、0時までにはすべての方つけ、すぐにこの家帰還せよ」「承知しました、嘉納さん。ではすぐ向かいにまいります」娘突然とんぼ返りで、そこに現れ筋斗雲、かぼちゃの形の筋斗雲、シンデレラを乗せ飛び去った。

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