シンデレラは遅れてやってくる 作:白雪(pixivでもやってる)
なんと現役続行になった私、サンドリヨン。
七歳初戦は異国の地ドバイで行われるレース、ドバイシーマクラシックだ。
社代の超良血エリートで二冠馬のドゥラメンテ
ひとつ年下のラストインパクト
ダービー馬ワンアンドオンリー
……………牝馬、いないね?
外国の馬も、牡馬とせん馬ばっかり。
同性がいたら心強いんだけどなあ……。
牡馬はちょっとギラギラしてて苦手かも、同期は除いて。
ジャスタウェイは……失礼優等生みたいな性格だし別物。
ゴールドシップはゴールドシップ。
仲良くなれるといいな、日本の馬で仲間だもんね。
ターフではライバルだけど。
「えっと、ドゥラメンテくんははじめましてだよね?サンドリヨンです。お互い頑張ろうね」
「……よろしくお願いします」
挨拶すると、無愛想ながらも返してくれた。
いい子だなあ。
「また現役続けるんですか?」
「そうみたいなの。もう七歳なんだけどね」
「でも先輩去年G1三連勝してたじゃないですか。手強いなあ~」
有馬記念とジャパンカップで面識があったワンアンドオンリーとラストインパクトと話した。
「手強いって……私もうおばさんだから。若い子達についてくのにせいいっぱいだよ」
「おばさんではないです……先輩は、綺麗ですよ」
謙遜すると、ドゥラメンテくんがボソッとフォローしてくれた。
普通に嬉しい。
「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ。私ドバイ初めてだなあ。同い年の馬いるかな?」
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慣れないドバイのターフにも慣れて、調教を積んで、ようやく来ました当日。
興奮しすぎてあんまり眠れなかった。
しかも夜走るなんて……ロマンチックじゃない?
「星、見えるかも……」
「先輩」
「ん?なあにドゥラくん。」
「今日……負けませんから」
「私も同じ気持ちだよ」
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「夜やなあ」
夜ですねえ。
「ナイターは初めてだもんなサンドリヨン。ちょっと興奮してるやろ」
ばれたか。
さすが騎手。
「うん……あんまり控えさせないほうがいいかもな。今日は逃げるぞ」
そうだね……私は今前に行きたがってる。
いつものように先行すると掛かってしまうかも。
「よし!おとなしくしてろよ……」
わかってるって。
池副さんは私を撫でながらゲートに入らせた。
私は3番。
外国馬に挟まれている。
唯一の牝馬だからかガン見されてるけど。
落ち着かないなあ。
「私は負けない」
お兄ちゃんがとれなかった外国のG1、制してみせる。
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『ドバイシーマクラシック、今スタートが切られました。出遅れはなし。全頭落ち着いてます。前に行くのは……おおっと、日本のサンドリヨン。G1三連勝の勢いのままこのドバイでもシンデレラは輝くか。サンドリヨンが逃げます。その一馬身ほど後ろにハイランドリール。三番手はワンアンドオンリー。二冠馬ドゥラメンテは後方からです。』
逃げてるけどさあ……離せてないけど大丈夫だよね?
エリザベス女王杯みたいに逃げてるけど……勝てるよね?
ああ不安になってきたよ。
うしろにぴったり外国馬ついてるし!
ドゥラくんの末脚怖いし!
コーナーをロスなく回って進む。
取り敢えずは私が逃げてて、皆はそれをうかがってる感じかな。
『第三コーナーを回り先頭は依然サンドリヨン。サンドリヨンが集団を率いています。残り800メートル、さあ最終直線へ向かいドゥラメンテが徐々に位置を上げてきたぞ!』
『残り500メートル最後の勝負だ!』
コーナーで……差をつける!
コーナリングで一気に着差を広げてスパートをかける。
これは、オルフェお兄ちゃんが得意だった。
コーナリングが上手くて、何度も練習したのだ。
『持ったまま突き抜けたサンドリヨン!コーナーで差をつけ堂々先頭!内に切り込むドゥラメンテ!ポストポンドも迫るがサンドリヨン!』
『二着争いドゥラメンテがポストポンドに迫る迫る!だが届かないか!?さあドバイで踊るあなたと私のダンス!抜けたサンドリヨンー!!!』
一着 サンドリヨン(レコード)
二着 ポストポンド(四馬身)
三着 ドゥラメンテ(一馬身)
イメージ ハーツクライ ドバイシーマ