シンデレラは遅れてやってくる   作:白雪(pixivでもやってる)

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とあるシンデレラ

サンドリヨン(2009~2019)(牝)(尾花栗毛)

 

 

父ステイゴールド

母オリエンタルアート(父メジロマックイーン)

 

 

おもにこの配合はステマ配合と言われニックス(優秀な競走馬が産まれる可能性が高い)とされている。

例)ゴールドシップ、フェイトフルウォーなど

 

近親(全兄弟)

 

・ドリームジャーニー(朝日杯FS、宝塚記念、有馬記念)

 

・オルフェーヴル(クラシック三冠、宝塚記念、有馬記念)

 

・リヤンドファミユ(若駒ステークス)

 

・アッシュゴールド(デイリー杯二歳S二着)

 

牝系を遡るとハイボルテージ(CCAオークスなど)、マジェスティックライト(マンノウォーSなど)、シンコウスプレンダ(京成杯オータムハンディキャップ、エルムS)などがいる。

 

 

馬主はタニノギムレットやウオッカで知られる谷水雄二。

 

厩舎は兄たちと同じ池上厩舎。

 

 

名前の意味はフランス語でシンデレラ。

馬主はまさかこれほどまでにぴったりな名前になるとは思わなかったと思う。

 

 

■三冠馬の妹

 

三冠馬オルフェーヴルがクラシック戦線で(いろんな意味で)大暴れしていたころ、夏にデビュー。

 

不利を受けながらも単勝1.2倍に応え完勝、次戦は強気にG2小倉二歳Sに挑戦してこちらも勝利。

 

そのときは二冠馬であったオルフェーヴルの全妹が重賞を制したので話題になった。

 

阪神ジュベナイルFに駒を進めたがジョワドヴィーヴルに一歩届かず二着に。

 

今思えばこのときから晩成型とはいえ確かな素質を感じさせていたのである。

 

 

■敗戦続き、苦難のクラシック

 

桜花賞トライアルであるチューリップ賞を快勝しジョワドヴィーヴルへのリベンジをしっかりしたあと挑んだ桜花賞。

シンザン記念馬ジェンティルドンナや二歳女王ジョワドヴィーヴルをチューリップ賞で破ったことと、三冠馬オルフェーヴルの妹効果で一番人気、単勝1.4倍の期待を背負うこととなった。

 

だが道中かかりっぱなしで脚が届かず僅差の三着。

チューリップ賞で倒したジェンティルドンナに勝たれ、二着は後のヴィクトリアマイル連覇のヴィルシーナが入った。

 

次は当然オークス……と思いきや、陣営は日本ダービーを選択。

相手関係を見たのではなく、日本ダービーを走るところが見たかった、とのこと。(まあ桜花賞負けたダービー牝馬は同馬主だし)

 

大外から追い込むもディープブリランテが粘って二着。

 

秋華賞はまたもやジェンティルドンナとヴィルシーナに先着され三着。

 

兄妹対決となったジャパンカップもジェンティルドンナにぶつかられた兄オルフェーヴルのあおりを受けて体勢を崩し三着に。

 

三着以内だしよくやってるのだが、いまいちかゆいところに手が届かない競馬をしていた。

 

 

■前哨戦は勝てるのに……

 

四歳初戦の金鯱賞を五馬身流しての圧勝レコードで勝利。

 

続くグランプリ宝塚記念は馬群に包まれたことでやる気をなくしてしまったのか四着。

 

天皇賞秋は同じ白狼ファーム出身の幼馴染みジャスタウェイが覚醒し千切られ二着。

 

次走は勝ち癖をつけたいとのことで、有馬記念やジャパンカップではなく阪神カップを選択。

 

ここを楽々と勝利。

 

ううむ、やはりG1になるとダメになる……?

 

 

■まだ馬体が幼いってまじ?

 

五歳初戦京都記念ではジェンティルドンナが沈み間からするりと抜け出したサンドリヨンが勝利。

 

宝塚記念は着順こそ去年よりひとつうえの三着だったが敗北。

 

天皇賞秋ではイスラボニータ、ジェンティルドンナを抑えて一番人気になったもののスピルバーグに半馬身届かず二着。

 

有馬記念はエピファネイア、ゴールドシップ、ジャスタウェイ、サンドリヨンの有力馬四頭が揃って大外枠から順に占拠。(そんなことってある……?)

 

出遅れたことと枠の不利でまたもや二着。

一着は有終の美を飾ったジェンティルドンナ。

 

 

ジャスタウェイやジェンティルドンナが引退を発表し、ゴールドシップやサンドリヨンは現役を続行することとなった。

 

そして、ファンの間ではサンドリヨンの馬体重がなかなか増えない(成長してない)こと、馬体が緩く成長の余地があること、兄オルフェーヴルや母父メジロマックイーンが相当の晩成型であったことを踏まえて、もしかして本番は来年なのではと囁かれた……。

 

 

実はそれ、正解なのである。

 

 

■シンデレラストーリー、開幕

 

初戦は京都記念。

ここは負けられないとばかりに快勝。

桜花賞馬ハープスターやダービー馬キズナがいたが一蹴した。

 

ちなみにここらは兄たちの鞍上池副謙一へと主戦が変わった。

 

 

ヴィクトリアマイルではもう一頭のシンデレラ、ストレイトガールに敗北。

 

 

120億円事件と呼ばれた伝説の宝塚記念では、ゴールドシップが立ち上がって大きく出遅れたことに驚いた彼女も仲良く出遅れ、シンガリからとんでもない脚で迫り三着。

 

オールカマーは前壁がたたり三着。

 

そして初めてエリザベス女王杯に参戦。

惜しい戦い続きだったが、陣営には確信があった。

 

「馬体が出来上がってきた(!?)からいける……!」

 

460キロほどであった彼女の馬体は、488キロほどにまで成長していた。

見たらすぐ成長分だと気づくレベルである。

 

 

スタートをばっちり決め、珍しく逃げたサンドリヨン。

最終直線はどんどん着差を馬なりで広げて悲願のG1初制覇となった。

 

とんでもない末脚で制したジャパンカップ、持ったままゴールドアクターを牽けた有馬記念と怒涛の三連勝。

 

 

年度代表馬こそ無敗のモーリスに譲ったが最優秀四歳以上牝馬の座に輝いた。

 

 

■シンデレラ(魔王)、世界へ行く

 

放牧を挟み、次なる舞台はドバイシーマクラシック。

 

サンドリヨンの他にドゥラメンテなどが出走。

 

一番人気に推され、エリザベス女王杯同様逃げを選択した彼女は多少のリードは保ちつつ、スパートをかけて最終直線でどんどん後続を引き離していき勝利。

このときのタイムはドバイシーマクラシックのレコードタイムであった。(2023年ドバイシーマクラシックでイクイノックスが更新)

 

 

帰国し、次戦はヴィクトリアマイル。

同期の七歳牝馬かつ、去年のヴィクトリアマイルとスプリンターズSを制したもう一頭のシンデレラ、ストレイトガールとの二強対決と目された。

いかに覚醒したサンドリヨンといえど、今まで彼女が勝ってきたのは中距離。マイルだとストレイトガールに分があるのではないかと言われた。

 

レースは中団に両馬位置し、最終直線で二頭が抜け出し叩きあいとなったが……

 

これもまた、勝ったのはサンドリヨン!

 

シンデレラ対決の勝者となった。

 

三歳から五歳までは繊細な性格で、体調を崩すこともあったそうだが、六歳七歳と本格化してからは体調不良もなくなったという。

 

グランプリ秋春連覇を狙うため宝塚記念に出走したサンドリヨンは、後のG17勝馬キタサンブラックや二冠馬ドゥラメンテを捩じ伏せ余裕で完勝。

 

年内引退が決められており、次走がラストランなことは発表されていた。

 

そのレースはなんと、オーストラリアのコックスプレート。

 

いわゆるオーストラリアの中距離最強決定戦である。

 

オーストラリアは検疫が厳しく、ドバイシーマクラシックに春参戦してたサンドリヨンは本来オーストラリアに遠征できなかった。

 

だが規定の見直しが行われて、急遽出走できることとなったのだ。

 

厳しい検疫に耐え、現地の慣れない調教も我慢した彼女の精神力はとてつもないものだった。

 

しかも帯同馬なしである。

 

このときのコックスプレートには、連勝記録がかかってる女傑ウィンクスや他G1馬も出走。

 

サンドリヨンは二番人気となった。

 

レースは滞りなく進んでいたが、先行有利のムーニーヴァレー競馬場で後方待機していたサンドリヨン。

最終コーナーで一気に加速し先頭のウィンクスに並んだ彼女は直線で引き離す。

 

結果四馬身離しての圧勝で、ウィンクスと三着馬の着差は五馬身。

 

はっきり言って直線が短い(中山の直線より短い)この舞台でこのパフォーマンスは化け物としか言いようがないのである。

 

 

ウィンクスはこのときレーティング132を獲得。

サンドリヨンは133を獲得した。(1900から2100のl部門で)

 

 

 

さらに牝馬としても最高評価。

 

そして文句無しの年度代表馬に選ばれた。

 

 

 

引退後は生まれ故郷の白狼ファームで繁殖牝馬として過ごすこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、競馬の神は残酷である。

 

三番子を受胎した直後、サンドリヨンは誘拐され、死亡してしまう……。

 

 

■母として

 

二頭しか産めなかったサンドリヨンだが、二頭とも顕著な成績を残した。

 

どちらも父親はドゥラメンテ。

 

 

2018年生

 

シャルルマーニュ(牡馬)(栗毛)

 

ドゥラメンテ初年度産駒にしてサンドリヨン初年度産駒。本来初年度同士をあわせることはまずないのだが、キングカメハメハやルーラーシップ、ロードカナロアと交配して受胎しなかったため、苦渋の決断であった。(サンドリヨンが初めてなのに暴れない大人しい性格だったのもある)

 

ドゥラメンテ産駒重賞一番乗りも彼である。(京都二歳S)

 

クソデカストライド走法を武器としている。

 

 

2019年生

 

ラシレネッタ(牝馬)(栗毛)

 

小柄な馬体に驚異的なスピードを積んだ天才少女。

兄とは違って異常な回転数のピッチ走法を武器としている。

名前の意味はイタリア語で人魚姫。

どうか母親のように儚い存在にならないようにしてほしい。

 

 

エピソード

 

■オルフェーヴルとサンドリヨン

 

厩舎が同じで全兄妹で馬房も隣。

放牧地ではどちらかが先に帰すと残ったほうが嘶くくらい仲良しだったという。

 

コーナリングがどちらも得意で祖父サンデーサイレンスもそうであった。

 

オルフェーヴルは引退後社団スタリオンに行ったが、サンドリヨンのいない生活に耐えらなかった。だがサンドリヨンの馬着やメンコ、写真などを用意することでなんとか持ち直したという。

 

 

■後輩とサンドリヨン

 

ドバイ遠征では、年上として日本馬の後輩たちをリードしていたという。

帯同馬がいなくてもサンドリヨンとなら安心な馬はたくさんいた。

 

特にその反応が顕著だったのが二冠馬ドゥラメンテ。

荒々しく、その名に相応しい気性を持ち合わせていた彼は調教帰りのサンドリヨンをじっと見つめる、シャワー後のサンドリヨンに興奮する、レース後ウイニングランしようとするサンドリヨンについていこうとする……などなどのエピソードがある。

 

キングカメハメハ、ロードカナロア、ルーラーシップでも受胎しなかったサンドリヨンを受胎させてるあたり相性はよかったのではないか?

 

 

サンドリヨンを慕っていたのはキタサンブラックも同じである。

 

有馬記念のときにゲートが隣で彼にしてはゲートで興奮して少し暴れたことがあった。(サンドリヨンは興味なさそうにしていた)

 

宝塚記念で再戦し、栗東トレセンに戻ったあとサンドリヨンとすれ違って振り返ってじっと見るほどであった。

 

 

サンドリヨンが生きていればキタサンブラックとも配合したかもしれないと考えると本当にやるせない。

 

 

■幼馴染み

 

白狼ファームで一緒に育ったジャスタウェイとは仲良し。成長しレースで戦うようになったときも覚えてるらしく、たびたび顔を寄せているところがみられる。

 

 

評価と特徴

 

■特徴

 

適正距離はマイルから中距離。有馬記念も勝っている。

 

脚質はどの脚質でも結果を残しているため、自在脚質とみていいだろう。

 

場合によってピッチかストライドか走法を切り替えるタイプであり、これは兄オルフェーヴルも同じ。

 

コーナリングが非常にうまい。

 

精神力が強く海外輸送も平気。

 

性格は池上調教師曰く「記憶力がいい」、池副騎手曰く「賢く言われたことをすぐ実行できる素直な性格」

 

■評価

 

レーティングで牝馬最高評価を得ている。

 

コックスプレートで倒したウィンクスはその後無敗で引退。

もしサンドリヨンが倒してなかったらG125勝の33連勝で引退していたのだ。

 

シンデレラが唯一つけたウィンクスの全盛期の黒星は一生語り継がれるだろう。

 

 

 

■競走成績

 

2011 新馬戦 一着

   小倉二歳S 一着

   阪神ジュベナイルフィリーズ 二着

 

2012 チューリップ賞一着

   桜花賞 三着

   日本ダービー 二着

   秋華賞 三着

   ジャパンカップ 三着

 

2013 金鯱賞 一着

   宝塚記念 四着

   天皇賞秋 二着

   阪神カップ 一着

 

2014 京都記念 一着

   宝塚記念 三着

   天皇賞秋 二着

   有馬記念 二着

 

2015年 京都記念 一着

    ヴィクトリアマイル 二着

    宝塚記念 三着

    オールカマー 三着

    エリザベス女王杯 一着

    ジャパンカップ 一着

    有馬記念 一着

 

2016年 ドバイシーマ 一着

    ヴィクトリアマイル 一着

    宝塚記念 一着

    コックスプレート一着

 

27戦14勝(G17勝)(14-6-6-1)

 

善戦ウーマンとか呼ばれてはいたが、掲示板外にぶっ飛んだことはない安定感も持ち合わせている。

 

重賞勝利数は歴代トップの13勝。

 




リスグラシューは香港とオーストラリアの検疫規定により本来オーストラリア遠征できなかったらしいです
ドバイとオーストラリアについては調べてもでてこなかったので、「規定が厳しく、ドバイ遠征してたサンドリヨンは遠征できなかったが規定が緩和され、参戦することになった」とここではしておきます
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