シンデレラは遅れてやってくる   作:白雪(pixivでもやってる)

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舞踏会は突然に

オールカマー三着

 

 

マークされて前壁になってしまった結果、後輩牝馬二頭に先着された。

 

 

私は……とても不甲斐ないと思った。

 

だけど先生や池副さんは違う。

 

 

「エリザベス女王杯は絶対勝てる」

 

 

そう言ってくれたのだ。

 

 

─────────────────────────

 

やってきたエリザベス女王杯当日。

 

「私もう六歳で……おばさんって呼ばれたらショックだなあ」

 

「あらやだシンデレラちゃん、私の方がひとつ上よ?」

 

 

私をサンドリヨンではなくシンデレラと呼ぶのは今回のレース最年長のパワースポットさん。

 

 

鬼ヤンマみたいなメンコをつけてる。

きれいな顔なのにもったいない。

 

「サンドリヨン、ですってば。G1馬もいて……緊張します。」

 

「あら、そう?貴女今までと違う気がするけど」

 

「パワースポットさんもですか?私は変わった気しないんですけど」

 

太ったくらいだって……。

 

「ふうん、まあいいわ。お互いベストを尽くしましょうね」

 

 

鞍上の志井さんのところにゆっくりと歩いていったパワースポットさんを見送り、パドックで池副さんを待つ。

 

 

「今日はよろしく、絶対勝とうね」

 

ニコニコと笑ってる池副さんは一回私の首を撫でたあと軽々と跨がった。

 

 

「やっぱりカラダしっかりしてますね、段違いだ」

 

「でしょう。もう緩さはないですよ」

 

 

私を曳きながら自慢げに胸を張った厩務員さん。

 

 

「きっと大丈夫だよ、お前なら。サンドリヨン」

 

 

 

───────────────────────────

 

「さあ女王の座は誰の手に。エリザベス女王杯、いまスタート!いいスタートを切りました一番サンドリヨンオルフェーヴルの妹です。ウインリバティ、リラヴァティもすーっと上がっていきます。おっ、なんと、なんとサンドリヨンがハナをとった!なんと今日は逃げてますサンドリヨン。」

 

 

 

スタートは上手く切れたし、勢いのまま前に出ちゃったけど、どうしよう……?

 

このまま逃げるしかないのね……。

 

 

どうしよう、私逃げなんて一回もやったことない!

 

 

取り敢えず池副さんの指示通りにペースを作ろう。

そうしよう。

 

 

「緩く逃げていきますサンドリヨン。フーラブライドも後に続く」

 

 

というか逃げの癖にそんなに離せてないし!?

 

これもう差しの射程圏内じゃん……。

 

メイショウマンボちゃんとかヌーヴォレコルトちゃんの脚が届いちゃうよ。

 

 

「そしてラキシス、ヌーヴォレコルト、ルージュバックなどの人気馬は中団から後方に控えています。先頭はサンドリヨン、変わらず。」

 

 

「さあ最終コーナー回って直線コース!持ったまま、持ったまま池副謙一とサンドリヨンがすんごい脚でリードを広げた!マリアライト追い込んでくる、間からヌーヴォレコルト!メイショウマンボは沈んだ!」

 

 

調教で、舌打ちをするとスパートをかけると学んだ。

 

だから鞭を使わなくてもいい、らしい。

 

痛いからありがたいけどね?

 

 

 

「さあ悲願だ悲願達成だ!このまま持ったまま四馬身と独走状態だ!ようやく王冠を手にしたシンデレラ!三冠馬の妹、サンドリヨン!」

 

 

 

最後は意外とあっけなかったというか……ぐんぐん脚が伸びる感じがした。

 

 

成長してるって……まじだったのか。

 

ただ太ってるわけじゃなかったんだね。

 

 

「鞍上はあの兄オルフェーヴルやドリームジャーニーを導いた池副謙一騎手です。いやあ、ストレイトガールやゴールドシップに続いてサンドリヨンもG1タイトルを今年手にしました。」

 

 

ようやくG1を勝って……嬉しい。

 

ちゃんと、ちゃんと期待に応えられたことが。

 

 

ウイニングランは初めてではないけれど、いつもと違う感じがした。

 

 

「よくやったよ!最高だ!」

 

「ありがとう!!」

 

 

厩務員さんも嬉しそうに私を曳いて、池副さんは私の首を叩く。

 

 

「ちゃんと覚えてたんだな、良かった良かった」

 

「余裕のある勝ち方でしたね、これは有馬記念も楽しみですよ」

 

 

 




イメージはイクイノックスのドバイシーマ



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