シンデレラは遅れてやってくる   作:白雪(pixivでもやってる)

15 / 15
ウマ娘のシャルルとラシレネッタはサンドリヨンを慕う後輩ということにしておきます

これは元性別擬人化
苦手な人は注意
ちょっと暗いです


残された子たち

「お兄ちゃん」

 

「何だ?」

 

「お父さんも、亡くなっちゃったね……」

 

ふわりと黒いワンピースの裾を揺らして妹ラシレネッタは呟いた。

 

「そうだな。……まあわかってたよ。あのヒト、母さん死んで弱ってたくせにたくさんの仕事引き受けてたから」

 

「やっぱり、お父さんかなり追い詰められてたんだ」

 

「そりゃあな。母さんのこと本気で好きだったみたいだし。正直すぐ後を追うかと思ってたさ」

 

兄シャルルマーニュが父親というより三冠馬の伯父に似ているのは栗毛だからだろうか。

 

空に漂う煙をじっと見つめてる兄は、父の死をどう感じてるのかラシレネッタはわからなかった。

 

「お父さんは、お兄ちゃんと私のレースの勝利を見届けたんだね」

 

「そんな殊勝なこと、父さんが考えるかね」

 

「考えるよ。だってお父さんだもん」

 

 

母サンドリヨンがどれだけ優れた競走バであったのか、父ドゥラメンテがどれほどの才能を宿していた競走バだったのか。

 

それを証明できるのは、自分たち兄妹だけしかいない。

 

 

「お兄ちゃん、これからどうする?」

 

「めんどくさい書類のあれこれはオルフェ伯父さんがしてくれるだろうから任せておくとして、俺ら寮暮らしだからそこまで変わらないだろう。」

 

淡々と話す兄は、いつもより冷たく悲しそうな目をしていた。

 

「そういえば、お兄ちゃんとさっき話してたのって……」

 

「タイトルホルダー。父さんの息子のひとり。俺の同期だよ。」

 

「そうなんだ…」

 

「なんだ気になるのか?2×2だからやめておいたほうがいいぞ」

 

「そういうことじゃないから!いやお兄ちゃんって友達いたんだって」

 

「……………失礼な。」

 

「その沈黙は何!?」

 

あまり人付き合いが好きじゃない兄シャルルマーニュはダービー同着のシャフリヤールかチームが同じのシルヴァーソニックくらいとしか話さない。

 

イケメンであるが、女子に距離を置かれるタイプなのでひとりのときが多い。

 

「このディクタスアイってやつが悪いんだ……」

 

「私は遺伝してるけどあんまりならないなあ。お母さんもそうだったらしいし、やっぱりオルフェ伯父さんに似たんだねお兄ちゃん」

 

 

軽口をいつものように叩くと、ようやく調子を取り戻せた気がした。

 

 

「お兄ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「お父さん、お母さんと今頃空で会えてるのかな」

 

「……さあ、父さんが生前善いことをたくさんしてたら、会えてるんじゃないか?」

 

「じゃあ、絶対会えてるね!」

 

 

_____________________________________________

 

その最悪の日は、はっきり覚えている。

 

失踪した母さんの死が確定した日。

 

もうひとりのきょうだいがなくなった日。

 

泣き叫ぶラシレネッタをあやし続け、大人たちから見ない方がいいと言われて別室に押し出されそうになった。

 

「先輩、そんな、先輩、なんでッ……!」

 

「落ち着け、落ち着けって!」

 

「落ち着いていられるか!離せよキタサン、離してくれ……!」

 

顔をぐしゃぐしゃにして母さんの体にすがり付く父さんは、正直息子の俺も見ていられないほど痛々しくて。

 

母さんからしたらただの後輩でビジネス上の関係だったのかもしれないが、父さんからはそれ以上の感情があった。

 

母さんは、なぜ亡くなったのだろう。

 

なぜあんなに惨たらしい最期だったのだろう。

 

神様は、母さんが幸せになるのを許せなかったのか?

 

残されたのは、息子と娘と父親。

 

憔悴しきっていたのは父さんだけではなく、三冠馬の伯父さんもげっそりと痩せてまともなご飯を食べてないみたいだった。

 

仕事の人は、なんとか伯父さんのフォローはできたが父さんは無理だったみたいだ。

 

もし、母さんが生きていたら、父さんが思いを伝えてハッピーエンドだったかもしれない。

 

 

なんで、なんで、この世界からサンドリヨンを奪ってしまったのです。

 

どうして、どうして……

 

 

「父さんが母さんのところに会いに行けるか、なんて」

 

 

「きっと父さんなら母さんがどこにいようと見つけるさ」

 

 

 




ドゥラメンテが治安悪そうなイケメン(でも育ちがいいのがわかる)ならシャルルマーニュは目つきが少し怖いけど顔立ち自体は正統派なイケメン
ラシレネッタは小柄なので綺麗より可愛い。人魚姫モチーフの髪飾りつけてる。ハーフツイン。

コメント欄、犯人グループへの殺意が高い……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ツーターン・スリーターン(作者:ジェレミー)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

スローペースのヨーイドンなんてつまらない。▼まっすぐ走るのは苦手だから、競走馬に転生した俺が王道に逆らってみようじゃないか。▼※史実改変タグについて▼一部繁殖未登録馬の繁殖実績が登場いたします▼未来設定の話なので、(2025年2月現在での)過去の競走馬の成績改変はありません。▼少し本編が進んだらウマ娘ストーリーも入れてみます。


総合評価:1006/評価:7.62/連載:73話/更新日時:2026年05月22日(金) 22:10 小説情報

覇王伝説第二章(作者:ノワールキャット)(オリジナル現代/スポーツ)

20世紀末。▼8戦8勝の年間無敗、史上最多の年間GI5勝。▼2000年に降臨した絶対王者、世紀末覇王と称されたとある馬の後継者。▼これは、かつての相棒と駆ける覇王伝説の第2章である。▼─────▼ある騎手が引退することなので、書いてみました。▼執筆者はにわかな部分が多いです。かなり優遇していますので、史実改変が嫌という方はここでブラウザバックしよう。


総合評価:2536/評価:8.96/連載:24話/更新日時:2026年05月22日(金) 11:30 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>