シンデレラは遅れてやってくる 作:白雪(pixivでもやってる)
これは元性別擬人化
苦手な人は注意
ちょっと暗いです
「お兄ちゃん」
「何だ?」
「お父さんも、亡くなっちゃったね……」
ふわりと黒いワンピースの裾を揺らして妹ラシレネッタは呟いた。
「そうだな。……まあわかってたよ。あのヒト、母さん死んで弱ってたくせにたくさんの仕事引き受けてたから」
「やっぱり、お父さんかなり追い詰められてたんだ」
「そりゃあな。母さんのこと本気で好きだったみたいだし。正直すぐ後を追うかと思ってたさ」
兄シャルルマーニュが父親というより三冠馬の伯父に似ているのは栗毛だからだろうか。
空に漂う煙をじっと見つめてる兄は、父の死をどう感じてるのかラシレネッタはわからなかった。
「お父さんは、お兄ちゃんと私のレースの勝利を見届けたんだね」
「そんな殊勝なこと、父さんが考えるかね」
「考えるよ。だってお父さんだもん」
母サンドリヨンがどれだけ優れた競走バであったのか、父ドゥラメンテがどれほどの才能を宿していた競走バだったのか。
それを証明できるのは、自分たち兄妹だけしかいない。
「お兄ちゃん、これからどうする?」
「めんどくさい書類のあれこれはオルフェ伯父さんがしてくれるだろうから任せておくとして、俺ら寮暮らしだからそこまで変わらないだろう。」
淡々と話す兄は、いつもより冷たく悲しそうな目をしていた。
「そういえば、お兄ちゃんとさっき話してたのって……」
「タイトルホルダー。父さんの息子のひとり。俺の同期だよ。」
「そうなんだ…」
「なんだ気になるのか?2×2だからやめておいたほうがいいぞ」
「そういうことじゃないから!いやお兄ちゃんって友達いたんだって」
「……………失礼な。」
「その沈黙は何!?」
あまり人付き合いが好きじゃない兄シャルルマーニュはダービー同着のシャフリヤールかチームが同じのシルヴァーソニックくらいとしか話さない。
イケメンであるが、女子に距離を置かれるタイプなのでひとりのときが多い。
「このディクタスアイってやつが悪いんだ……」
「私は遺伝してるけどあんまりならないなあ。お母さんもそうだったらしいし、やっぱりオルフェ伯父さんに似たんだねお兄ちゃん」
軽口をいつものように叩くと、ようやく調子を取り戻せた気がした。
「お兄ちゃん」
「なんだ?」
「お父さん、お母さんと今頃空で会えてるのかな」
「……さあ、父さんが生前善いことをたくさんしてたら、会えてるんじゃないか?」
「じゃあ、絶対会えてるね!」
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その最悪の日は、はっきり覚えている。
失踪した母さんの死が確定した日。
もうひとりのきょうだいがなくなった日。
泣き叫ぶラシレネッタをあやし続け、大人たちから見ない方がいいと言われて別室に押し出されそうになった。
「先輩、そんな、先輩、なんでッ……!」
「落ち着け、落ち着けって!」
「落ち着いていられるか!離せよキタサン、離してくれ……!」
顔をぐしゃぐしゃにして母さんの体にすがり付く父さんは、正直息子の俺も見ていられないほど痛々しくて。
母さんからしたらただの後輩でビジネス上の関係だったのかもしれないが、父さんからはそれ以上の感情があった。
母さんは、なぜ亡くなったのだろう。
なぜあんなに惨たらしい最期だったのだろう。
神様は、母さんが幸せになるのを許せなかったのか?
残されたのは、息子と娘と父親。
憔悴しきっていたのは父さんだけではなく、三冠馬の伯父さんもげっそりと痩せてまともなご飯を食べてないみたいだった。
仕事の人は、なんとか伯父さんのフォローはできたが父さんは無理だったみたいだ。
もし、母さんが生きていたら、父さんが思いを伝えてハッピーエンドだったかもしれない。
なんで、なんで、この世界からサンドリヨンを奪ってしまったのです。
どうして、どうして……
「父さんが母さんのところに会いに行けるか、なんて」
「きっと父さんなら母さんがどこにいようと見つけるさ」
ドゥラメンテが治安悪そうなイケメン(でも育ちがいいのがわかる)ならシャルルマーニュは目つきが少し怖いけど顔立ち自体は正統派なイケメン
ラシレネッタは小柄なので綺麗より可愛い。人魚姫モチーフの髪飾りつけてる。ハーフツイン。
コメント欄、犯人グループへの殺意が高い……