シンデレラは遅れてやってくる 作:白雪(pixivでもやってる)
「お兄ちゃん!!!」
「よく来たなサンドリヨン!……あっ、兄貴……」
「……お前が妹か」
昨日白狼ファームへ着き、馬房を自分好みにして寝てしまった。
今日はお兄ちゃんのいる社団スタリオンステーションへ。
お兄ちゃんは相も変わらずで元気そう。
……だが、この小さくて怖そうなヒトは……?
「おい。今小さいって言ったか」
「あっ、違います!そんなことはないです!」
「ドリームジャーニー、人間どもによればお前らの兄にあたる……らしい」
「ドリームジャーニーお兄ちゃん……」
あのグランプリ連覇したがすっごい気性難と池上先生も頭を抱えていた……!
さすがG1ホース、オーラがすごい!
「私はサンドリヨンです。よろしくお願いしますジャーニーお兄ちゃん!」
「うっわ流石サンドリヨン……あの兄貴相手にお兄ちゃん呼び」
ひええと小さな悲鳴を溢すオルフェーヴルお兄ちゃん。
「背中はゾエだと聞いた。G1をなかなか勝ちきれない、と」
「……はい、そうです」
いやなんでお兄ちゃんなのに敬語になってるのよ私。
それはたぶん、負い目があるからだ。
期待されたのに思ったように結果が出ない私自身への苛立ちもある。
「……まあ程々に頑張れ」
「えっ」
あまりにも普通にさらっと応援されたのでびっくりした。
オルフェお兄ちゃんも「デレ?」なんて言ってる。
あっ、ジャーニーお兄ちゃんにオルフェお兄ちゃん蹴られた。
「兄貴は気性がアレでかなり苦労させたらしいからな」
「なるほど。確かに私もあのドリームジャーニーの妹とは思えないほどおとなしいって言われてたっけ」
でもジャーニーお兄ちゃんって小柄だよね私より。
本馬のまえでは絶対言わないけれど。
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夏が終わり、秋のG1へ向けて調教が始まった。
というか
「また太ってる!!??」
前回472キロで今は488キロ。
えぇ……怖い怖い。
「増えやすい冬じゃなくて体重減りやすい夏にこんなに増えたのか……」
なんて池上先生はしみじみと言ってるけど、私はショックよ!
すくすく成長中なんて、この年齢だとデブってるだけじゃない!
このままだと500キロいっちゃうんじゃない……!?
ヒェ……。
「こんにちは先生、サンドリヨン。……なんかまた一段とデカくなりましたね彼女」
「池副君久しぶりだね。490キロ近くでね……完全に成長分だろう。太ったという感じがまったくない。」
「ですね。凱旋門賞遠征はやめておいて正解でしたね。小柄な馬のほうが好走する傾向にありますから」
「まあ海外のほうが向いてるかもと心配する気持ちはわからなくもないが……」
凱旋門賞……お兄ちゃんが行った。
連続二着だったんだよね。
私は……話聞く限りあんまり向いてなさそうだなあ。
「次走はオールカマー叩いてエリザベス女王杯いこうと思うんだ」
え、エリザベス女王杯……ううむ牝馬限定戦か……
ここで勝たないと……!
六歳だけどもりもり成長中